2018年07月31日

PICKUP NEWS


[大弦小弦]「ウソはいけない」と子どもを諭しながら、人は世渡りに…(2018/7/31沖縄タイムス)
 「ウソはいけない」と子どもを諭しながら、人は世渡りに必要なウソをつく。みだりにつかないようにと、自らを戒めながら日々を過ごす
▼PKO日報の隠蔽(いんぺい)や森友学園問題を巡る虚偽答弁、文書改ざんなど最近の国会はウソがまかり通っている。加計学園問題では誰がウソをついているのか、疑惑の解明は置き去りにされた
▼西日本を豪雨が襲った5日夜、安倍晋三首相も参加し批判を浴びた「赤坂自民亭」なる酒宴。土砂災害が多発し、多くの住民が孤立していた翌6日夜も、首相は無派閥議員を極秘で公邸に招き、総裁3選に向けた囲い込みをしていたと日本テレビの「news every.」が報じた(24日)
▼番組によると会合を取り持ったのは菅義偉官房長官。首相と加計孝太郎理事長との面会疑惑で「報道機関が作る『首相動静』に載っていなければ会っていない」と強弁した政府だが、7日付の全国紙に会合の記載はない。これもウソか
▼日本は国民が主人公であり、政府は私たちが委託した業務を行う集団にすぎない。政府が国民をだますのは委託した権力の乱用で、民主主義の破壊につながる
▼私たちは、乱発される政府のウソに慣れ過ぎてはいないか。「どうせウソだろ」とどこか冷め、諦めてはいないか。権力のウソを放置し、怒りを忘れた果てに力関係は入れ替わる。
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/291552



諫早開門判決は「無効」 漁業権消滅 漁業者側、逆転敗訴(2018/7/31東京新聞)
 国営諫早湾干拓事業(長崎県)を巡り二〇一〇年の確定判決に基づく開門命令の効力が争われた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁は三十日、国側の請求を認め、命令を無効とする判断をした。・・・ 確定判決に反して開門を拒み続けた国の姿勢を事実上追認する判決。国は基金による解決を目指すが、漁業者側は最高裁へ上告して争う。西井和徒裁判長は「漁業者の共同漁業権は一三年に消滅し、開門を求める権利も失われた」として国側敗訴の一審佐賀地裁判決を取り消した。
 国は一四年六月から、開門命令違反の制裁金(一日四十五万円〜九十万円、累計約十二億円)を漁業者に支払ってきた。今回の判決で制裁金は免除され、国が支払い済み分を裁判手続きなどで返還を求める可能性もある。
<国営諫早湾干拓事業> 有明海の諫早湾で農地確保と低地の高潮対策を目的とした農林水産省の事業。全長約7キロの潮受け堤防で湾を閉め切り、約670ヘクタールの農地と、農業用水を供給する調整池約2600ヘクタールを整備した。総事業費は約2530億円。1986年に着手し97年に堤防を閉め切った。有明海では深刻な漁業被害が生じ、漁業者側は閉め切りが原因として開門を要求。国などは対策として漁場改善事業を2002年度から始め、昨年3月末までに約520億円を拠出した。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201807/CK2018073102000133.html



【社説】辺野古工事 国は真摯な話し合いを(2018/7/31東京新聞)
 ついに埋め立て承認の「撤回」だ。沖縄県名護市辺野古への米軍基地建設は重大局面。本当にそこに新たな基地が必要か。政府は法的対抗措置に出るのではなく県側と真摯(しんし)に話し合いをするべきだ。
 建設阻止を掲げる翁長雄志知事は、二〇一五年に辺野古沿岸の埋め立て承認を「取り消し」た。これを違法とする国相手の訴訟は最高裁で知事側敗訴が確定したが、今度表明した撤回は取り消しとは意味が違う。
 取り消しは、前知事による承認審査に法的な誤りがあったと、いわば身内の手続きを問題にした。
 撤回は、その後政府が始めた建設工事に、県との事前の取り決めに対する重大な約束違反が生まれていることを根拠とする。・・・希少なサンゴの移植も進んでいない。現地では市民の反対運動も続いている。工事が無理に無理を重ねているのは明らかだ。
 翁長氏は会見で、東アジア情勢の変化に触れ「平和を求める大きな流れからも取り残されている」と政府を批判した。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018073102000137.html



筆洗(2018/7/31東京新聞)
 短い一つの文章で物語を書く飯田茂実さんの「一文物語集」にこんなのがある。「熱病患者の額を冷やしたり、盗まれた宝石を包んだり、若い娘の夜の涙をぬぐったりしたかったのに、そのハンカチは古着屋の倉庫のなかで、いつまでも見栄えのしない外套(がいとう)のポケットに入ったままだった」−▼ポケットに眠るハンカチが悲しい。と同時に、そのハンカチはわれわれ自身のことなのではないかとも考える▼夢や理想を描き、こんなふうに生きたいと願う。そう願えどもままならぬもので、どんな恵まれた方であろうと人は何らかの傷や痛みを抱え、それにこらえて、生きているものではないだろうか▼LGBT(性的少数派)は「『生産性』がない」。ある政治家がそう言った。その言葉にLGBTの方に限らず、大勢の人が抗議し怒りの声を上げるのは誰もが持つどうしようもない痛みを冷笑された気になるせいかもしれない。「おまえは役立たず」。あのハンカチにそう指摘する冷酷な声を聞いた気がするのである▼<あなたの本当の色を隠さないで。その色は虹のように素晴らしいの>。LGBTの愛唱歌でもある、シンディ・ローパーさんの「トゥルー・カラーズ」。傷つく人にそう語りかけるべき立場の人間がその傷をさらに踏みつけた▼政治家の名は書かぬ。世間を騒がせることで名を売るやり方に手を貸すつもりはない。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2018073102000135.html



三反園知事、女性添乗員を怒鳴る ブラジル訪問中の懇談会 「あるまじき行為」県議らは非難(2018/7/31西日本新聞)
 鹿児島県の三反園訓(みたぞのさとし)知事が今月、訪問先のブラジルで開かれた県人会の夕食懇談会場で、同県訪問団の世話役を務める旅行会社の女性社員を名指しして怒鳴りつけていたことが30日、西日本新聞の取材で分かった。県議らは「一般の人に対して公衆の面前であるまじき行為」と非難している。
 複数の関係者によると、22日の県人会幹部主催の懇談会で、県議長が締めくくりのあいさつをしている最中、席を外していて戻った知事が突然、女性を呼び捨てにして「誰が会を閉じていいといった」などと大きな声で叱責(しっせき)。議長のあいさつが止まり、女性はうつむいていたという。
出席者によると、知事は会場でワインなどを飲んでいた。
 知事は翌日、議長に「お騒がせした」と頭を下げたが、女性への謝罪はないという。
 県議の一人は「県政トップの言動とは思えない」と話した。西日本新聞は30日、この件で取材を求めたが知事は応じなかった。
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/437320/



陸上イージス配備、想定超えの4664億円 運用遅れも(2018/7/31朝日新聞)
 防衛省は30日、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」2基の配備費用が総額で約4664億円になる見通しを明らかにした。米航空機大手ロッキード・マーチン社製の最新鋭レーダーを搭載するが、金額は当初想定から1基あたり約1・7倍に。2023年度予定だった運用開始も、米側の事情で大幅に遅れる方向という。
 米朝対話の流れにある中、配備候補地の秋田市と山口県萩市の住民は、北朝鮮の弾道ミサイル対応を理由に導入を急ぐ政府への反発を強めている。地元の懸念や予算膨張で、導入の是非が国会で改めて議論になりそうだ。
 当初はレーダーも含め1基800億円と試算。ところが1基あたり約1340億円に膨れ上がった。防衛省は総額をこれまで明かしてこなかったが、導入後30年間の維持・運用費(約1954億円)などを加えて約4664億円となった。本体部分を日米両政府間で取引する有償軍事援助(FMS)で調達するため、金額は売り主の米側の「言い値」になりやすく、さらに増える可能性がある。
https://digital.asahi.com/articles/ASL7Z517GL7ZUTFK00M.html?iref=comtop_list_pol_n05


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2018年07月30日

PICKUP NEWS


乳用牛ふん尿から発電 沖電に売電、悪臭解消 八重瀬町、県内初(2018/7/30琉球新報)
 【八重瀬】八重瀬町は、乳用牛のふん尿からバイオガスを生成して発電し、今年5月から本格的に沖縄電力に売電している。ふん尿からのバイオマス発電は県内初。処理過程で出る液肥は町内のサトウキビ畑や牧草地などに無料散布している。廃棄物を資源化して地域で循環利用する環境に優しい取り組みだ。施設の指定管理者の八重瀬堆肥センターの新里菊也代表取締役(44)は「酪農家の悩みだったふん尿の悪臭が解消され、液肥は農家から喜ばれている。捨てるところがなく、画期的だ」と話す。
  現在は発電機1基を設置し、1時間に約25キロワットを発電。売電単価は1キロワット税込み約42円で、年間約770万円の収入を見込む。売電収入と残さの処分料などを施設の運営費や修繕費の積み立てなどに充てる。液肥は希望する農家の畑に無料散布し、堆肥は同センターで販売している。
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-771565.html



<社説>死刑制度の存廃 終身刑含め議論進めたい(2018/7/30琉球新報)
 オウム真理教による一連の凶悪事件で死刑が確定した13人の刑が執行された。1カ月という短期間に13人もの大量執行は極めて異例だ。
 今回の執行に対して、欧州諸国や国際機関から強い批判の声が上がった。2020年までの死刑廃止を求めている日弁連も抗議声明を出した。
 ・・・ただ、今回の13人死刑執行には不透明な部分が多い。なぜこの時期か。来年の改元を前に「平成の事件は平成のうちに決着を」という意向が働いたともされる。
 再審請求中が10人いたにもかかわらず、執行に踏み切ったのはなぜか。元教祖の松本智津夫死刑囚の精神状態はどうだったのか。政府は国民への説明責任を果たしていない。議論する上での判断材料が不足している。
 死刑は国家が一人の命を奪う究極の刑罰である。過去に再審事件が相次いだように、冤罪(えんざい)の危険性も付きまとう。
 裁判員裁判の中で一般市民が死刑と関わる機会も皆無ではない。判断を下すためにも、政府は死刑について秘密主義に陥らず、十分な情報公開を果たすべきだ。
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-771369.html



米軍、放射性物質を下水に流す 大震災後トモダチ作戦 厚木・三沢で12万リットル超(2018/7/30沖縄タイムス)
 【ジョン・ミッチェル特約通信員】在日米軍が2011年6月、厚木基地(神奈川県)と三沢基地(青森県)で放射性物質を含む汚染水12万リットル以上を下水道に流していたことが分かった。本紙が米軍の内部資料を入手した。
 汚染水は東日本大震災と東京電力福島第1原発事故後の「トモダチ作戦」に参加した軍用車両や装備品の除染で発生していた。
 汚染水は「低レベル」と分類されているものの、実際の放射性物質の濃度は明らかでない。内部資料には、装備品の中に除染しきれないほど深刻に汚染された物があったと記されている。
 トモダチ作戦 
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の後に米軍が実施した被災地支援活動。在沖米軍からもヘリや兵士が参加した。一方、原子力空母の元乗組員が放射線被ばくによる健康被害が出ているとして、東京電力などを相手に救済基金設立を求める訴えを米裁判所で起こしている。
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/290652



[大弦小弦]アマゾンの森深く、その男性は独り、暮らしている…(2018/7/30沖縄タイムス)
 アマゾンの森深く、その男性は独り、暮らしている。推定50代。動物を狩り、パパイアやトウモロコシを育てる。同じ種族の仲間は森を狙う林業者や農業者に次々殺され、1995年に最後の1人になった。「世界で最も孤独な人物」とも呼ばれる
▼ブラジル政府の先住民保護機関が過去に何度も接触を試みた。おのやマッチ、作物の種を置いてきたこともあるが、拒絶された。過去の仕打ちを考えればよく理解できる
▼保護機関はそこで、望まれない接触をすっぱり諦めた。居住地周辺への一般人の立ち入りを禁止し、保護区を設定。遠くから見守ることにして、今月その成果であるビデオを公開した。たくましい男性がおので木を切り倒している
▼ビデオを撮ったのは2011年。7年後の公開には「政治的な意味」もあるという。ブラジルでは、先住民保護政策が企業や極右政治家によって攻撃されている。保護機関は男性の生存を証明する必要があった
▼どちらにしても、男性にとっては迷惑な話かもしれない。その目に、私たちの社会はどう映るだろう。工業化、物欲、群れる習性、その結果起きる戦争…
▼男性について分かることは少ない。平和に暮らす権利を侵してまで知るべきでもない。ただ、その存在自体に、胸が高鳴る。その姿が、人も生き方も多様だ、と教えている。(阿部岳)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/290673



iPSでパーキンソン病、治験へ 国が承認、京大チームが世界初(2018/7/30東京新聞)
 人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から神経のもとになる細胞を作り、パーキンソン病患者の脳内に移植する高橋淳・京都大教授のチームの治験が近く始まることが29日、関係者への取材で分かった。パーキンソン病でのiPS細胞を利用した治験は世界初となる。対象となる患者数人を募集し、京大病院で医師主導治験を開始する方針。
 関係者によると、既に学内の審査を終えた。チームは、治験を監督する医薬品医療機器総合機構(PMDA)に届け出て、国が治験実施計画を了承した。
 パーキンソン病は、脳内で神経伝達物質ドーパミンを出す神経細胞が減り、手足の震えや体のこわばりなどが起こる難病。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018072901001955.html



【社説】水道法改正 市場開放ありきは危険(2018/7/30東京新聞)
 海外の巨大資本にも市場を開く水道法の改正案は、衆院を通過した後、参院で時間切れになった。次の国会では慎重な議論を望みたい。水を守るということは、命を守るということでもあるからだ。
 政府は次の国会で成立を図るだろう。
 現行の水道法は「水道事業は、原則として市町村が経営するもの」と定めている。例外はあるものの、そのほとんどが公営だ。
 財政難にあえぐ多くの事業者すなわち自治体が、老朽化する水道管など施設の維持、管理に困っているのは否めない。
 法定耐用年数の四十年を超える老朽水道管の割合は、東京都が13・5%、愛知県が16・6%、大阪府では三割近くに上っている。
 そこで民間の参入を促進し、経営の改善を図るのが、改正案の“肝”らしい。
 世界の民営水道市場は、下水道も含め「水メジャー」と呼ばれる仏英の三大資本による寡占状態。このほかにも、米国のスーパーゼネコンなどが日本市場の開放を待っている。
 フィリピンの首都マニラでは、民営化によって水道料金が五倍になった。南米のボリビアでは、飲み水の高騰や水質の悪化に対する不満が大規模な暴動に発展した。
 市場開放ありき、の法改正はやはり危うい。広域連携を軸にした、さらなる熟議が必要だ。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018073002000125.html



(声)「生産性」は生きる全てですか(2018/7/30朝日新聞)主婦 酒井純子(栃木県 46)
 杉田水脈衆院議員様。子どもを作らない同性のカップルの方々を念頭に「生産性がない」から税金を投入することに疑問をお持ちだそうですね。
 私の2人の子どもは重い知的障害があり、将来子どもを作れませんし働くこともできず納税もできません。議員さんがおっしゃるところの本当の意味で「生産性がない」子です。しかも教育、医療、福祉で税金を投入していただいております。
 私は「普通=健常な子が持てる」と思っていましたが、少数派になり「生産性がない」子を産みました。ですが授かった命、かわいい我が子です。重要なのは、私は障害児を持つことになったこと、同性カップルの方は同性の方を愛する意識をお持ちになられたこと――それぞれ精いっぱい生きてきた中で起きたことなのです。
 社会には思いがけず「普通」でなくなった方々がいらっしゃると思います。それを「多様性」と理解いただき、お考えを改めていただきたいのです。普通の方も少数派の方も命を懸命に明日に向かってつなげています。誰もが平等に扱われる住みよい社会をおつくりいただけないかとお願いを申し上げます。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13612815.html?ref=pcviewpage



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2018年07月29日

PICKUP NEWS


<社説>地位協定改定を要求 全知事の総意受け止めよ(2018/7/29琉球新報)
 全国知事会が日米地位協定の抜本改定を含む「米軍基地負担に関する提言」を全会一致で採択した。全国知事会が日米地位協定の改定を提言するのは初めてだ。画期的な動きであり、採択を機に地位協定改定の実現につなげたい。
 ・・・琉球新報が研究会設置前の16年6月に実施した沖縄以外の46都道府県知事へのアンケートでは、在沖海兵隊について「受け入れる」と答えた知事はゼロだった。45都道府県知事は「外交・防衛は国の専権事項」だとして回答すらしなかった。沖縄の基地問題が全国的な議論になっていないことを如実に示していた。
 ところが今回の提言は全会一致で採択された。提言では研究会によって「現状や改善すべき課題を確認できた」として「米軍基地は防衛に関する事項であることは十分認識しつつも、各自治体の生活に直結する重要な問題であることから、国民の理解が必要だ」との認識を示し、日米地位協定の抜本的な改定などを求めた。
 日米地位協定は1960年に締結されてから、一度も改定されたことがない。日本政府が改定交渉を提起したこともない。あまりにもいびつではないか。
 米軍が駐留しているドイツやイタリアでは、受け入れ国が基地の管理権を確保したり、自国の法律を米軍に適用したりしている。日米地位協定はあまりにも不平等だ。日本政府は全国知事の総意を重く受け止め、抜本的な改定に本腰を入れる必要がある。
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-770945.html



核被害 89歳が問う 闘病ディレクター 世界回り番組制作(2018/7/29東京新聞)
 現役最高齢のテレビディレクターといわれ、大阪を拠点に活動する鈴木昭典さん(89)が、日本と南太平洋の「ヒバクシャ」を追いかけたドキュメンタリー番組「核の記憶 89歳ジャーナリスト 最後の問い」が八月四日、BS12トゥエルビで放送される。構想から二年。鈴木さんは「人生最後の仕事」との覚悟で臨み、病と闘いながら各地で核被害の実態をリポートし、執念で完成させた。 (安藤美由紀)
 今回の企画が浮上したのは二〇一六年。広島市に原爆が投下された八月六日に毎年、ニュージーランドで追悼集会「ヒロシマ・デー」が開かれていると聞いたことだった。日本から遠く離れた南半球で、なぜ原爆の犠牲者を追悼するのか。「足でネタをつかむ」のが信条の鈴木さんは、自分の目で確かめるため同年八月、真冬の現地へ飛んだ。
 集会は、世界の核廃絶運動のリーダーであるケイト・デュースさんが主宰。鈴木さんはデュースさんらの取材を通じ、第二次世界大戦後に英国の核実験でニュージーランドの退役軍人らが被ばくしたことを知った。影響は子や孫の代にも及び、染色体異常やがんなどの健康被害で苦しんでいる事実に衝撃を受けた。
 現地で感じたのは「(核被害は)過去ではなく今の話だ」ということ。高齢の身でやりきれるのか不安を感じながらも、番組をつくる決意をした。
 一七年三月にはニュージーランドと、フランスが九〇年代まで環礁で核実験を行っていた同国領ポリネシアのタヒチを訪問。実験に携わった地元の人たちが、フランス政府から危険性の説明を十分に受けないまま従事させられたり、汚染の恐れがある魚や雨水を摂取し、がんを発症した実態を知る。「もう一つのヒロシマだ」と確信した。
 帰国後、自身にもがんが見つかった。年齢的に手術はできなかったが、主治医から「進行が遅いので二年は大丈夫」との診断を得て広島を取材。被爆者の多くはがんで他界し、存命の人もがんで苦しんでいる姿を見た。足腰の病気も患い長崎市には行けなかったが、工房スタッフが取材を続けて完成にこぎ着けた。
 番組では、こうした取材内容を克明に報告。鈴木さんは「戦争体験者として、世界のヒバクシャの現状を伝えなくては、との思いでつくった。ぜひ見てほしい」と話している。
 番組の放送時間は八月四日午後七時〜八時十分。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018072990065811.html



シリア内戦 反体制派に「米国離れ」(2018/7/29東京新聞)
 【カイロ=奥田哲平】二〇一一年から続くシリア内戦を巡り、アサド政権軍は南西部をほぼ奪還し、国土の六割を統治下に置いた。反体制派の投降を決定付けたのは、内戦への関与の度合いを弱めようとする米国のトランプ政権の姿勢だ。北東部を支配するクルド人勢力も「米国離れ」を模索し、アサド政権側との関係改善に動きだしている。・・・ 一方、国土の四分の一に及ぶ実効支配地域を持つクルド人勢力も岐路に立たされている。IS掃討作戦を通じて後ろ盾となった米国が関与を薄めるのを想定し、代表団が二十七日、初めて首都ダマスカスを訪問し、政権側との交渉に臨んだ。支配地域で連邦制を導入し、事実上の自治区化を目指す。クルド側によると双方は二十八日、内戦終結に向け行程表などを策定する委員会の設置で合意した。
 政治部門「シリア民主評議会」のエミーナ・ウマル共同議長は本紙の電話取材に「テロ対策で米国との協力は続いていくが、政治面での影響はない。シリア人同士で対話した方が、政治解決に導きやすい」と述べ、微妙な距離感をにじませた。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201807/CK2018072902000121.html



(社説)わたしたちの現在地 深まる危機に目を凝らす(2018/7/29朝日新聞)
 うその答弁に文書の改ざん、言いのがれ、開き直り――。民主主義をなり立たせる最低限のルールも倫理もない、異常な国会が幕を閉じて1週間になる。
私たちの日本社会はいま、危うく、きわどい地点にさしかかっているのではないか。

 ■忠誠が生み出す罪悪

 来月3日まで東京・岩波ホールで公開されている映画「ゲッベルスと私」の主人公ブルンヒルデ・ポムゼルは、第2次大戦当時、ユダヤ人虐殺を進めたナチスの宣伝相ゲッベルスの秘書として働いた。顔に深いしわが刻まれた103歳が語る。
 「私は、言われたことを忠実にやっていた」
 彼女が担った役割は、ナチスの犯罪のごく末端にすぎない。だがそうした小さな悪の集積が大きなうねりとなり、当時のドイツを破滅に追いやった。
 「私に罪はない」とポムゼルは言う。たしかに自分もその一人ではあった。でも、みんなが同じく加担したのだ、と。
 ナチス親衛隊の元中佐で、ユダヤ人を強制収容所や絶滅収容所に送りこむ実務責任者だったアドルフ・アイヒマンを思い起こす人も少なくないだろう。
 戦後逃亡して1960年に逮捕された彼もまた、自らの裁判で、上司の命令と当時の法、つまり総統ヒトラーの意思に忠実だったまでで、自分に罪があるとは感じていないと述べた。法廷を傍聴した政治哲学者のハンナ・アーレントは、権威への追従が重大な罪につながる「悪の陳腐さ」を指摘している。
 
■奇っ怪な記録と記憶

 ナチスの所業と安易に対比することはできない。だが、森友問題でこの国の官僚が見せた態度に、相通じるものを見る。
 「文書の廃棄や改ざんの方向性を決定づけた」とされる当時の理財局長の下、多くの財務省職員が、およそ公務員にあるまじき行為に手を染めた。
 そもそも、優秀な官僚のはずの局長は、改ざんに走る以前に、なぜ基本的な事実関係すら確認せずに「記録はない」と虚偽の国会答弁をしたのか。この根本的な疑問に、財務省の調査報告書は答えていない。
 はっきりしているのは、「私や妻が関係していれば、首相も国会議員も辞める」と安倍首相が国会で発言した直後から、廃棄と改ざんに向けた動きが始まったということである。
 もう一方の加計学園問題でも不可思議な話が尽きない。
 元首相秘書官は、首相に不利に働く事実は頭の中からきれいに消えてしまい、その逆については鮮明に覚えているという、特異な記憶力を披瀝(ひれき)した。
 もうひとつ。獣医学部の新設をめぐって学園理事長と首相が面会していた旨の記載が、愛媛県の文書に残っていた。本当ならば、これまでの首相の答弁は根底から崩れる。すると突然、学園の事務局長が「私が県に誤った情報を伝えた」と言い出した。面会がないとしたら、前後の事実のつじつまが合わなくなるのに、お構いなしである。

 ■手遅れになる前に

 危機の兆候を見逃したり、大したことにはなるまいと思ったりしているうちに、抜き差しならぬ事態に立ち至る。歴史が警告するところだ。
 そうさせないために何をすればいいか。政治への関心を失わず、様々なルートや機会を通じて、社会とかかわり続ける。あきらめずに行動し、多様な価値観が並び立つ世界を維持する。それらを積み重ねることが、くらしを守る盾になるだろう。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13611561.html?iref=comtop_shasetsu_01



 (声)外国人との共生 相手を思いやる想像力持って(2018/7/29朝日新聞)日本語教師 ヴェッツェル吉田優子(神奈川県 38)
 ドイツ人の夫は、日本で1億3千万人の外国人と共生している。電車で座ると隣の人が立ち上がったり、銭湯では上から下までじろじろ見られたり、箸を使うだけで褒められたり、公園で見ず知らずの人から家族構成など根掘り葉掘り質問されたりと、びっくりするような体験を聞かせてくれる。
 想像してみて欲しい。もし、フォークとナイフがお上手ですねと子どものように褒められたらどんな気持ちか。道行く人に、恋人とのなれ初めを尋ねられても違和感はないか。言葉も考え方も違うが、人として悲しいとか恥ずかしいと感じるのは日本人と同じだ。共生に必要なのは相手を思いやる想像力だと思う。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13611568.html?ref=pcviewpage



(声)外国人との共生 会社が多国籍化、壁を乗り越え(2018/7/29朝日新聞) 無職 吉岡敏郎(東京都 76)
 勤務していた自動車会社の業績が低迷し、外国企業の資本を受け入れた。経営トップのほか、役員、部長、社員に至るまで、米国、英国、豪州、中東などから多くの人が派遣されてきた。トップによる日本人幹部への訓示はこうだった。
 「当社はゴルフで言えば第1打をOBギリギリの林の中に打ち込んだ状態にある。しかし、済んだことを嘆いていても仕方がない。第2打をどの方向にうまく打ち出すかを考えよう」
 日本人の国民性、風習、考え方などと随分隔たりがあり、抵抗感を抱き続けていたのは私一人ではない。通訳がついてはいたが、言葉の行き違いもあり、対立する場面が少なからずあった。育った環境が違う者同士、すんなり行かないのは当然だ。
 しかし、お互いに人間同士、認め合い、話し合い、理解し合えば、必ず道が開ける。異文化が交ざり合うから進化するということを認識することがいかに重要かを学んだ。違いを知る、理解する、色々な人がいるから豊かな社会が実現できるということを皆で考えてみてはどうだろうか。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13611563.html?ref=pcviewpage



インドネシアのリゾート地で地震 M6.4 家屋倒壊か(2018/7/29朝日新聞)
 インドネシア南東部のロンボク島で29日午前6時47分(日本時間同7時47分)ごろ、マグニチュード6・4の地震があった。国家防災庁が公表した複数の現地写真では、れんが造りの家屋が倒壊した様子が映っている。
 同庁によると、震源は本島の中心都市マタラムから北東50キロ付近。同庁担当者は「津波の心配はないが、大きな余震が複数回あり、被害を確認中だ」とした。
 ロンボク島は、バリ島の東に位置し、国内外で人気のリゾート地。
https://digital.asahi.com/articles/ASL7Y3D4NL7YUHBI009.html?iref=comtop_8_04


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