2020年02月29日

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【社説】一斉休校要請 混乱収拾は国の責任で(2020/2/29東京新聞)
 全国の学校は大わらわだろう。新型肺炎拡大防止で、国の一斉休校の要請はあまりにも唐突だった。どういう根拠にもとづく施策かも説明不足だ。生じる混乱の責任は国が負わねばならない。
 学校保健安全法は、感染症の予防上必要があるときは、学校設置者は臨時に休校できると定めている。つまり公立は地方自治体の教育委員会、私立は学校法人に判断は委ねられている。
 そのため一斉休校は国からの「要請」という形を取っている。強制力はない。しかし判断材料も十分ではない中、独自の対応をするのは困難と考える自治体も多いだろう。週明けから休校の動きは広まるとみられる。
 期末試験を実施しないまま、どうやって成績をつければよいのか。入試はどうするか。卒業式は−。休校後も先生たちの苦悩と混乱は続く。
 学校という多人数が密集する環境での集団感染を防ぎ、同居する高齢者に感染が広がらないようにする。一斉休校にはそういう効果が期待されている。しかし感染者が確認されていない地域まで一律で休校する必要があるのか、専門家の意見も分かれている。
 親が満員電車で通勤しているのに、子どもだけ休校にして家庭の感染リスクは低下するのか。学童保育や保育所は原則開所というが、判断の線引きは一体どこにあるのか。疑問は次々わいてくるが、明快な説明はない。
 根拠(エビデンス)がはっきりしない方針が次々打ち出されると、目指す方向性が見えにくく、国民の不信は増すばかりではないのか。
 心配されているのは、親が休まざるを得ない状況に追い込まれ、経済的な打撃を被ったり、働き手が不足する事態だ。実際、すでに知事が休校を要請している北海道では、大勢の看護師が日中働くことが困難になり、外来を制限し始めた病院もある。
 預け先のない家庭の子どもを学校で受け入れると決めた自治体もあるが、国は休業補償など具体策を早急に示すべきだ。
 休校後は、自宅で過ごすことを求められている子どもたちのストレスも気掛かりだ。新型肺炎への不安を過度に膨らませ、それが感染者への差別、偏見につながってしまう事態は避けねばならない。誰でも感染の可能性があるし、不運に見舞われた人がいれば互いに思いやる社会となるよう、大人は子どもたちと話をしてほしい。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020022902000149.html



麻生財務相、休校費用の質問に「つまんないこと聞くね」(2020/2/29朝日新聞)
 麻生太郎財務相が28日の閣議後記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた学校の臨時休校をめぐり、発生する費用について聞いた記者とのやり取りの中で、「つまんないこと聞くねえ」と答える一幕があった。
 この日の会見では、安倍晋三首相が小中高校と特別支援学校の臨時休校を要請したことに関連して、それに対応する親が働く企業への影響や、その際の費用負担について見解を問われた。麻生氏は「経費がかかるとかいろんなことについては、対応することになるんだと思います」と、政府の支出となるとの考えを示した。・・・
 麻生氏と記者団の主なやりとりは以下の通り。
 ――臨時休校要請をしている。働く母親などがいる家庭について企業活動にも影響が出る可能性があると思うが
 「出るでしょうね」
 ――大臣の受け止めを
 「学校が休みになると、預ける先がないお子さんたちを抱えておられる共働きの家庭とかいったところに支障が出ることはもうはっきりしています」
 「そういったものに対する対応について、経費がかかるとかいろんなことについては対応すべき。我々最初からそう思っていましたから。そういったことに対応させていただくということになるんだと思いますけども」
 ――そうした臨時の出費に対して政府が何か臨時の支出をすることも具体的に考えているか
 「聞いてんのそれ? 質問?」
 ――質問です
 「こういうのを要請をして、経費がかかる場合は政府が払うというのは、当然のことなんじゃないですかね。当たり前のこと聞かんでください」
 ――具体的なスキーム(仕組み)はこれから
 「こちらは要請を受けて出すんですから。こちらが最初においくらですよって決めて言うわけないでしょう」
 ――そうですね
 「もうちょっと常識的なことを聞こう」
 ――(質問への回答を)ありがとうございます
 「つまんないこと聞くねえ」
 ――いやいや、国民の関心事ですよ
 「言われて聞くのかね?上(上司)から言われているわけ? かわいそうだねえ」
https://digital.asahi.com/articles/ASN2X5671N2XULFA02R.html?iref=comtop_list_pol_n03



文科省内に困惑と憤り 幹部「現場のこと考えてない」「首相がリーダーシップ誇示したいだけ」(2020/2/28東京新聞)
 安倍晋三首相が全国の小中学校や高校などに一斉の臨時休校を要請すると表明した二十七日、臨時休校要請のニュース速報が流れると文部科学省の担当職員は総立ちとなり、テレビの前に駆け寄った。「信じられない。学校現場のことを何も考えていない」。幹部の一人は頭を抱えた。
 北海道の鈴木直道知事が道内全域の小中学校について休校を正式に要請した二十六日。別の文科省幹部は「低学年は誰が面倒を見るのか。中学生にもなれば、家でじっとしているとは思えない。課題が多すぎて、休校を全国に広げるなんて、あり得ない」と冷静に受け止めていた。
 このころ既に、官邸サイドから一斉休校の打診を受けていたものの、文科省としては実施困難との考えを伝えていたという。一転、風向きが変わったのは二十七日昼ごろ。官邸から一斉休校を実施するとの意向が伝えられ、大わらわで準備が始まった。
 首相は週明けからの休校を打ち出したが、ある幹部は「準備が間に合わない学校がほとんどだろう」と見る。ある職員は「とばっちりだ。政治的に劣勢に立たされた首相がリーダーシップを誇示したかっただけではないか」と憤った。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202002/CK2020022802100051.html



石垣陸自配備で住民投票の実施を 全国の憲法学者や弁護士が声明 石垣市に手続き中止求める(2020/2/28琉球新報)
 沖縄県石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備計画を巡り、全国の憲法学者や弁護士の有志80人は28日、陸自配備計画の賛否を問う住民投票で住民の意思が示されるまでは予定地にある市有地を沖縄防衛局に売却、貸し付けするための手続きを中止するよう求める声明を発表した。石垣市は市有地を沖縄防衛局に売却するための議案を市議会3月定例会に提案している。
 声明では石垣市の動きについて「住民の意思を無視し、国の方針に即応して従属するものであり、憲法における地方自治の本旨である住民自治、団体自治に反する」と指摘した。
・・・ 住民投票を巡っては、市住民投票を求める会が2018年、地方自治法に基づき有権者の約4割に当たる1万4263筆の署名を集めて直接請求したが、市議会が19年2月1日に住民投票条例案を否決。求める会は同年9月に住民投票の実施を求める訴訟を那覇地裁に提訴した。石垣市の自治基本条例で定められた住民投票に関する条文の解釈を巡って、求める会と市で対立している。
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1082125.html#prettyPhoto



【社説】ハンセン病判決 「違憲」なら再審が筋だ(2020/2/28東京新聞)
 ハンセン病患者とされた男性をめぐる一九五〇年代の特別法廷の審理は「違憲」と熊本地裁が判断した。人格権などを侵害したと認めた。男性は無実を訴えており、再審の扉を開くのが筋だ。
 特別法廷とは最高裁が認めた場合に裁判所以外で法廷を開く方法だ。ハンセン病患者の裁判では、隔離先の療養所や専用の刑事施設に設けられ、四八年から七二年にかけ九十五件が開かれた。
 だが、ハンセン病は感染力が極めて弱く、完治できる病気になっていた。そんな医学的な根拠も無視し、誤解や偏見に基づく隔離政策は続けられた。
 特別法廷でも感染を恐れた裁判官や検察官、弁護士が予防服を着て、証拠物を火箸で扱うなど異様な光景があった。公開されるべき裁判が「非公開」であったともいわれる。
 最高裁は二〇一六年に「人格と尊厳を傷つけた」と謝罪した経緯がある。しかし、特別法廷の設置が差別的で裁判所法違反だったと認めただけで、違憲とは言明しなかった。その意味で熊本地裁が明確に「特別法廷での審理は人格権を侵害し、患者であることを理由とした不合理な差別で違憲」と述べた意義は大きい。
 特別法廷の適否に関する初の司法判断で、法の下の平等にも反し、裁判公開の原則にも反する疑いを認めた。画期的である。
 もっとも原告が求めた「検察による再審請求」は「刑事裁判の事実認定に影響する手続き違反ではない」と退けた。この判断には疑問を持つ。裁判が「不合理」な形で進行したのならば、その手続きは正当とは言えまい。
 「菊池事件」と呼ばれる今回の事件は男性が殺人罪に問われ、五七年に死刑が確定、六二年に刑が執行されている。だが、男性は「無実」を訴え続けていた。正当とは言えない法廷で審理され、導かれた事実認定がなぜ正しいと言えるのか。裁判をやり直す再審手続きを踏むべきである。
 今回は刑事裁判でないし、刑事訴訟法上の再審事由に該当しないかもしれない。それは裁判所に憲法違反の手続きがあろうとは法の想定しえない事態だからだ。ハンセン病とされた被告には裁判所の門さえくぐれぬ不利益が働いた事情を酌むべきである。
 男性は既に死刑になり、遺族は差別を恐れ、今なお再審請求に踏み切れない。法の落とし穴があれば検察官が再審を求め、公正な裁判を実現するべきなのだ。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020022802000168.html



(声)検事長定年延長、法曹界は声を(2020/2/27朝日新聞) 無職 林勤(愛知県 69)
 政府は、国家公務員法の規定を適用し、黒川弘務・東京高検検事長の定年延長を閣議決定した。これに疑問を感じる。
 国家公務員の定年は60歳で必要な場合は延長も可と定められている。一方、検察官は検察庁法に定年は63歳と明記され、延長規定はない。
 私は約50年前に大学で法学部に在籍していたが、「特別法は一般法に優先する」という法律学の原則を教わった。定年延長の規定がある国家公務員法は一般法であり、検察庁法は特別法に位置づけられる。政府も、国家公務員の延長規定は「検察官には適用しない」とする解釈を示してきた。検察官は職務上、公平性、中立性に加えて高度な専門性も要求されるので、他の公務員とは別の定年規定があるのもうなずける。
 だが、政府は今回、法を解釈変更し、黒川氏の定年延長を閣議決定した。これがまかり通ってしまえば、国の法秩序は根底から崩れることになろう。権力者が勝手に都合の良いように法律を解釈し、何でもありの世界となってしまう。
 この重大事態に対し法曹関係者や法律学者から抗議の声があまり上がっていないのが不思議でならない。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14380971.html?iref=mor_articlelink03



(社説)検察官の定年 繰り返される政権の病(2020/2/27朝日新聞)
 きのうの衆院予算委員会の集中審議では、感染が広がる新型コロナウイルスへの対策とあわせて、東京高検検事長の定年延長問題が焦点となった。
 はっきりしたのは安倍政権の病というべき、後世に正確な記録を残すことへの無理解と、議論から逃げ、都合の悪い話はうやむやに済ませようとする国会軽視の体質である。
 検察官の定年延長は認められないという従来の政府見解を、急きょ変更したことについて、一般社会ではおよそ通用しない答弁がまたも繰り返された。
 いま見直す理由や検討の詳細を追跡できる記録類、そしてそれを最終決裁した文書が、法務省になぜ残っていないのか。この当然の疑問に対し、森雅子法相は「口頭で決裁するものも多い」の一言で片づけた。
 法務省にも行政文書管理規則がある。そこには、「文書主義の原則」という表題のもと、職員は、現在および将来の国民に説明する責務を果たすため、意思決定に至る過程や事務の実績を合理的に跡づけ、検証できるよう、軽微なものを除いて文書を作成しなければならない、と明記されている。
 法律が定める検察官の定年年齢を解釈で変えてしまうことが「軽微」な事案にあたると、法相は考えているのだろうか。検事の身分をもつ法務事務次官や官房長も同じ認識なのか。
 同様の不可解な対応は人事院についてもいえる。
 法務省と協議のうえ解釈を変更したことを示すものとして提出した文書に、なぜ日付が書かれていないのか。人事院の局長は、法務省に直接手渡したので記載しなかったと説明した。
 当事者同士がわかっていればよいのではなく、後世の検証に堪えるように行政文書を作成するのではないのか。野党議員の指摘にも、納得できる答えはついに聞かれなかった。
 こうしたやり取りを目の前で聞きながら、安倍首相は他人事のような態度に終始し、「(定年延長は)何ら問題はないと考える」と締めくくった。
 森友・加計問題を受けて文書管理のあり方を見直した際、首相は「公文書は国民と行政をつなぐ最も基礎となるインフラ」「公務員の文化として根づかせるようにする」と語った。官僚が用意した文章を読み上げただけの口先の誓いだったことが、今回の無法な振る舞いによって確認されたといえよう。・・・
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14380980.html?iref=comtop_shasetsu_01



地球に「第2の月」見つかる 小惑星が3年ほど周回中(2020/2/27朝日新聞)
 地球の周りを回っている「第2の月」が見つかった。小惑星や
彗星(すいせい)を捜索している米アリゾナ大のカタリナ・スカイ・サーベイが発見し、国際天文学連合が25日に発表した。直径2〜3メートルの小惑星が地球の重力に捕まり、3年ほど前から地球を回る衛星になっていたらしい。ただ、軌道が極めて不安定で、数カ月後には再び遠くへ飛んで行ってしまうとみられる。
 スカイ・サーベイの天文学者カッパー・ビエルチョス氏によると、「ミニムーン」は今月15日、アリゾナ州レモン山にある口径1・5メートルの望遠鏡が発見した。探査機「はやぶさ2」が着陸した「リュウグウ」と同じC型というタイプの小惑星で、有機物や水を豊富に含むと考えられる。
https://digital.asahi.com/articles/ASN2W5SRQN2WULBJ00R.html?iref=comtop_8_06



【社説】検察官定年延長 三権分立を損なう暴挙(2020/2/27東京新聞)
 国会での審議を経て成立した法律の解釈を、政府が勝手に変えていいはずがない。黒川弘務東京高検検事長の定年延長を巡る法解釈の変更は、国会の立法権を脅かし、三権分立を損なう暴挙だ。
 安倍内閣はなぜ、こんな重要なことを、国民の代表で構成する国会での審議も経ず、勝手に決めてしまうのか。
 検察庁法は、検事総長以外の検察官の定年を六十三歳と定めている。一九八一年、国家公務員に定年制を導入する法案を巡る国会審議でも、人事院は「検察官は既に定年が定められており、今回の(法案に盛り込まれた)定年制は適用されない」と答弁していた。それが立法趣旨である。
 国会の決定に従えば、黒川氏の定年は六十三歳で、延長は認められないはずだが、安倍内閣は国家公務員法の規定を適用して黒川氏の定年延長を決めてしまった。
 定年延長は、安倍政権に近いとされる黒川氏を検事総長に就けるためとされてはいるが、ここでは三権分立に関わる国会との関係を巡る問題点を指摘したい。
 まず、政府が法解釈を勝手に変えてしまうことの是非である。
 憲法は「法律案は…両議院で可決したとき法律となる」と定め、内閣に「法律を誠実に執行」することを求めている。
 国会で可決した法律の解釈を、政府が勝手に変えることは、憲法違反の行為にほかならない。
 それが許されるなら、国会は不要となり、三権分立は崩壊する。国会軽視、いや、国会無視ともいうべき深刻な事態だ。
・・・ 今回の定年延長には手順を尽くそうとの姿勢すらない。安保法以下だ。決裁すら口頭だという。国会でいくら審議しても、政府の口先で法の趣旨が変わる。これが法治国家か。どこかの国を「人治」と批判できるのか。
 人事院は八一年の政府見解について、当初「現在まで同じ解釈を続けている」と答弁したが、今回の定年延長との整合性を問われると「つい、言い間違えた」と答弁を変えた。国会も軽く見られたものだ。・・・
https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020022702000167.html



ハンセン病特別法廷 違憲 熊本地裁判決「不合理な差別」(2020/2/27東京新聞)
 ハンセン病患者とされた男性が一九五〇年代、殺人罪に問われ、隔離先の療養所などに設置された特別法廷で死刑判決を受けた「菊池事件」(六二年に刑執行)の審理が憲法違反だったかどうかが焦点となった訴訟の判決で、熊本地裁は二十六日、「特別法廷での審理は人格権を侵害し、患者であることを理由とした不合理な差別で、憲法に違反する」との判断を示した。賠償請求は棄却した。
 隔離政策下で開かれた特別法廷の適否に関する司法判断は初めて。最高裁は二〇一六年四月の調査報告書で裁判所法違反と認め謝罪したが、憲法違反については「強く疑われるが、具体的状況が分からず判断できない」と説明していた。
 男性は一貫して無罪を主張。原告の元患者ら六人(結審後一人死亡)は、死刑が執行された男性の再審を検察が請求しないのは違法だとして、国に損害賠償を求めていた。判決で請求は棄却されたが、原告側は「画期的な判断」と評価しており、控訴しなければ違憲の司法判断が確定する。
 小野寺優子裁判長は、菊池事件の特別法廷の審理は偏見や差別に基づき、人格権を保障した憲法一三条に違反すると判断。裁判官や検察官が手袋をし、箸を使って証拠を扱ったことを「当時の科学的知見に照らせば合理性を欠く」とし、法の下の平等を定めた一四条にも違反していたと述べた。
 また、三七条と八二条が定める裁判公開の原則にも違反した疑いがあると指摘。その上で「憲法違反が直ちに刑事裁判の事実認定に影響する手続き違反とは言えない。検察が再審請求しないことは著しい不合理ではない」と述べた。
 最高裁は「個別の判決へのコメントは控える。(一六年の)調査報告書の通りだ」とした。
<特別法廷> 裁判所法に基づき、最高裁が必要と認めた場合に裁判所外で法廷を開くことができる。ハンセン病患者の裁判では、隔離先の療養所や専用の刑事施設に設けられ、1948〜72年に95件が開かれた。最高裁は2016年4月、設置手続きが差別的で裁判所法違反だったと認めて謝罪したが、違憲とは言明しなかった。一方、調査した最高裁の有識者委員会は、憲法の平等原則に反した疑いを指摘した。
<菊池事件> ハンセン病療養所への入所を勧告されていた男性が1952年に熊本県内の村の元職員を殺害したとして、殺人罪などに問われた。元職員が、ハンセン病患者として県に報告したことへの逆恨みが動機とされた。国立療養所菊池恵楓園などに設けられた特別法廷で審理され、男性は無実を主張したが57年に死刑判決が確定。3回の再審請求も退けられ、62年9月に刑が執行された。事件発生地が現在の熊本県菊池市であることから、こう呼ばれる。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202002/CK2020022702000157.html



米軍、落下からわずか2日でつり下げ輸送を再開 原因究明できるまで停止と発表するも… CH53、トリイでフォークリフトつり下げ(2020/2/27琉球新報)
 米陸軍トリイ通信施設で27日午後1時45分ごろ、米海兵隊のCH53大型輸送ヘリコプターがフォークリフトをつり下げて飛行する様子が確認された。CH53ヘリはトリイ通信施設の西側の洋上から侵入し、基地内の管理着陸帯に着陸した。
 同型機は25日にトリイ通信施設の沖合に鉄製の戦車型標的を落下させる事故を起こした。事故後、ヘリが所属する第1海兵航空団は落下の原因究明ができるまで物体のつり下げ輸送を停止すると自ら発表していたが、わずか2日後につり下げ輸送を再開した。これまで再三、同基地でのつり下げ輸送など危険な運用を中止するようを求めてきた読谷村や周辺住民から反発の声が上がりそうだ。
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1081354.html



(声)依存症の父恐れる子を担任して(2020/2/26朝日新聞) 小学校教員 大塩大作(栃木県 58)
 アルコール依存症の父親を持つ子を担任したことがある。
 母親に聞いたところ、その子と弟は毎晩、父親の帰宅前に2階に上がる。父親が酒を飲むとお膳に包丁を突き立てるのが怖いからだ。
 弟は友人宅や公園で寝泊まりし、帰らないことも。私はカウンセラーに弟の状況を説明し、助けを乞うたが「本人はそれで適応している。本人が変わりたいと思わなければカウンセリングにならない」と言われた。
 確かに本人が「変わりたい」と思わなければ、快方への一歩も踏み出せない。それには、自身が愛されるべき尊厳ある人間だと気付かせる必要がある。可能か?と悩んだ。
 アルコールとは違うが、国はギャンブル依存症の治療を今春から公的医療保険の対象にするという。カジノを含む統合型リゾート(IR)設置に関連する対策のようだ。
 しかし、負けたギャンブラーのストレスは子や妻などの弱者に向かい、終わりなき虐待を生む。私が目の当たりにしたような光景が繰り返されるだろう。これは1億総活躍時代という政府方針に反しないか?
 子どもたちのため、誰にも幸せが訪れる社会となる政治を願いたい。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14379395.html?iref=mor_articlelink05



(声)隔離の船中、礼節を欠いた政府(2020/2/26朝日新聞) 無職 矢口春子(神奈川県 69)
 19日、夫と共にダイヤモンド・プリンセス号を下船しました。長期隔離の中で私には、政府が乗客の人権、健康、命をどう守ろうとしているのか、見えませんでした。
 そもそも自分たちが隔離されると知ったのも、政府からの連絡ではありません。情報源は基本的に船長のアナウンスかテレビだけでした。
 ほぼ船室に缶詰めの生活で、政府から書面で言葉を頂いたのは17日の厚生労働副大臣の手紙だけ。それも乗客たちが状況改善を要望した翌日です。他の連絡は簡単なアナウンスが数回。政府には心強いお声がけを期待しましたが、ありませんでした。
 先の見えない日々。船室にウイルス検査に来た災害派遣医療チーム(DMAT)に聞いても、全体でどう検査が進んでいるのかすら不明。医療の連携にも不安を覚えました。
 ウイルスから国民を守るために協力しなきゃ、とは思っていました。でも隔離中の扱いは粗雑でした。
 乗客が差別を恐れ下船後も身を隠すように暮らす異常事態。DMAT参加者も元の職場で差別されています。「人権侵害になるが隔離にご協力を」と頭すら下げなかった政府の姿勢も、現状の一因だと思います。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14379394.html?iref=mor_articlelink04



(社説)検察の人事 首相の責任で撤回せよ(2020/2/26朝日新聞)
 東京高検検事長の定年延長問題をめぐる、その場しのぎで支離滅裂な政府の対応は、国の統治システムが崩壊の危機に瀕(ひん)していることを如実に物語る。
 きょう衆院予算委員会の集中審議が開かれる。安倍首相は混乱の責任を認め、今回の人事をすみやかに撤回すべきだ。
 経緯をたどれば、子どもでもそのおかしさがわかる。
 ▽2月3日 検察庁法に定年年齢が明記されているにもかかわらず、1月31日の閣議で延長を決めたことについて、森雅子法相が国会で「国家公務員法の規定を適用した」と答弁
 ▽10日 「同法は検察官に適用されない」との政府見解があることを野党議員が指摘
 ▽12日 人事院の局長がこの見解について「現在まで同じ解釈を続けている」と答弁
 ▽13日 首相が「今般、適用されると解釈することとした」
 ▽19日 人事院の局長が、先に答弁した「現在」とは1月22日のことだったと修正。誤った理由は「つい言い間違えた」
 ▽20日 解釈変更の証しとして人事院が示した文書に、日付がないことが判明。法相は「必要な決裁をとっている」と答弁
 ▽21日 法務省の事務方が予算委理事会に「日付を証拠づける文書はない」「口頭による決裁を経ている」と説明
 ▽25日 法相が会見で「口頭でも正式な決裁だ」と表明――
 法を踏みにじり、行政の信頼を担保する文書主義もかなぐり捨てて、つじつま合わせに狂奔していると言うほかない。
 その「主役」が、基本法を所管し法秩序の維持を使命とする法務省である。強大な権限を持つ検察には厳正公平が何より求められる。自分たちの足元を掘り崩している認識はあるのか。相談を受けたとされる人事院と内閣法制局も、一定の独立性をもって、内閣に意見を言い、おかしな動きにブレーキをかける役目を担う機関だ。職責への誇りを見失ってはいないか。
 首相や菅官房長官は、定年延長は法務省の要請を聞き入れただけで、責任はすべて同省にあるかのような態度をとる。
 国民を愚弄(ぐろう)してはいけない。このような措置が官邸の意向抜きで行われることなどあり得ないと、誰もが見抜いている。
 官邸の専横や脱法的な行いが答弁の破綻(はたん)を招き、責任を押しつけられた官僚は、虚偽の説明や文書の隠匿、果ては改ざんにまで手を染める。現政権下で何度も目にしてきた光景だ。
 感染症の広がりを前に、政権のあらをいつまで追及するのかとの声がある。だが政権への信頼がなければ、どんな政策も遂行することはできない。まさに信無くば立たず、である。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14379400.html?iref=comtop_shasetsu_02



(声)若い世代 若者を批判する大人に言いたい(2020/2/25朝日新聞) 大学生 前川航(神奈川県 20)
 この間、外食していた時、隣のテーブルでスーツ姿の2人が大声で話していた。年代的には私の両親ぐらいだが、彼らのマナーよりもその内容が気になった。
 会話の節々で「今の若者はダメ」「日本の未来は真っ暗」と繰り返していた。その主張にもっともな部分があることは認めるが、大きな矛盾と違和感を覚えた。
 彼らの言う「日本の未来」とは、今の若者が彼らと同世代になり、社会の重要なポストを担う時のことだろう。ということは、今の彼らの姿は、彼らが若者だった時の未来の姿ということだ。果たして彼らは、さらに上の世代から託された日本に明るい未来を築くことが出来たのだろうか。
 「今の若者はダメ」とあげつらう前に、まず自分の姿を見直したらいかがだろうか。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14378451.html?iref=mor_articlelink11



(社説)カジノと政権 噴き出す問題直視せよ(2020/2/25朝日新聞)
 「国民の声に耳を傾ける」「丁寧に議論していく」
 安倍政権が発するこうしたもっともらしい言葉は、内実を伴わず、その場を言い繕うだけのものであることがしばしばだ。
 カジノを含む統合型リゾート(IR)をめぐる国会審議でも同様の光景が繰り返される。
 日本への参入をめざす中国企業側から賄賂を受け取ったとして、IR担当の内閣府副大臣だった秋元司衆院議員が起訴された。16年12月のIR推進法の成立過程にも、改めて重大な疑念が生じた。ところが政権は、既定路線をひた走っている。
 事件を受け、事業者が政府関係者と接触する際のルールを、IR整備に向けた基本方針に盛り込む考えを示してはいる。だがその程度の手当てで、公平公正な事業者選定が担保できるとは到底思えない。
 衆院予算委員会では、野党が「立ち止まって問題の本質と癒着の温床を徹底的に洗い出すべきだ」と指摘した。これに対し首相は冒頭の決まり文句に逃げこみ、事件に向き合おうとしなかった。誘致を検討する自治体について、カジノ業者との接触実態を調査・公表するよう求められても、応じなかった。
 秋元議員が摘発された後も、政府は自治体からの誘致申請の受付期間を来年1〜7月とする日程を変えていない。一方で、成長戦略の目玉と位置づけながら、IRの経済波及効果について具体的な数字を出すことを拒む。赤羽一嘉国土交通相は「立地場所が決まっていないので積算できない」との説明を繰り返すが、そんなことでどうして「目玉」といえるのか。
 ギャンブル依存症への対策も改めて問われている。
 野党は、カジノで賭けられる金額や事業者が客に貸し付ける額に上限を設けるなどしないのか尋ねたが、首相は「依存症防止のための制度を整備している」と述べるにとどまった。
 IR実施法が、入場を「週3回、28日間で10回」に制限していることを念頭に置いた答弁だが、専門家はかねて「それだけ賭場にいれば依存症になる」と警告し、対策の強化を訴えてきた。実施法成立から1年半が過ぎてもゼロ回答とは、政権の意向と異なる「国民の声」には耳を傾けないと言うに等しい。・・・
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14378440.html?iref=comtop_shasetsu_01



<社説>首相補佐官出張問題 公私混同は国家的危機だ(2020/2/25琉球新報)
 公私混同、職権乱用の疑いは強まる一方だ。

 外務省は衆院予算委員会で、和泉洋人首相補佐官と厚生労働省の大坪寛子官房審議官が2018年に同行した4回の海外出張の際、ホテルの「コネクティングルーム」に宿泊したと明らかにした。
 外廊下を通らずに内部で行き来できるタイプの部屋だ。「税金を使ったラブラブ旅行をしていたのではないか」(野党)と疑われている。大坪氏の4回の出張で計約185万円が支払われていた。
 和泉氏は昨年8月には大坪氏と公費で京都に出張した際、私的な観光をしていたと週刊誌に報じられ、菅義偉官房長官が「報告を求めた結果、公私は分けていた」と釈明した経緯がある。
 今回の問題を巡り、大坪氏は国会答弁で和泉氏の部屋と行き来できる部屋に宿泊したことを認めた。出張前に和泉氏が官邸内で倒れ救急搬送された経緯があったとして「補佐官の部屋を、秘書官と私が挟む形で万全の態勢を取った」と説明した。
 理由については「医師免許を持ち、臨床を長くしている私の方が(秘書官よりも)適任だという(和泉氏)の判断だったと思う」と述べた。外務省によると、部屋割りは補佐官室の指示だった。
 元外務官僚の孫崎享氏は、東京新聞の取材に対し「体調の不安を理由に(コネクティングルームを)活用したという事例は経験もないし聞いたこともない。普通のドアから入ればいいのだから」と指摘している。
 もっともな見方だ。安倍晋三首相でさえ、国民に疑念を持たれない行動をするよう和泉氏を注意した。
 だがその首相も「桜を見る会」を巡り、税金を使って自身の支援者を接待したとされる疑惑の渦中にある。国会答弁で説明を尽くさず、答弁の矛盾が露呈した。
 そのさなかに浮上した今回の出張問題を受け、野党は「安倍政権の公私混同と税金私物化が官僚にまでまん延している」と批判している。そう言われても仕方がないのが今の安倍政権だ。・・・
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1079708.html



【社説】沖縄県民投票1年 「辺野古」に正当性なし(2020/2/24東京新聞)
 「当然の結果。沖縄を返せ!」
 沖縄県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ周辺で、新基地建設反対運動を続ける市民らが歓喜の声を上げてから一年がたちました。辺野古埋め立て「反対」72・15%−。昨年二月二十四日の県民投票が示した結果です。
 しかし工事は止まらず、この一年、辺野古ブルーの海には連日褐色の土砂が投入されています。沖縄の民意は、どこまで無視されなくてはならないのでしょうか。
◆県民は日本国民なのか
 政府としては「安全保障は国の専管事項。新基地を建設し市街地に囲まれた普天間飛行場(宜野湾市)を移設する米国との合意は地元の民意に優先する」との論理なのでしょう。ただ、国民不在で安保政策が成り立つのか。
 新型迎撃システム「イージス・アショア」配備で、防衛省は秋田市の陸上自衛隊演習場を配備先に選びましたが、ずさんな適地調査に住民の不信が拡大し見直しが進められています。陸自が導入する輸送機オスプレイには、佐賀空港配備に地元漁協が反発。千葉県木更津市へ暫定配備が行われます。
 防衛問題であっても、国は慎重に民意を見極め、尊重しなくてはならないのです。しかし、本土ではともかく、沖縄の民意は一顧だにされません。故翁長雄志・前沖縄県知事は「政府は県民を日本国
民として見ていない」と指弾しました。まさに政府の対応は、ダブルスタンダード(二重基準)であり、沖縄差別です。
 新基地建設では、地元の同意がない以外にも、事業の正当性を揺るがす新事実が次々と明らかになっています。埋め立て海域に存在が判明した軟弱地盤がその“震源”。最深で海面下九十メートルに達するという軟弱地盤改良のため、約七万本もの砂の杭(くい)を打つ作業が必要となり、防衛省は昨年末に工期などの見直し案を公表しました。
◆数々の疑問は置き去り
 それによると、新基地の完成は早くて九年三カ月後、飛行場認証などを経ての運用開始は十二年後になるといいます。当初は運用まで八年を予定し、安倍政権は普天間返還を「二〇二二年度かそれ以降」としてきましたが、三〇年代への大幅な遅れは確実です。
 工費は「三千五百億円以上」が九千三百億円に膨らむ見込みです。
 世界的にも例がない難工事には技術的な懸念も消えません。
 地盤改良に関し、国内の作業船は海面下七十メートルまでしか対応できない。残り二十メートルについて防衛省は、近辺の地盤分析から安定していると類推して改良の必要性なしとしてきましたが、最近、やはり軟弱だと示すデータが相次ぎ明るみに出ました。護岸の設置場所に当たり、専門家はそのままでは崩壊の恐れがあると指摘します。
・・・ こうした問題に対して防衛省は土木学者らに技術検討を依頼していますが、一部委員に工事の関連業者から資金提供があったと、やはり本紙が報じました。数々の疑問は置き去りのまま「辺野古ありき」の工事が進められています。
・・・ 東アジアの安全保障情勢も刻々と変化しています。政治的にも技術的にも、辺野古移設計画は破綻が明らか。政府は米国と協議し、普天間の機能を県外、国外の既存の米軍基地に分散させるなどの方法で返還を即刻実現すべきです。辺野古工事は当然中止です。
◆国民的な議論で解決を
 知事権限で辺野古の埋め立て承認を撤回した沖縄県は、今後も地盤改良に伴う設計変更を認めないなど国ととことん争う姿勢です。
 希少サンゴがすむ海を汚し、膨大な予算と時間を費やして矛盾だらけの基地を造るのは、沖縄の負担軽減どころか国全体の公益に背くとの判断からです。県民投票は県の判断を直接民主主義により支持しました。その重みは今も決して変わりません。投票を推進した市民らは、辺野古工事を止め、普天間問題を国民的議論で解決するよう求める意見書の可決を全国の市町村議会に請願しています。
 身近な議会の動きに関心を寄せれば、私たちにも沖縄の民意を後押しすることは可能です。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020022402000167.html


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2020年02月23日

PICK UP NEWS

<点検「桜を見る会」>「反社」の定義ゆがめる(2020/2/23東京新聞)
 「桜を見る会」に反社会的勢力が出席していたかどうかが話題となったことをきっかけに、政府が閣議決定をして用語の定義をゆがめる事態にも発展した。
 菅義偉(すがよしひで)官房長官は昨年十一月下旬の記者会見で、反社会的勢力とみられる人物の出席について「個々の招待者の参加は承知していない」と確認を拒否。用語について「定義が一義的に定まっているわけではない」と言い切った。
 社会通念上、反社会的勢力は、主に暴力団の組織や組員などを指す用語として認識されている。政府も、用語の意味を定めてこなかったわけではない。
 二〇〇七年六月、当時総務相だった菅氏を含む全閣僚で構成する「犯罪対策閣僚会議」が、幹事会の申し合わせとして企業の被害防止の指針をまとめた際、反社会的勢力は「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団または個人」のことだとしていた。
 だが政府は、桜を見る会を巡る菅氏の発言を受け、昨年十二月十日には反社会的勢力について「形態が多様で、時々の社会情勢に応じて変化し得るもので、あらかじめ限定的かつ統一的に定義することは困難である」とする答弁書を閣議決定した。政府として定義ができない以上、桜を見る会では反社会的勢力の出席を完全に避けることもできなかったことになる。
 野党は、反社会的勢力の定義をあいまいにすれば、暴力団などに対する企業の対策に悪影響を及ぼすと批判している。 
https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/202002/CK2020022302000107.html



<社説>防衛省がデータ除外 科学根拠欠く辺野古工事(2020/2/23琉球新報)
 埋め立て工事を進めるためなら、調査結果の一部を抜き取り、データの存在すら「ない」と言う。新基地建設ありきで、科学的根拠すら軽んじる政府の姿勢が次々と明らかになっている。

・・・ この調査結果では埋め立て予定地である大浦湾の水深70メートルより深い海底でも地盤が「軟弱」で、最悪の場合、崩壊する可能性があることを示すデータが今月、分かった。いずれも地質学や土木工学の有識者らでつくる「沖縄辺野古調査団」(代表・立石雅昭新潟大学名誉教授)の検証で明らかになった。
 経緯はこうだ。
 昨年3月に防衛省は辺野古海域の軟弱地盤に関する約1万ページの調査報告書を国会に提出した。その中には、水面下90メートルに達すると指摘される海底の地点「B27」について委託業者の調査では、地盤工学会が示す指標で6段階中2番目の軟らかさに相当するという結果が出ていた。つまり防衛省はB27地点で地盤が弱いことを把握していた。
 しかし同じ昨年3月の国会審議で当時の岩屋毅防衛相はB27について「(調査)そのものはやっていない」と述べ、最大750メートル離れた3地点の調査結果からB27も「非常に固い粘土層」だと明確に答弁した。
 全くの虚偽答弁だったことになる。
 さらに昨年9月に設置された有識者の技術検討会に防衛省が提出した資料には地盤が弱いことを示す12個のデータが検討から外されていた。
 データの存在が明らかになった後も、河野太郎防衛相は委託業者の自主的な調査にすぎないと強弁し、地盤強度を判断するデータとして「検討に適する資料ではない」としている。
 データの存在を隠ぺいし、データがあることが確認されると「検討に適さない」と除外し、さらに不都合な項目は抜き取ってしまう。
 防衛省はデータの存在が「ない」とした理由を「信頼性が低い試料」と説明した。さらに今回、データを検討から除外した理由について「別の分析方法で得たデータと比べ著しく過小」「土の粒子の密度が大きい」などと説明している。
 それならば、これまで水深70〜90メートルの地盤を「非常に固い」と判断してきた根拠はどこにあるのか。
 防衛省は水深の深い地点の地盤強度を再調査する必要はないとしているが、確実なデータもないまま、国内で一度も行ったことのない水深90メートルの埋め立て工事に挑もうというのか。
 これは技術立国の姿ではない。新基地建設ありきの、あまりにも無謀な計画は即刻断念すべきだ。
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1078759.html



辺野古「活断層」断定へ 専門家ら28日から現地調査(2020/2/23琉球新報)
 地質学の専門家らでつくる「沖縄辺野古調査団」(代表・立石雅昭新潟大学名誉教授)が2月28日から3月2日に名護市辺野古の新基地建設予定地周辺を訪れ、地層を調査する。今回の現地調査を通じて、埋め立て予定地を通る辺野古断層について地震を起こし得る「活断層」と断定する見通し。
 昨年3月に初めて沖縄で断層に関する調査を実施し「活断層である可能性が高い」と指摘していた。活断層の近くには原子力発電所などを設置できないことになっており、基地建設についても危険性が改めて示されることになる。県は活断層の存在を埋め立て承認撤回の理由の一つにしている。
 2回目となる今回の現地調査で、活断層と断定できるかどうかさらに詳しい調査を行う。新基地建設予定地近くに存在する2本の断層のうち「辺野古断層」について、立石氏は「活断層である可能性が非常に高い」と説明している。
 もう一つの「楚久断層」は海に続いているため、海底での音波探査を実施しないと確定できないという。今後、県に調査実施を提案する。
 調査団は大浦湾側に存在する軟弱地盤についても、防衛省による恣意(しい)的なデータ除外の問題などを指摘している。防衛省が設置した有識者らの「技術検討会」で地盤改良工事について異論が出ていないことを疑問視し、週明けにも質問状を送る。
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1078896.html



<社説>閣僚の重要会議欠席 私的活動優先は見識欠く(2020/2/22琉球新報)
 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、不適切極まりない閣僚の対応だ。

 小泉進次郎環境相、森雅子法相、萩生田光一文部科学相が、私的な政治活動を優先し、16日に首相官邸で開かれた感染症対策本部会合を欠席していた。著しく見識を欠いた行動と断じざるを得ない。
 小泉氏は地元の横須賀市で催された後援会の新年会に出席していた。酒も出た会合である。衆院予算委員会で野党議員に対し「政務官に代理出席させた。危機管理のルールにのっとった対応ではあるが、指摘を真摯(しんし)に受け止め、反省している」と答弁した。謝罪はしなかった。
 森氏は地元の福島県で開かれた書道展の開会式に参加していたという。野党の追及に「危機管理上のルールにのっとり、政務官が代理で対応した。指摘を真摯に受け止め、反省している」と述べた。
 萩生田氏は、東京都内の地元で消防団長の叙勲祝賀会に参加していた。「ルールにのっとり、役割分担しながら、副大臣が対応した。政務と公務のどちらが大事なのかとの指摘があれば、真摯に受け止める」と語った。
 3氏に共通するのは、優先順位の判断を誤っていることだ。16日は日曜なのに対策本部会合が開かれたのは、それだけ事態が緊迫しているからにほかならない。他に重要な公務がない限り、何をおいても出席すべきである。
・・・ 法務省の主要な任務の一つは、出入国の管理だ。新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」には、日本を含め56の国と地域の人々が乗っていた。
 地元の行事のため欠席した森法相の行動は職責の放棄にも等しい。会議後に報告を受けていたのでは「先手先手」の対応などおぼつくまい。森氏は16日夜、自身のホームページに「本日、第10回新型コロナウイルス対策会議が開催されました」と投稿している。これを見た人は、出席したとしか思わないだろう。
 何よりも深刻なのは、立場をわきまえない閣僚の振る舞いが、閣内で問題視されず、不問に付されている点だ。
 菅義偉官房長官は「必要な公務や用務があればやむを得ない。閣僚が出なければ副大臣や政務官と連携してほしい」と記者会見で述べた。事実上、欠席を容認する姿勢だ。
・・・ 与党からも「大失態だ」という苦言や批判の声が上がる中で、安倍首相はなぜ、地元行事への参加を優先した閣僚を叱責(しっせき)しないのか。改めて首相の指導力が問われている。
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1078367.html



(社説)中国とウイルス 情報の自由奪う危うさ(2020/2/21朝日新聞)
 国民の健康と安全をめぐる医療情報や批評が封殺される。そんな社会は異様であり、秩序の安定もむしばむだろう。
 中国共産党政権が言論の統制を強めている。新型コロナウイルスが広がる深刻な事態を受けて、監視と取り締まりをさらにエスカレートさせている。
・・・ 中国の市民に対しても、厳しい強権の発動が続いている。
 感染都市とされる武漢は今も「封鎖」されているが、弁護士や市民らが一時、病院現場の悲惨な実情をSNSで発信していた。だが、やがて彼らは相次いで行方不明になった。当局に拘束されたとみられている。
 外国メディアや市民による情報発信を封じる動きには、感染拡大をめぐる当局批判を抑え込みたい思惑がある。
 共産党政権はかねて、社会の安定こそが市民の利益だとし、そのためには言論の自由も制限されると正当化してきた。
 しかし今回は、そうした言論弾圧が情報の隠蔽(いんぺい)を生み、感染拡大という悲劇につながったのではないかという疑念を広げている。
 武漢市の33歳の医師、李文亮氏は昨年、ウイルスに関わる情報をいち早くSNSで発信し、警鐘を鳴らした。だが、警察は「デマで秩序を乱した」として訓戒処分にした。その後、十分な対策がとられないなかで李氏は自身も感染し、死亡した。
 李氏の遺志を継ぐ形で、北京大学教授らは今月、異例の公開書簡を発表し、「人民の知る権利が奪われた結果、数万人が感染した」と指摘した。感染拡大は当局の言論統制が招いた「人災だ」と糾弾している。
 報道への圧迫や市民の取り締まりを強めても、そうした疑念は拭えまい。
 現に起きていることを誰もが自由に発信し、論じあい、様々な対策と備えをとる。それがいかに社会の強靱(きょうじん)化に必要か。今回の問題は改めて、自由が制限された社会の弊害を中国国民に考えさせている。
 亡くなった李医師は中国メディアに「健全な社会は一種類の声だけであるべきではない」と語っていた。その言葉の重みを共産党政権は正面から受け止めるべきである。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14373605.html?iref=comtop_shasetsu_01



(声)熟さぬキュウリ、がまんならぬ(2020/2/21朝日新聞) 無職 山下國誥(福岡県 86)
 近年、がまんができない食い物がある。
 キュウリである。味も香りもない。店頭に並べるまでに傷まないように、見栄えがよいように、早採りするからである。
 昔の日本人は、これほどまずいキュウリを食ったことはなかった。果物も野菜も熟して初めて味がのる。
 子どものころ、学校帰りに農家の畑からキュウリ、ナス、トマトを失敬して、皆を喜ばせた。農家から苦情が来た。「今度は何ばしたとや」。校長室に座らされた。
 昔は子どもでも、食べごろを熟知していた。今はほとんどの人がキュウリ本来の味を知らなくなったに違いない。恐るべき味破壊文化の時代である。
 見栄え優先の商業主義に支配されて、本当の生活の豊かさはどこかへ行ってしまったようである。
 もう後には戻れないに違いない。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14373615.html?iref=mor_articlelink11



(声)強度行動障害の息子、どう対応…(2020/2/21朝日新聞) 主婦 阿部匡美(千葉県 51)
 誰か助けて下さい。
 私は自閉症で強度行動障害の息子(24)の母親です。息子は平日、障害者施設の短期入所を利用し、土日は帰宅します。帰宅直後は興奮していて、処方された睡眠薬を使っても寝てくれません。夜、部屋をうろうろして奇声を発します。長く家にいると他害行為に発展するので、真夜中に夫がドライブに連れ出します。
 夫は週2回夜勤をこなしつつ、週末は息子の面倒をみてくれます。しかしとうとう、夫は息子とのドライブで事故を起こしました。疲労から居眠りし、ドン!という音でハッと我に返ったそうです。あと一歩で崖下でした。幸い2人は無事でしたが、車は廃車になりました。
 夫の父、私の母の介護もあります。息子が正式に入所できる施設を相談支援専門員の人が懸命に探してくれますが、空きがなかなか見つかりません。先が見えず、週末になるたび不安に駆られます。
 障害者福祉が措置から契約に変わって、結局は、親の責任で施設探しをしなければなりません。福祉事務所には「我が家は身も心も限界です」と訴えましたが、冷ややかな対応でした。誰か、助けて!
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14373608.html?iref=mor_articlelink04



【社説】原電敦賀原発 安全軽視が目に余る(2020/2/21東京新聞)
 日本原子力発電が、原子力規制委員会の審査にかかわる敦賀原発敷地内の地質データを都合よく書き換えていた。再稼働を急ぐあまりの「禁じ手」か。審査の根幹を揺るがす背信行為と言っていい。
 日本原電は、日本の原子力事業草創期の担い手として、沖縄を除く九電力と政府系の電源開発(Jパワー)が出資して設立され、一九六六年、国内初の商業用原発である茨城県東海村の東海原発の操業を開始した。原発専門の電力卸売会社である。
 現在保有している原発は、東海村の東海第二と福井県敦賀市の敦賀1、2号機の計三基。しかし、東海第二は3・11の津波による被災原発である上に、首都圏の人口集積地に近く、再稼働の住民同意を取り付けるのは困難な状況だ。
 敦賀1号機は、老朽化による廃炉が決まっており、2号機は原子力規制委員会による再稼働に向けた審査の過程で、原発直下に大地震の原因となる活断層が走る恐れを指摘されている。活断層と断定されれば、廃炉が決まる。
 原電は、過去に提出した資料を書き換えて、審査会にこっそり諮り直していた。
 例えば2号機敷地内のボーリング調査のデータについて、地層が固まっていない状態を示す「未固結」を、固まった状態を示す「固結」に書き換えていた。「顕微鏡で分析し直した結果」という。
 このように断層の活動性につながる地質の軟らかさを否定するような記述の書き換えは、少なくとも十数カ所に上るという。
 審査会では、規制委側が「触ってみて『未固結(軟らかい)』としたものが、顕微鏡で見たら『固結(硬い)』となるんですか」と詰め寄る場面もあった。
・・・ 敦賀原発の審査資料に関しては、これまでにも千カ所以上の不備が指摘されている。
 ずさんと言うか、審査の軽視が目に余る。
・・・ 福島の大事故を経てもなお、自ら被災してもなお、命を軽んじるような事業者に、原発を動かす資格があるはずもない。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020022102000170.html



検事長定年延長 政府の説明破綻状態 「前から制度、適用せず」(2020/2/21東京新聞)
 森雅子法相は二十日の衆院予算委員会で、東京高検の黒川弘務検事長の定年延長を可能にした法解釈変更を巡り「前から制度はあったが、適用されなかった。今回適用されるように解釈した」と語った。十日前には、延長が可能になった時期を一九八五年からと答弁しており、野党に矛盾を追及された。十九日の審議でも、人事院の局長が一週間前の答弁を修正。定年延長に関する政府の説明は破綻状態に陥っている。 
 森氏は二十日の衆院予算委で、検察官の定年延長が可能になった時期について「政府見解として一月二十四日と統一的に確認した」と強調した。十日の審議では「改正国家公務員法が一九八五年に施行された時」と明言していた。
 国民民主党の後藤祐一氏は「矛盾している」とし、答弁の修正・撤回を求めた。森氏は応じず「八五年当時は、制度はあっても適用されないという解釈だった。今回、制度があり、それを適用できると解釈した」との答弁を繰り返した。後藤氏は「何を言っているか分からない」と批判した。
 十九日の審議では、人事院の松尾恵美子給与局長が、人事院は法解釈の変更を一月二十四日に了承したと説明。自身が今月十二日の審議で、検察官は定年延長の対象外とする八一年の政府見解を「現在まで引き継いでいる」と答弁したことについては「つい、言い間違えた」と開き直った。
 政府の答弁がぶれているのは、安倍晋三首相が十三日の衆院本会議で、定年延長について、法解釈の変更を経た上で閣議決定したと答弁したことと、つじつまを合わせるためだ。法解釈の変更が一月三十一日の閣議決定後だった場合、黒川氏の定年延長は違法になる。森氏は今月十九日の衆院予算委で「一般論として、今回の解釈を取らなければ定年延長はなし得ない」と認めている。
 野党は、官邸側が黒川氏の検事総長起用を視野に、検察官を対象外とした八一年見解を確認せずに定年延長を決めたとみる。立憲民主党の山尾志桜里氏が十日の衆院予算委で八一年見解の存在をただしたことで、首相が法解釈変更に言及せざるを得なくなり、官僚が「無理筋のストーリー」(山尾氏)に付き合わされているとみて、今後も追及を強める構えだ。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/202002/CK2020022102000144.html



【埼玉】川越、江戸中期の町屋建築 取り壊しへ 城下町の姿 惜しむ声(2020/2/21東京新聞)
 川越市喜多町で江戸時代中期に建てられた町屋建築の空き家が近く取り壊されることになり、市教育委員会は十五、十六の両日、記録保存のための詳細調査を実施した。部材などの保存は行わないという。同市中心部では昨年、江戸の芝居小屋の様式を持つ「旧鶴川座」(明治時代築)が解体されており、文化財建築に詳しい建築家らから「旧鶴川座に続いて川越の貴重な建物が失われるのは残念。せめて部材を保存してほしかった」と惜しむ声が上がっている。 
 町屋は「蔵造りの町並み」の札の辻交差点から北に二百メートルの通り沿いにあり、中二階のある店舗部分と平屋の居住部分がある。屋根に張られたトタン板の下には本来の杉皮ぶき屋根が残っている。
 市教委の資料によると、元所有者の家系は江戸時代に喜多町の名主を代々務め、江戸時代はみそ・こうじ、明治時代以降は米穀問屋を営んでいた。川越は一八九三(明治二十六)年の大火で城下町の大半が焼失し、蔵造りの町並みに生まれ変わったが、この町屋付近は被災しなかった。このため、城下町時代の商家の姿を今に伝える貴重な建築物となっており、市立博物館には江戸時代の姿を復元した模型が展示されている。
・・・ 全国町並み保存連盟代表理事の福川裕一・千葉大名誉教授は「川越市は蔵造りの町並みの外側であっても、旧城下町や門前町全体が歴史的都市であると考えて町づくりをしてほしい。町屋の解体は大変大きな損失だと思う」と話している。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/list/202002/CK2020022102000152.html



【千葉】建設業界の女性の素顔、夢 冊子第3号 全国の「けんせつ姫」紹介(2020/2/21東京新聞)
 建設業界で働く女性とその素顔を知ってほしい−。船橋市三咲の建設会社・土佐工業が、無料冊子「けんせつ姫」の第三号を発刊した。「男性の職場」と思われがちな業界だが、現場の女性たちを紹介することで、認知度アップとともに働く女性が増えるよう願って製作された。編集長を務める同社社長の柴田久恵さん(47)は「彼女たちがどう働き、何を考えているのかをまとめた」と話している。 
 建設業界の女性は「ドボジョ」、次いで「土木女子」「けんせつ小町」などと呼ばれている。「けんせつ姫と呼ばれるような業界に」と願い、柴田さんはフリーペーパーの発行を計画。二年前の創刊号と一年前の第二号で、県内をはじめ関東各地で働く女性たちを取り上げた。
 今回は沖縄県や大阪府、徳島県など、全国各地の現場監督や施工管理者、塗装作業員らを収録。工業高校二校と青森県、島根県などの女性団体も含め、十六〜四十八歳の計三十七人を紹介した。取材・編集などは、土佐工業専務の佐竹康裕さん(38)らも担った。紹介された会社や、会員制交流サイト(SNS)で知り合った女性らに取材交渉したという。
 冊子は、女性たちの働く姿を収めたカラー写真やインタビューなどで構成。現場監督(27)は「四十代までに自分の会社をつくりたい」、かやぶき職人(39)は「新築でかやぶき屋根の街をつくるという夢がある」などとコメントしている。
 柴田さんは建設業だった父親の手伝いをするうち、二十一歳で起業。現在は園児から小学生まで三人の子育ても忙しい。冊子の発行を重ねてきた理由として、「子どもを産んで母親になったことが大きい」と説明。建設業界は人手不足などの課題を抱えていることを挙げながら、「この子たちが大きくなったとき、業界や会社はどうなってしまうのか、を考えると、働く女性を増やすことなどを考えないといけないから」と力を込めた。
 冊子「けんせつ姫」はA4判で、第三号は三十九ページ。一万五千冊を印刷し、建設関連の学科などがある全国の高校や大学、専門学校など計九百六十九校に配布することにしている。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/list/202002/CK2020022102000148.html



【神奈川】迷子の飼い猫 探しやすく 県と企業、マイクロチップ装着費補助(2020/2/21東京新聞)
 ペット専門のwebメディアを運営する「PECO」(ペコ、東京都渋谷区)と県は、迷子になった飼い猫を探しやすくするため、マイクロチップを猫に装着する費用を2500円まで補助する事業を始めた。期限は3月末まで。猫の鳴き声をもじって補助の上限数は222匹。 
 マイクロチップに記録された番号と飼い主の住所などの情報を、日本動物愛護協会などで構成する「動物ID普及推進会議」(AIPO)に登録しておくと、迷い猫を保護した際に飼い主を円滑に見つけられる。
 補助の対象は、独自に動物愛護センターを持つ3政令市と横須賀市を除く県民の猫(生後6カ月以上)。PECOのホームページ(HP)に記載された「協力動物病院」で装着する際に補助制度の利用を告げると支払時に2500円が差し引かれる。
 また、全県民が飼育する猫を対象に、同社のHPで「猫民カード」を作成できるサービスも始めた。猫の画像、名前、生年月日、特技などを登録すると、「わたしは神奈川猫民です」と書かれたカードの画像ができあがり、印刷や保存ができる。
 県と同社は2018年に動物愛護を巡って連携協定を結んでおり、既に「犬民カード」の作成サービスを展開している。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/202002/CK2020022102000143.html



<金口木舌>どこに向かって走るのか(2020/2/21琉球新報)
 マラソン選手には青天のへきれきだった。世界陸連が「厚底」シューズを禁止するとの報道が突如流れ、規制する新ルールが発表された
▼こちらも「変更」の波紋が広がる。安倍晋三首相が検察ナンバー2の黒川弘務東京高検検事長の定年延長を巡り法解釈を変更したと明言した。検察官の定年は延長しないとする従来の政府解釈を180度ひっくり返した
▼長年の解釈を変えた意図は明確にはされていないが、これで黒川氏は検察トップの検事総長への就任が可能となる。首相の逮捕もできる検察の人事だけに「三権分立の死」などと批判の声は強い
▼この政権での解釈変更は今回が初めてではない。安保関連法制定では、憲法9条下では集団的自衛権は行使できないとする政府解釈を閣議決定だけで変更し、今も行使容認の安保法は違憲だとして全国で裁判が続く
▼憲法解釈だけではない。辺野古新基地建設の埋め立てを巡り安倍政権は、県への岩礁破砕許可なしで埋め立てできるように漁業権の存否の解釈を変更し、工事を継続する。県の訴えに司法も解釈変更の判断に踏み込まない
▼マラソンシューズは新ルールで選手もひとまず落ち着いた。安倍政権は解釈変更を重ねてどこへ走っていくのか。過程の透明性に加え、そもそも有効なのかという議論も残る。決めたから終わりでは、声援どころか罵声を浴びる。
https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1077743.html



五輪「東京ダメならロンドンで」 新型肺炎で市長候補ら(2020/2/20朝日新聞)
 日本での新型肺炎の感染者増加を見て、ロンドン市長選に立候補を表明している新顔が「東京で五輪が開けなくなったら(2012年に開催した)ロンドンが引き受ける」と表明した。国際オリンピック委員会(IOC)は東京五輪への影響を否定しているが、現職市長側も代替地となる姿勢を見せている。
 無料紙「シティーAM」が18日伝えた。同紙によると、5月にあるロンドン市長選に国政与党・保守党の公認候補として臨む現市議会議員のショウン・ベイリー氏が「コロナウイルスの広がりに伴う混乱を目にすると、必要なら五輪を引き受ける用意がロンドンにはあると、IOCに訴えたい」と主張。「ロンドンにはインフラも経験もある」と訴えた。
 これに対し、再選を目指す国政野党・労働党出身のサディク・カーン市長の広報官も「素晴らしい東京五輪に向けてみんな仕事をしている」と述べたうえで、「可能性は低いが、万が一の場合にはマウンドに上がるよう全力を尽くす」と応じたという。・・・
https://digital.asahi.com/articles/ASN2N5SXXN2MUHBI02Z.html?iref=comtop_list_int_n03



籠池夫妻、有罪 森友疑惑の真相迫れず(2020/2/20東京新聞)
 学校建設を巡り詐欺罪に問われた学校法人「森友学園」前理事長籠池泰典被告と妻に有罪が言い渡された。だが地価値引きの真相や官僚による政権への忖度(そんたく)の有無など疑惑の核心には迫れなかった。
 「国有地が八億円余も値引きされて学園側に売却された」「安倍昭恵・首相夫人が一時期、名誉校長になっていた」「首相夫人らの名が消された決裁文書が国会に提出された」「官僚が官邸に忖度して消し、改ざんしたらしい」−。
 森友学園が新設を予定した小学校を巡る問題には何かと「?」が多い。一時期「安倍晋三記念小学校」という名で行政に説明していたともいう。安倍首相は国会で「私や妻が関係していたなら、首相も国会議員も辞める」と答弁したこともあった。
 国有地の巨額値引きの名目は「地下に埋まる大量のごみの撤去費用」だったが、そのごみの量は不明のまま。首相夫人から首相名で「寄付金百万円」を受け取ったとする籠池被告の国会証言の真偽も宙に浮いている。
 この問題では、元国税庁長官ら三十八人が虚偽公文書作成容疑などで刑事告発されたが全員が不起訴。逆に前理事長夫妻は、値引きなどの疑惑と直接関係ない「国などの補助金一億七千万円の不正受給」の疑いで逮捕、起訴された。
 疑惑にかかわったとされた三十八人への捜査は事実上終わったため、この裁判が本体をあぶり出す場になるのでは、ともみられた。法廷で被告側は「逮捕は、値引き疑惑から国民の目をそらせる国策捜査」と主張した。
 しかし、「値引き」や「忖度」の真相が究明されることはなかった。裁判所は起訴内容について「多くは両被告の強い意向による詐取」と判断し、有罪判決(妻は一部無罪)に至った。・・・
https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020022002000131.html



政府・自民、ホテルに「圧力」か 「桜」懇親会説明対立で(2020/2/20東京新聞)
 安倍晋三首相主催の「桜を見る会」前夜に開催された地元支援者との懇親会に関し、会場の東京都内のホテルが首相の国会答弁を否定した問題で、十九日の与野党協議や国会審議では、一連の経緯を踏まえ自民党がホテル側に圧力をかけた可能性が論点となった。 
 立憲民主党の安住淳国対委員長は十九日、自民党の森山裕国対委員長と国会内で会談し、懇親会場となったANAインターコンチネンタルホテル東京(東京都港区)の説明と首相答弁との食い違いを受け、自民党内から同ホテルを「もう使わない」との声が上がっていると指摘。「圧力と受け取られかねず看過し難い」と批判した。
 森山氏は会談後、記者団に「圧力と受け止められないよう気をつけることは大事だ。抗議を謙虚に受け止めたい」と語った。
 この日の衆院予算委員会でも、自民側の圧力の有無が議論された。
 森山氏は前日の十八日、ホテル関係者が同党本部を訪れたと記者団に語った。これに関し、野党共同会派の山井和則氏(無所属)は訪問について「暗黙の圧力ではないか」と指摘した。菅義偉(すがよしひで)官房長官は「私たちがそうしたことをするはずがない」と否定した。
・・・ 首相は十七日の衆院予算委で、ホテルの広報担当者が野党に首相と異なる説明をしたことを受け、営業担当者に問い合わせ「(懇親会などの)個別の案件は営業の秘密に関わるため、回答には含まれていない」と言われたと反論した。
 その後、本紙が十七日に取材した際は、首相が懇親会の明細書の発行を受けていないと主張したことについて、広報担当者が「主催者に明細書を発行しないケースはなく例外はない」と回答。答弁を否定した。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/202002/CK2020022002000124.html



無言電話に脅迫の手紙… 原発反対貫いた夫婦、映画に(2020/2/19朝日新聞)
 三重県南部の熊野灘に面した入り江に、中部電力が建設しようとした芦浜原子力発電所。その計画が白紙撤回されてから20年の節目に合わせ、反対を貫き通した夫婦の生き様を描いたドキュメンタリー映画が完成した。「原発夫婦」のタイトルで、24日に津市で初上映される。
 三重県南伊勢町古和浦地区の民家の玄関には「原発反対の家」と書かれたステッカーが貼られている。映画に出演した小倉紀子さん(78)は、この家に一人で暮らす。反対運動の中心だった夫の正巳さんは、映画撮影途中の昨年2月に79歳で亡くなった。
 原発の建設計画が持ち上がったのが1963年。南伊勢町と大紀町にまたがる地域が予定地となり、芦浜周辺に漁業権を持つ古和浦地区を中心に反対運動が繰り広げられた。地区は、地域振興を求める推進派との間で民意が割れた。計画は当時の北川正恭知事が2000年2月22日に白紙撤回を求めたことで、中電が断念。だが、20年たった今も地区には「傷痕」が残る。
 2年ほど前、原発建設計画に翻弄(ほんろう)される人々の姿を描いた舞台が上演された。俳優の内谷正文さん(50)は古和浦地区の反対派の漁師役を演じるため、現地に足を運んで小倉さん夫婦と会った。「苦しみながらも最後まで反対を貫いたこの夫婦のことを記録に残したい」。18年6月からたびたび現地入りし、監督となってスタッフとともにカメラを回した。
 原発建設計画が止まっても、癒えることがない夫婦の苦悩を記録した。当時は、無言電話や脅迫の手紙などが、数え切れないほどあった。今も、紀子さんは推進派だった近隣住民にあいさつをすることはない。
 映画では小倉さん夫婦のインタビューを中心に、東京電力福島第一原発事故後に出会った若い母親たちと夫婦との交流も描く。内谷さんは「原発反対を大々的に掲げた作品ではない。原発計画が夫婦の生活をどう変えたのか。地べたで闘ってきた夫婦の生きた証しを見てほしい」と話す。
 24日午後1時半から津市の津リージョンプラザで開かれる反原発イベントで、短編版(34分)が初上映される。一般前売り1千円、当日1300円、高校生以下前売り500円、当日700円。問い合わせは市民団体「原発おことわり三重の会」の小室豊さん(090・1099・1520)。(大滝哲彰)
 《芦浜原発計画》 1963年、中部電力が三重県での原発建設計画を公表。翌年に旧南島町(現南伊勢町)と旧紀勢町(現大紀町)にまたがる芦浜が候補地になった。67年に田中覚知事が原発問題に終止符を宣言したが、84年に県が原発関連予算を計上したことで反対運動が再燃。2000年2月に北川正恭知事が白紙撤回を表明し、中電は計画を断念した。
https://digital.asahi.com/articles/ASN2M4Q4NN2KONFB00K.html?iref=comtop_list_gold_n04



「政権に逆らったみせしめに」 籠池夫妻判決に関係者ら(2020/2/19朝日新聞)
 学校法人森友学園の補助金不正事件で、大阪地裁は19日、詐欺罪などに問われた学園前理事長の籠池泰典被告(67)に懲役5年、妻諄子(じゅんこ)被告(63)に懲役3年執行猶予5年(いずれも求刑懲役7年)の判決を言い渡した。不透明な国有地取引や公文書改ざんを追及してきた関係者は、引き続き真相解明を求めた。
 大阪府豊中市の木村真市議は、国有地の売却価格が非公表になっている問題を掘り起こし、財務省近畿財務局の職員(氏名不詳)を背任容疑で大阪地検に告発した。木村市議は「国有地のたたき売りと不可解な小学校認可が森友問題の本質で、籠池夫妻に判決が出たからといって問題は何も解決していない」と訴えた。
 また、国有地売却や公文書改ざんの問題で告発されたのに、大阪地検が財務省を家宅捜索せずに不起訴処分にした一方、泰典被告は自宅などを徹底的に捜索されたと指摘。「問題の本質から目をそらすために悪役に仕立てられた感はある」と話した。
 近畿財務局OBで、国有財産を扱う部署の勤務経験もある喜多徹信さん(71)は「詐欺は許せないが、懲役5年の実刑判決は重いなとも感じる」と話した。改ざんで処分を受けた財務省幹部が栄転しており、「おかしい」と怒る財務局の現役職員もいるという。
 国有地の交渉で責め立てられて両被告を毛嫌いしている職員もいるが、喜多さんは「結局、政権に逆らってみせしめになった面もある」と語った。
https://digital.asahi.com/articles/ASN2M6HKTN2LPTIL03X.html?iref=comtop_list_nat_n03



(声)見ても堪能、ブラインドサッカー(2020/2/19朝日新聞) 会社員 下村浩子(東京都 54)
 先日、視覚しょうがい者のための競技ブラインドサッカーのチーム日本一を決める大会があり、大学生の息子が所属する「パペレシアル品川」が優勝しました。
 息子に視覚しょうがいはありません。大学のスポーツ科でパラスポーツに興味を持ち、協会のインターンシップとして関わり始めました。今は日本代表選手のいるチームでゴールキーパーをしています。
 パラスポーツといえば人一倍の努力や精神力という堅いイメージしかなく、ボールやゴールが見えない中でのサッカーは予想もつきませんでした。しかし実際にブラインドサッカーを見てみると、その迫力と神業のようなテクニックに驚きました。ボールの音を聞き分けるためにプレー中は静かにしなければなりませんが、ゴールが決まった瞬間の歓声には喜びも倍に感じました。声を掛け合ってプレーする姿も素晴らしく、純粋に競技として楽しめました。
 中学の部活ではベンチにしかいなかった息子が日本一になれました。支えて下さったチームの皆様には感謝しかありません。そして、ブラインドサッカーがもっと普及していくよう私も協力したいと思いました。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14370606.html?iref=mor_articlelink04



(声)「尊い仕事」で片付けないで(2020/2/18朝日新聞) アルバイト 熊倉貴子(宮城県 41)
 介護職員兼相談員として働く夫は、命取りになりかねない長時間労働である。休日は月4日ほど。24時間勤務も頻繁で、早番でも帰宅は必ず夜9時を過ぎる。夫の働き方について知人に話すと、「ご主人の仕事は尊い仕事。応援してあげて」と言われた。
 「尊い仕事」。私も介護職の経験があるが、何度か言われた言葉だ。一見尊重されているようで、話し手の偏見、無理解を感じる。援助職だからボランティア精神でやってくれるよね。長時間労働でも感謝される仕事だからいいでしょ……。
 介護職は、人の命にかかわる仕事だが、契約を結んだ賃金労働であることは、事務や営業といった他の仕事と同じである。契約通りの休日が与えられ、労働時間が守られなければならない。「尊い仕事」という表現は、愛や奉仕の理念を他人から一方的に規定されたようで、不快である。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14369107.html?iref=mor_articlelink06



<金口木舌>畑に秋桜、それとも…(2020/2/17琉球新報)
 ヒカンザクラの開花は終盤。かわるように畑一面に咲くコスモスを見掛ける。別名は秋桜。県外では文字通り秋の開花が多く、語源の由来には花びらが桜に似ているとの説がある
▼新明解国語辞典(三省堂)には、秋桜は当て字とある。昭和世代には山口百恵さんの歌が浮かぶだろう。作詞・作曲はさだまさしさん。当初の曲名は「小春日和」だったとか。歌のヒットをきっかけに秋桜をコスモスと呼ぶことが広まったとの説も
▼緑肥にもなるコスモスは金武町伊芸で見頃だ。2カ月余り前、米軍が照明弾を誤って落下させた地点でもある。11日に訪れると家族連れが目立つ中、山側から「パラパラ」と乾いた音も響いた。訓練する米軍の射撃音だ
▼近くの米軍金武ブルービーチ訓練場では離島防衛を担う陸自の水陸機動団と米軍が13日まで共同訓練を実施した。水陸機動団の県内での訓練参加は初めて。白い砂浜に迷彩柄は不似合いだ
▼訓練直前の1月25日、米海軍MH60ヘリコプター1機が沖縄本島175キロ沖合で墜落した。陸自は共同訓練とは関係ないとの見解を示したが、墜落事故を「着水」と表現する権力側の言葉を真に受けていいものか
▼コスモスはギリシャ語が由来で、調和の意味もある。共同訓練は水陸機動団の県内配備への地ならしともみられる。かつて軍事色は私たちの生活をのみ込んだ。調和と相反する。
https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1075265.html


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2020年02月16日

PICK UP NEWS

アイツは米兵、おれの友達 けど譲らないよ基地はNOだ(2020/2/15朝日新聞)
 アイデンティティーをめぐる取材で「沖縄人」としての意識を強く持つ青年と知り合った。沖縄県西原町の與儀(よぎ)幸太郎さん(25)だ。留学先のハワイで意識に目覚め、沖縄で近年、話者が減っている「しまくとぅば(島言葉)」の言語復興に取り組んでいる。
 日本全体の米軍専用施設のうち約7割が集中する沖縄で、かつてはファッションをまねるほど米兵に憧れていたという。だが、いまは沖縄の「脱植民地化」のために米軍は不要だと考える。米軍普天間飛行場の辺野古移設には、明確に「NO」の立場だ。
 そんな與儀さんだが、最近習い始めた琉球空手の道場で友達ができたのだという。辺野古の基地「キャンプ・シュワブ」から通ってくる海兵隊の米兵男性(27)だ。
 聞けば、沖縄では琉球空手を習う米兵は決して珍しくはないらしい。敗戦後の米国統治時代、地元との融和策として米軍基地から空手道場に通う兵士は数多く、なかには本国に持ち帰り、道場を開くようなケースもあったという。
 ハワイに留学していた與儀さんは英語で意思疎通ができる。反基地派の青年と米兵男性の会話はなかなか刺激的なようだ。
 「沖縄は琉球併合で日本に組み込まれたから、戦争にも巻き込まれた。脱植民地化が必要だ」と與儀さんが主張すれば、「米国と日本の安全保障があるだろ。なぜ反対するんだ」と言い返してくる。
 沖縄の伝統舞踊エイサーについて、「ジャパニーズ・カルチャー、すばらしい」と米兵男性が言えば、與儀さんは「違う、沖縄のカルチャーだ」と教え諭す。
 空手の稽古後に一緒に食事をしながら議論し、終われば車で送ってあげることもある。
 ツイッターへの投稿で與儀さんは思いをぶちまけた。
 《(米兵男性とは)仲良く一緒に飯も食うし個人に恨みはない。だけどもおれが反戦平和で反植民地主義なのは常に分からせているつもり》
 沖縄を愛する青年と米兵との友情物語――。などと、ドラマ仕立てには書けそうにない。でも、現在の沖縄にこんな一風景があることは確かだ。
https://digital.asahi.com/articles/ASN2F4VTDN1JUHBI03M.html?iref=comtop_list_nat_n03



(声)語りつぐ戦争 焼け跡で口にしたお茶の味(2020/2/15朝日新聞) ■語りつぐ戦争 戦後75年
 無職 西尾房子(大阪府 89)
 1945(昭和20)年6月1日、大阪で2回目の大空襲がありました。防空壕(ごう)の中も危なくなり、やっとの思いで避難所の国民学校にたどり着き、一夜を過ごしました。
 翌朝、真田山公園(大阪市天王寺区)近くの高台から家のある方を眺めると一面焼け野原。我が家にたどり着くとすっかり焼け落ち、むき出しになった水道管から水が噴き出しているだけでした。
 家の通り庭の一角を掘って埋めていた茶筒は無事で、茶葉がいっぱい。くすぶる木片でお湯を沸かしてお茶を口にすると、助かったのだという実感が湧きました。父母とお互い黒く汚れた顔を見合わせ、初めて笑みが浮かびました。
 ふと気がつくと、焼け跡でお父様を荼毘(だび)に付しておられる近所のご家族が目に入り、思わず黙祷(もくとう)しました。一番おいしかったお茶と共に、一生脳裏から消えない情景となりました。ペットボトル片手に往来する人を見る度、焼け跡で口にしたお茶を思い、平和の時代に生きているありがたさをしみじみ感じるのです。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14365868.html?iref=mor_articlelink08



(声)語りつぐ戦争 目の前で撲殺された愛犬エス(2020/2/15朝日新聞) ■語りつぐ戦争 戦後75年
 無職 林田正一(熊本県 84)
 1944(昭和19)年、少年時代に我が家にいた土佐犬エスのことである。
 祖父がエスを呼んでいた。呼べば必ず飛んでくるはずが来ない。畑を逃げ回っている。見知らぬ男性が何人か来ていた。犬の供出だった。祖父も覚悟を決めていた。
 好物の生卵にも近づかない。やっと鎖をかけたが動かない。家族が私に「ついて行け」と言う。供出が何のことか分からないまま、綱で引きずられるエスに同行した。
 川沿いの堤防の堰(せき)で、男たちはエスを棒で殴り始めた。暴れ、ほえるエス。私は止めることもできず、走って離れた。戻った時、エスは鉄の棒につるされていた。
 皮は戦地での背嚢(はいのう)になると後日聞いた。戦地へ慰問の手紙を学校で書いた。「エスはお国のため兵隊さんと一生懸命戦っています」。短い慰めの返事が届いた。
 国を挙げた戦争もすでに先が見え始めていたのではなかったか。犬の皮を取ると同時に、人の食糧を守るための食べ手減らしでもあったのかもしれない。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14365867.html?iref=mor_articlelink07



(声)語りつぐ戦争 引き抜いて腰掛けたのは不発弾(2020/2/15朝日新聞) ■語りつぐ戦争 戦後75年
 無職 奥村秀雄(千葉県 86)
 私の故郷甲府市は1945(昭和20)年7月6日深夜、米軍爆撃機B29の空襲を受け、一夜にして町は灰燼(かいじん)に帰した。市中心部で洋服店をしていた私の家も焼けた。
 私は国民学校6年生だったが授業はなく、自宅から8キロほど離れた母の実家に泊まり込み、農作業の手伝いをしていた。
 翌朝もまだ空は赤黒かった。家の周辺には被害がなく、私は手伝いの男性と畑に出かけた。すると畑の手前で農家が1軒、全焼しくすぶっていた。畑からは一面、六角形の筒状物体が突き出ていた。引き抜いては畑の隅に置いた。70本以上あった。夕刻、リヤカーに山積みにし、私は上に腰掛けた。
 家に着くやいなや、祖父が猛烈な悲鳴を上げた。私が持ち帰ったのは、焼夷弾(しょういだん)の不発弾であった。
 もし信管に触れて爆発したら、大やけど、または命を落としていたかもしれない。翌日、市中心部を見に行った人が不発弾で大やけどをし、担がれて帰ってきた。恐ろしさで胸がつぶれた。私は運がよかったとしかいいようがない。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14365866.html?iref=mor_articlelink06



(声)語りつぐ戦争 空襲警報鳴らず、目覚めると火(2020/2/15朝日新聞) ■語りつぐ戦争 戦後75年
 無職 能瀬英太郎(岡山県 82)
 パチパチという音で外に出た母が「空襲じゃ、家が燃えとるぞ」と叫んでいた。目を覚ますと、生後7カ月の妹をおぶった母が3歳の弟を連れて南へ逃げろと11歳の兄に命じ、8歳の私には布団などを隣家の畑まで運べと指図した。「なにしとる、天井まで火が回ったぞ」と、同居していた親類のおばあさんに母が言うと、「腰が抜けて立てん」と言いながらはい出て来た。燃えるわが家を隣家に運び出した布団の横で眺めていると、おばあさんはお経を唱えていた。父は仕事に行き、留守だった。
 燃え上がる家のはるか上空で、B29が町が焼ける明かりに照らし出されていた。高射砲も日本軍機も応戦せず、サメの群れのような敵機のなすがままだった。1945(昭和20)年6月29日未明の岡山大空襲だ。
 その少し前、私と兄は屋外の便所へ行った。5キロほど北の空が照明弾で昼のように明るくなるのを見たが、そのまま寝た。空襲警報が鳴らなかったからだ。
 父が帰ったのは昼前。全焼した家の前で無事だった他の家族といる時だった。のどかな農村にも、戦争は関係なくやってきた。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14365865.html?iref=mor_articlelink05



(声)語りつぐ戦争 戦友の遺体、手首切って土葬(2020/2/15朝日新聞) ■語りつぐ戦争 戦後75年
 無職 森本源治(兵庫県 94)
 終戦が近い1945(昭和20)年8月、所属部隊「鷺三九〇八」は、中国河南省洛陽の南の奥地で小高い山の上に陣地を築き、塹壕(ざんごう)を掘って敵と対峙(たいじ)していました。月の明るい夜8時ごろ、塹壕の前に鉄条網を張る作業をしていました。4人1組で杭打ちと有刺鉄線張りに2人ずつ分かれての作業で、私は杭打ち組でした。
 作業を始めて約30分後、山の下の敵陣から迫撃砲の攻撃が始まりました。迫撃砲の砲弾は高角度で発射され、弧を描く弾道となります。敵陣から打ち上げられた1発の砲弾が、有刺鉄線組に命中して爆発したようでした。
 私たち杭打ち組の2人は、直ちに約2メートル離れた着弾地点に行きました。硝煙で何も見えず、鼻をつく火薬の臭いとともに、煙の中から腹を押さえて低い声で「うー」とうめきながら横たわる戦友を見つけました。無事だった鉄線組の1人と計3人で急いで抱きかかえて塹壕の中に入れました。しかし、何の手当てもする間もなく息を引き取りました。
 戦地では遺体を焼く大きな火はたけません。片方の手首を切って焼き、遺体は土葬して弔いました。手首の遺骨を中隊本部に渡しました。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14365864.html?iref=mor_articlelink04



(声)語りつぐ戦争 満州脱出、残した母と弟は自決(2020/2/15朝日新聞) ■語りつぐ戦争 戦後75年
 無職 大塚ミネ(神奈川県 88)
 ソ連の町明かりが見える旧満州(中国東北部)虎林近くの開拓団で終戦の年を迎えた。13歳だった。8月9日。学校で先生が「ソ連と戦争だ。すぐ帰れ」。父と長兄は水田集落の水番で不在。三兄は2人を待つと家に残り、母、弟2人と家を出た。
 翌朝、関東軍がいるはずの虎林に着くと宿舎が炎上、兵はいない。何百人もの開拓団員だけでさらに逃げるしかなかった。銃撃、襲撃、機銃掃射。空腹。列は崩れ、ばらばらになりながら2週間ほどで勃利の開拓団跡地に着き、塩にありついた。
 だが数日後「ソ連軍が来る。静かに歩けない人は自決」と決まった。病弱な母に幼い弟、幼子3人がいる姉夫婦。皆で自決と決めた夜、先生に呼ばれた。「生きてお国のため働け」。「母や弟を残してとても行けません」と泣く私に、母も「お前は生き抜ける子。父ちゃんたちに母ちゃんたちのことを伝えて」。着ていた野良着を脱いで私に着せた。
 100人ほどで脱出。翌日、追いついた人に、母たちの集落は鉄砲で撃ち合い自決と聞いた。どんな最期だったか。涙が止まらなかった。帰国後、復員した次兄と再会できたが、父たちの消息はわからないままだ。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14365863.html?iref=mor_articlelink03



(社説)資料書き換え 原発審査の根幹揺らぐ(2020/2/15朝日新聞)
 原発の審査を、根幹から揺るがしかねない事態である。
 日本原子力発電・敦賀原発2号機(福井県)の新規制基準に基づく審査資料を、原電が黙って書き換えていた。「再稼働実現のために改ざんしたのでは」と疑われても仕方あるまい。
 原子力規制委員会が審査を中断し、調査資料の原本の提出を求めたのは当然だ。
 敦賀2号機をめぐっては、規制委の有識者会合が「原子炉建屋の直下に活断層が走っている可能性がある」と報告した。これを規制委が認めたら運転できなくなるが、原電は「活断層ではない」と主張して審査を申請した経緯がある。
 書き換えられたのは、ボーリング調査で採取した地層サンプルの観察記録だ。たとえば、原電は一昨年の審査資料にあった「未固結」という記述を無断で削除し、「固結」と書き加えていた。同じような事例が、少なくとも十数カ所あるという。
・・・ 「生データに手を加えれば議論に誤解が生じる。本当にひどい」と規制委の更田豊志委員長が批判したのも無理はない。
 看過できないのは、今回の書き換えが審査の行方を左右しかねなかった点である。規制委が活断層と判断するか否かは今後の審査しだいだが、その際にボーリング調査のデータは重要な役割を担うのだ。
 原発専業の原電は、4基のうち2基の廃炉が決まり、残る敦賀2号機と東海第二原発の再稼働に社運がかかる。ぜひとも運転を認めてもらおうと、活断層説が弱まるようにデータを書き換えたのではないか。そんな疑いがぬぐえない。
 悪意も意図もなかったというのなら、原電は詳しい事実関係を明らかにする責任がある。・・・
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14365862.html?iref=mor_articlelink02



【社説】新型肺炎拡大 国内流行へ先手を打て(2020/2/15東京新聞)
 新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)が拡大している。国内で感染者の死者が初めて出た。感染経路がはっきりしないケースも出始めた。国内で流行が起きていると想定し備えるべきだ。
 亡くなった女性をはじめ東京都内のタクシー運転手、千葉県の男性、和歌山県の医師の感染が次々と分かった。これまでと違い感染経路がはっきりしない。
 国内で感染が広がっている。そう考えて政府には拡大防止に先手を打つ対応を求める。
 まず、やるべきは情報の開示である。今国内がどんな感染状況なのか全体像が分からないからだ。
 加藤勝信厚生労働相は国内流行については「今の段階で根拠がない」と言うが、専門家は国内での感染が始まっていると指摘している。専門家の認識を前提に今どんな段階の感染状況なのか、その説明を聞きたい。その上での対策だ。
 クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客は、感染状況や検疫の見通しに関する情報が不足し不安を増幅させている。情報の重要性は自明だ。政府は通信機器の提供を始めたが遅すぎる。
 状況認識を国民も共有してこそ対策が進むと心すべきだ。
 患者増に備え治療態勢の整備は必須だ。政府は感染症に対応する医療機関の態勢強化を図るが、軽症者が集中しては重症者の治療に支障が出かねない。どんな状態の患者をどう治療するのか、一般の医療機関との役割分担など連携も迅速に進めたい。
 政府の緊急対策では簡易診断キットの開発と利用開始を本年度中に実施する方針だ。ワクチンや治療薬の早期の開発も待たれる。
 個人でもできることがある。感染が心配ならむやみに医療機関に行かず、厚労省の相談窓口や各地の帰国者・接触者相談センターに連絡してほしい。必要なら受診する医療機関を紹介してくれる。
 もちろん水際対策の重要性は変わらないが、乗客らの船内待機が続くクルーズ船について世界保健機関(WHO)は感染の「劇的な増加」がみられると、封じ込めを疑問視している。
 政府は乗客の健康状態の悪化に配慮して高齢者の一部の下船を決めたが、希望者は原則下船させるなど方針の転換が必要ではないか。感染防止と生活環境への配慮の両立を考えるべきだ。
 新型肺炎は高齢者や持病のある人の重症化は注意が必要だが、患者は軽症者が多い。正確な情報を得て冷静に対応したい。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020021502000171.html



<金口木舌>見えないと分からない(2020/2/15琉球新報)
 第92回アカデミー賞の作品賞など4部門に韓国映画の「パラサイト 半地下の家族」が輝いた。家族4人全員失業中の貧しい一家が、裕福な家庭に巧みに“寄生”していく物語だ。高い娯楽性を持ちながら格差社会を痛烈に描き出す
▼貧しい一家の父親は運転手として裕福な家庭に雇われる。雇い主は運転手の仕事ぶりを評価するが、体臭は地下鉄の乗客のようなにおいがするから苦手と言う。「分からない」と首をかしげるのは雇い主の妻。地下鉄に乗った経験がないからだ
経済的な格差が拡大すると、社会の階層化や分断化が進む。所得に応じて住む地域や学校、職場が異なる傾向があり、格差が見えにくくなるといわれる。格差の拡大は貧困問題につながりやすい
▼沖縄は子どもの貧困率が29・9%(2015年度)で全国の2倍近い。県の調査では、家計の貧しさ故に多くの高校生が進学を断念している実態が浮き彫りになった
▼貧困が原因で子どもの将来が狭められないよう連鎖を断ち切らなければならない。「パラサイト」では貧しい一家の息子が将来を悲観する姿も印象的だ。沖縄にも同じ境遇の人がいる
▼観光需要などを追い風に、県内の平均有効求人倍率は1・19倍と6年連続で復帰後最高値を更新している。好調なうちに所得を上げて就労環境を整えたい。格差の拡大を食い止めることは急務だ。
https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1074418.html



(社説)辺野古移設 不都合な現実 直視せよ(2020/2/14朝日新聞)
 不都合なデータに目をつぶり、埋め立て工事を止めようとしない。「辺野古ありき」で突き進む政府の強権ぶりが、また明らかになった。
 沖縄・米軍普天間飛行場の移設先とされる名護市辺野古沖の軟弱地盤が、これまで政府が改良工事可能としてきた海面下70メートルよりも深い可能性を示すデータが存在していた。
 埋め立て予定海域の東端で、護岸が建設される地点。防衛省の委託を受けた業者が、海底の土の種類を確認する「物理試験」のために採取した試料を使って地盤強度も調べたところ、70メートルより深い部分で6段階中2番目の軟らかさだった。
 防衛省は、別の目的で採取された試料であり、試験も船上で行う簡易なものだったとして、地盤強度を調べる「力学試験」とは認められないとの立場だ。河野太郎防衛相は一昨日の衆院予算委員会で「力学試験でも何でもない」「設計変更には反映されない」と繰り返した。
 いくら簡易的な方法によるとはいえ、工事の大きな障害となりうるデータが示された以上、改めてボーリング調査を行い、強度を正確に判定するのが当然ではないのか。
 作業船で地盤改良工事をできる深さは70メートル程度とされる。防衛省は150〜750メートル離れた別の3地点の調査結果をもとに、ここでも70メートルまでの工事で足りるという。護岸の下という重要な地点の調査をなぜ避けるのか。頑(かたく)なな姿勢は、軟弱地盤の深刻さを認めたくないためと見られても仕方あるまい。
 明らかになったデータは、防衛省が昨年3月に国会に提出した報告書の巻末資料の中に英文で掲載されていた。当時の岩屋毅防衛相らは、この地点で調査が行われていたこと自体を否定しており、数値は事実上伏せられたままだった。
 政府は昨年末、軟弱地盤対策を織り込んだ総工費の見直しを公表した。従来想定の約2・7倍にあたる約9300億円。事業完了までの工期は12年と見積もられ、普天間返還は早くても30年代半ばへと大幅にずれこむ見通しとなった。軟弱地盤が想定以上に深ければ、工費や工期がかさむだけでなく、技術的な可能性にも疑問符がつく。
 政府は14〜16年の調査で軟弱地盤の存在を把握しながら公表せず、埋め立ての土砂投入を始めた後に事実を認めた。沖縄で繰り返し示された「辺野古ノー」の民意を無視する強引な手法は、もはや限界にきている。
 「マヨネーズ並み」の地盤が広がる辺野古沖を「適地」とする計画の破綻(はたん)は明らかだ。政府は速やかに工事を止め、一から出直すべきである。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14364470.html?iref=comtop_shasetsu_01



【社説】首相のやじ 国会を冒涜する暴言だ(2020/2/14東京新聞)
 到底聞き流すわけにはいかない。安倍晋三首相が委員会審議中、野党議員に「意味のない質問だよ」とやじを飛ばした。行政監視や国政の調査を担う国会を冒涜(ぼうとく)する暴言だ。厳しい対処を求める。
 そのやじは十二日の衆院予算委員会で、立憲民主党の辻元清美議員が質問を終えた直後に飛び出した。委員会は一時紛糾。発言の確認を求めた同党議員に対し、首相は「(辻元氏の質問は)罵詈(ばり)雑言の連続で、私に反論の機会が与えられなかった。ここは質疑の場だ。これでは無意味じゃないかと申し上げた」と説明した。
 まず国会審議が何のために行われるのか首相は理解していない。
 国会審議は、提出議案の可否を決めるとともに、国政に関する調査を行うためにある。また首相や閣僚は「答弁又(また)は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない」と憲法は定める。
 つまり国会は議員の質問に答える場であって、政府による反論や宣伝の場ではない。たとえ相手が野党でも、首相らが最大の敬意を払って審議に臨むべきは当然だ。
 野党の質問を「意味のない質問だよ」などと揶揄(やゆ)するのは、国会の権能をまったく理解せず、国権の最高機関であり唯一の立法機関である国会を冒涜し、議会制民主主義を危うくする暴言である。
 そもそも辻元氏の発言は罵詈雑言だったのか。発言を振り返る。
 「鯛(たい)は頭から腐る。上層部が腐敗していると残りもすぐに腐る。首相が桜とか加計とか森友とか、疑惑まみれと言われている。ここまできたら頭を代えるしかない」
 首相には耳が痛いだろうが、罵詈雑言ではなく的を射た発言だ。
 「桜を見る会」や森友・加計両学園を巡るいずれの問題も、首相に近しい人に便宜が図られ、行政の公平・公正性への疑念が膨らんだ。国会で問題視されると公文書の廃棄や改ざんも行われた。
 こうした問題を生んだ要因には安倍長期政権の弊害を指摘せざるを得ない。首相ら政権中枢に権力が過度に集中し、独善が許されるようにまでなった。
 首相はこれまでも野党の質問にまともに答えなかったり、自席からやじを飛ばすなど、国会に対して、非礼な行為を繰り返してきた。
 首相は十七日、衆院予算委の集中審議で自身のやじについて「釈明」するというが、容易に許されていい問題ではない。国民の代表で構成される国会は、議会制民主主義を脅かす政府の言動に、厳しく対処しなければならない。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020021402000145.html



【茨城】「絶対反対」漁連訴え 福島第一原発の汚染水 海洋放出 (2020/2/14東京新聞)
 本県沿海の十漁協でつくる茨城沿海地区漁業協同組合連合会の役員ら約五十人が十三日、県庁を訪れ、東京電力福島第一原発で大量保管されている放射性物質のトリチウムを含む汚染水を海に捨てさせないよう、大井川和彦知事に訴えた。知事は国に働き掛けていく考えを示し、漁連役員らとともに「海洋放出、絶対反対」のシュプレヒコールを上げた。 
 経済産業省の小委員会が十日に正式にまとめた報告書は、汚染水の処分方法について、海洋放出と大気放出が現実的な選択肢で、海洋放出の方がより確実に実施できるとしている。
・・・ 漁連の吉田彰宏専務理事が読み上げた要請書は「海洋放出することになれば、風評の再燃は必至。トリチウム以外の放射性物質が基準値を超えて残留しているとの報告もあり、新たな実害の発生が大いに懸念される」と指摘。「これまでの漁業関係者の努力を水泡に帰し、漁業の継続を断念する状況に追い込む仕打ちであり、絶対に受け入れることはできない」と強調した。
 飛田(とびた)正美代表理事会長から要請書を受け取った大井川知事は「私も皆さんと同じ気持ちだ。国に伝えていきたい」と応じた。
 知事は小委の報告書の概要が判明した一月末以来、「海洋放出を安易に結論とする報告は容認できない」などと発言していた。・・・
https://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/202002/CK2020021402000166.html



【東京】「中村医師は私たちの目標」アフガンスタッフ報告会 100人参加「遺志継いでいく」(2020/2/14東京新聞)
 アジアの子どもに日本の絵本を送る活動をしている公益社団法人「シャンティ国際ボランティア会(SVA)」(新宿区)アフガニスタン事務所のスタッフらが来日し、十二日夜に千代田区内で報告会が開かれた。現地で活動していた医師中村哲さん殺害事件に触れ、スタッフは「中村さんはアフガン人にとってヒーローだった。遺志を継いでいきたい」と決意を新たにしていた。 
 報告したのは、ワヒド・ザマニさん(43)とハミドゥッラー・ハミドさん(33)。SVAは、これまでアフガニスタンの百五十八カ所に図書館を設け、現地語訳を張った日本の絵本を約一万三千冊送っている。また、給水用の井戸を開設したり、女性センターをつくって識字教室を行ったりしている。
 昨年十二月、NGOのペシャワール会現地代表だった中村さんが武装集団に殺害された夜、「市民が集まってろうそくをともし、子どもまで悲しんで涙を流した」とハミドゥッラーさん。ワヒドさんは「美しいアフガンを取り戻したいという中村さんの復興へのかかわり方は、私たちの目標になっている」と話した。
 ワヒドさんによれば、アフガニスタンでは戦争で毎年一万人近い市民が死傷し、四割は女性や子どもだという。教育施設は全滅の状態だったが、日本はじめ国際社会の支援で半数近くが建設された。「教育を受けられる女子児童が、地方にも増えているのはポジティブ(前向き)な変化」とワヒドさん。
 報告会には約百人が参加した。ハミドゥッラーさんは「紛争や干ばつで家を離れる国内避難民が昨年一年間だけでも四十三万人。その三分の一が劣悪な水資源を利用し、亡くなる人も多く報告されている」と話し「日本とアフガニスタンは本当に友好的。アフガニスタンのことを忘れないでください」と訴えた。
 SVAはタイやカンボジア、ネパールなどで教育を支援し、これまでに約三十一万二千冊の絵本を送っている。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/202002/CK2020021402000153.html



【社説】米国の小型核 抑止どころか危険だ(2020/2/12東京新聞)
 「核なき世界」を目指す動きに逆行している。米国防総省が、新開発の小型核弾頭を潜水艦に配備したと発表した。ロシアや中国への抑止力になるとするが、「使える核」が世界に広がりかねない。
 小型核弾頭はW76−2と呼ばれる。トランプ政権は、二〇一八年に発表した核体制の見直し(NPR)の中で開発を予告していた。
 爆発力が約百キロトンだった従来型の核兵器を改造し、五〜七キロトン程度に抑えたもので、弾道ミサイルに搭載されて原子力潜水艦から発射される。
 すでに実戦配備され、核の先制使用も辞さない構えだ。
・・・ 実戦配備について、国防総省の報道官は、「敵国による限定核攻撃が無意味であることを示し、抑止力を高める」と正当性を主張しているが、とても言葉通りに受け止めることはできない。
 小型核は、被害が限定されるため核使用のハードルが下がり、使いやすくなる。すでにロシアが保有しているとされ、米国が実戦配備したことで、核戦争の危険がいっそう現実味を帯びてきた。
 また原潜から発射されるミサイルは、外見だけでは小型核を搭載しているか判別できないため、相手国の過剰反応を起こしかねない、との懸念も出ている。
・・・ 日本は、米国の核の傘に依存している。それでも、唯一の戦争被爆国として、米国に対して自制を求め、核兵器の削減に向けた努力を続けるよう促す責務がある。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020021202000130.html

posted by オダック at 19:32| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする