2018年11月23日

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ごみ釣りツアーがビジネスに 「廃業」の日を望むオランダの社会的企業
(2018/11/23毎日新聞)
 最終目標は、廃業。そんな社是を掲げて成長を遂げる企業がある。
 アムステルダムの運河でごみ釣りツアーを運営するプラスチック・ホエール社。集めたプラスチックごみをボートやデザイン性の高い家具にリサイクルして新たな価値を生み出している。目指すのは世界の水路からプラスチックごみが無くなる日だ。
 11月上旬の晴れた午後、同社のボートに乗ってアムステルダムの中心で“釣り”をした。
乱獲は歓迎
 魚取り網を持った8人を乗せたボートは中央駅近くの船着き場を離れた。
 アムステルダムは何度訪れても美しい街だと感じる。パリや私が暮らすブリュッセルと比べると路上のごみがとても少ない。扇状に広がる世界遺産の運河網も水質は悪いが、それほど多くのごみが浮いている印象はなかった。
 そんな思いを見透かしたように、船尾でガイドを務めるケース・デ・ボートさん(63)が言った。「ごみが多いように見えないでしょう。でも2時間後はここにいっぱいですよ」。目の前には釣ったごみを分別するための袋が取り付けられている。
・・・ 結局この日は約2時間で50リットル程度のごみ袋4枚がいっぱいになった。「きょうは平均よりも多い。『大漁』です」とデ・ボートさん。ツアーを終えた地元の3Dアーティスト、ハーボイエ・ヨジックさん(27)は「想像以上に多く釣れて満足しています。本当に楽しかった。多くの人たちが参加して、ごみから新しい価値を生む。とても良いアイデアだと思います」と話した。
・・・ スミットさんはプラスチックごみのリサイクル材を主要部に使った1台のボートで事業を始めた。収益は個人・法人を対象にしたごみ釣りツアーと会員企業からの協賛金。個人の参加料は1人30ユーロ(約3900円)だ。
 参加者と会員企業は年を追うごとに拡大し、ボートは11台に増えた。1台あたり8000本のペットボトルが必要になるという。事務所には社員12人を抱え、これに加えてフリーランスの船頭40人がツアーを支える。これまで運河からすくい上げたペットボトルは累計13万本。年内にはツアーの参加者が延べ1万5000人に達する見通しだ。・・・
・・・私たちのビジネスモデルは、汚染がひどい場所ほど多くの経済的価値を生み出すことができるのです」
https://mainichi.jp/articles/20181122/mog/00m/030/026000c



(社説)日産がゴーン会長解任 カリスマ脱却の転換点に(2018/11/23毎日新聞)
 日産自動車は金融商品取引法違反の疑いで逮捕されたカルロス・ゴーン会長を解任した。日本を代表する企業トップが投資家を欺くという疑いを持たれた以上、解任は当然だ。
 カリスマの退場は、日産の経営にとって大きな転換点になる。
・・・ 自動車業界は今、歴史的変革期に直面している。世界的な環境規制の強化に伴い、電気自動車の開発競争が激しい。自動運転を巡ってはITなど異業種からの参入が活発だ。ライドシェア(相乗り)の普及で車の保有が減っていくとも指摘される。
  変革期を乗り切るかぎは、新経営陣がいかに的確に意思決定できるか、ということだ。社内の混乱を最小限にとどめて、ゴーン頼みから脱却していく必要がある。
 もう一つの大きな課題は資本提携先との関係だ。ゴーン前会長は、フランス・ルノー、三菱自動車との3社連合の「扇の要」だったからだ。
・・・ ルノーの最も有力な株主であるフランス政府との関係も焦点だ。
 仏政府は自国の雇用拡大や税収増を図ろうと、ルノーを通じて日産への支配力を強めようとしてきた。日産はルノーを収益でしのぐ。このため日産には反発が強い。ゴーン前会長が仏政府寄りになる懸念もあった。今後はルノー株の買い増しを検討するなど関係がきしみかねない。
https://mainichi.jp/articles/20181123/ddm/005/070/099000c



桜田五輪相、止まらぬ問題発言 党内「タイミング最悪」(2018/11/23朝日新聞)
・・・ 桜田氏は22日の閣議後の記者会見で、千葉市のホテルで21日夜にあった税理士の会合に出席し、来年10月に予定される消費増税や軽減税率の導入について、「(中小企業の業務量が増えることを)『大変ですね』と述べた」と語った。
 会合には与野党の複数の国会議員が出席していた。同席した与党の国会議員は桜田氏が「『気持ちとしては反対』と言っていた」と証言。別の与党議員も「『反対』と言ったあと、『政府として決めたことには従う』とも言った」と話す。22日の衆院内閣委員会では発言の事実関係について野党議員が質問。桜田氏は「反対だといったことはない」と重ねて否定した。
 立憲民主党の辻元清美国会対策委員長は「事実ならば、閣内不一致だ」と指摘。26日には衆参の予算委員会があるため、自民党内からは「週明けの予算委で追及を受ける。タイミングが最悪だ」(参院幹部)との声が漏れる。
 認識不足や言い間違いも続いている。この日の委員会質疑では、政府が来月改定する「防衛計画の大綱(防衛大綱)」に質問が及んだ。立憲民主党の篠原豪氏が「防衛大綱が12月に出ることは知っていますか」と問うと「聞いたことはあります」。大綱では、自身の所管にも関わりのあるサイバー空間での防衛力強化が焦点の一つだが、「防衛に関することは国防省だ」と発言。「防衛省」と取り違えて発言した。
https://digital.asahi.com/articles/ASLCQ5363LCQUTFK00M.html?iref=comtop_8_02



借金漬けの途上国 中国式支援、危うい「手っ取り早さ」(2018/11/23朝日新聞)
 アフリカ東部エチオピアの首都アディスアベバから車で約40分の工業団地。ここに2015年に進出した中国の革製品工場では、地元の女性ら約500人が羊皮の手袋を縫っていた。
 エチオピアでは近年、アパレル向けの工業団地が約10カ所立ち上がった。政府は、国内総生産に占める製造業の割合を14年度の4・8%から、25年に18%まで引き上げる目標を掲げる。
 後押しするのは中国だ。
 工業団地周辺の道路や鉄道、送電網などに融資し、建設する。1992年から15年までの投資額はトップ。移住した中国人は6万人とも言われる。
 ただ、中国の融資による経済成長には危うさも伴う。世界銀行は、16年のエチオピアの対外債務残高が8年前の約8倍の約220億ドル(約2兆4200億円)になったと指摘する。

 南米エクアドルに広がるアマゾンの密林地帯の先住民は「中国の会社が石油を狙っている。私たちは森の虎になる」と憤る。
 同国では07年に就任した前大統領コレアが中国に接近。インフラ建設のための資金を中国から借り入れ、債務を石油で返す契約を結んだ。国際原油価格よりも安い設定値で、原油の7割以上が支払いに充てられているとされる。そのつけが、生産量増加のために、アマゾンの自然を犠牲にすることに回っている。
・・・ 公正さや貧困解消という理念を重んじてきた従来の開発援助とは一線を画し、「手っ取り早さ」を売りに巨額マネーを融資する「中国式」。それは、果たして持続可能なのか。
https://digital.asahi.com/articles/ASLCN6GG9LBSUHBI02H.html?iref=comtop_list_int_n01



(社説)入管法改正案 与党は一度立ち止まれ(2018/11/23朝日新聞)
 国会の自殺行為ではないか。
 出入国管理法改正案の衆院通過に向けて、自公両党が突き進んでいる。きのうは自民党の委員長が職権で法務委員会を開催し、野党欠席のまま議事を強行した。27日の本会議で一気に可決して参院に送る構えだ。
 朝日新聞の社説は、外国人労働者の受け入れ拡大に反対しているのではない。だが従来の政策を大きく転換するのだから、相応の覚悟と国内の態勢の整備が当然求められる。さまざまな観点から議論を重ね、疑問や懸念を消していかなければ、将来に大きな禍根を残す。
 ところが与党は、月末から安倍首相が外遊するので、とにかく急がなければならないと繰り返す。国会は首相の都合で動く下請け機関なのか。
 そもそも審議がスムーズに進まない原因をつくっているのは政府自身ではないか。
 外国人をどんな業種に、どれほどの規模で受け入れるのか。制度の根幹に関わる話なのに、政府が見込み数などを示したのは、本会議で趣旨説明がされた後だった。しかも根拠の妥当性は今もって不明だ。・・・
 日本語教育を始めとする支援態勢をどう整えるか。自治体の役割は。政府が約束する「日本人と同等以上の賃金」をどうやって保証するのか。これら重要な論点についても、国会ではまだほとんど審議されていない。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13781240.html?iref=comtop_shasetsu_01



筆洗 「お忙しいですか」とあいさつされたら、なんと答えるか。(2018/11/23東京新聞)
 「お忙しいですか」とあいさつされたら、なんと答えるか。作家の塩野七生さんは外国人が集まるシンポジウムで会場に問い掛けた、と随筆にある。返事はそろって「不幸にして」。日本では違う。「おかげさまで」。つまり「幸いにも」なのだと教えると、ほぼ全員が<口をポカンと開けたのでありました>▼アダムとイブが罰せられて楽園を追われたため、人は働かなければ生きていけなくなった。労働を避けたいものと捉える心性は、日本人と異なると説明したそうだ・・・・・▼労働への思いも変わろうとしているのだろうか。きょうは勤労感謝の日。働くことが曲がり角にある中での祝日だ。年を取っても働き続けるための改革が、進もうとしている。外国人労働者の受け入れ拡大の流れもある▼少子高齢化で変化は避けられないとすれば、厳しい望みではあるだろうが、外国からの人にせよ、わが国で「不幸にして」働く人が増えないことを願う。すでに、生きるために、やむなく働くお年寄りも多い▼「お忙しいですか」という声に、笑って返事ができる世の中がいい。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2018112302000120.html



(声)「いっそ寝たきりなら」と言われ(2018/11/22朝日新聞) 無職 村松ひろみ(新潟県 57)
 「この国は『生きて』いるのか」(8日)に共感しました。私の母は3年前にグループホームに入所しましたが、転倒して入院。退院後は退所を求められ、ショートステイでつなぎながら次の施設を探しました。
 環境の変化で母の認知症が進む一方だったある日、ショートステイからも退所を言い渡されました。母が勝手に立ち上がるので転倒の恐れがあり、責任を持てないとのことでした。とにかく謝り、「人手が少なくなる夕方から就寝までは私が付き添いますから、いさせてほしい」とお願いし、了承されました。
 こんな形でしか置いてもらえないなんて。みじめで悔しくて、母の手を握りながら何度も涙をこぼしました。複数の特養に申し込んでいましたが、空きは出ず、「いっそ寝たきりなら」との言葉まで。
 立ち上がれる。支えてもらえば歩ける。残っている機能が仇(あだ)になるなんて。介護を最も必要としている人が入れないのがこの国の施設の現実です。一度入所したら最期まで心穏やかに過ごせるようなシステムを国は作ってほしい。この思いをだれにぶつければいいのでしょう。
 母は昨年亡くなりました。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13779546.html?ref=pcviewpage



(ザ・コラム)入管法改正の足元で 血の通う政策だってある 秋山訓子(2018/11/22朝日新聞)
 ただいま審議まっさかりの、日本に外国人労働者を呼び込むための出入国管理法改正案。人を人として見ていないというか、労働力の調整財源のコマのように扱っているように思える。その足元で検討が進む小さな政策のことを紹介したい。日本語教育が必要な高校生に寄り添う支援策だ。外国人労働者が増えれば、いずれどんどんニーズの増す政策である。

 海老原周子(しゅうこ)さん(36)は中1の時に父の赴任でロンドンに渡り、インターナショナルスクールに入った。「英語で言えたのはイエス、ノー、サンキューだけ」。誰ともしゃべれないつらい時期を1年ほど過ごした後で、好きだった絵を通じてユーゴスラビア出身の友達が出来た。「そこから世界が広がって」学校がぐんと楽しくなった。
 高校生で帰国し、大学卒業後、民間企業を経て国連機関である国際移住機関(IOM)の日本職員に。政府の施策の事務局などをするなかで感じたのは「私は本当に現場を知らない」ことだった。
・・・ 絵や映像を使った外国人の青少年向けのワークショップやイベントを始め、2011年に退職した。アートを通じた居場所作りだ。高校生や中退者、高校卒業生が多く集まり、彼らへの支援が圧倒的に足りないとわかってきた。「小中学生へのケアが十分なわけではないが、高校生にはもっと足りない。将来の進路を考える時に学校の先生に相談できず、親もわからず、友達も少ない。進学や就職をしたくてもお金も情報もない」。学びたい、正規で働きたいという熱意があるのにバイト生活になり、抜け出せずにやる気を失う例を多く見てきた。
・・・ 自分らしく生きる。そのためにはきっと、自分のことを親身に考えてくれる人や話を聞いてくれる人、居場所が必要だ。異国の地ではなおのことだろう。情緒的な言い方をすれば、人の顔が見えて血が通い、体温を感じる支援だ。それは、入管法改正案に欠けていると思われる点でもある。
 概算要求が通ったとしても、彼女の団体が事業を担うかどうかはわからない。もしそうなったら、現場に飛び込んだ彼女の力が改めて試される。現場の問題解決から仕組みへ。こんな政策もある。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13779536.html?ref=pcviewpage


posted by オダック at 17:04| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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