2019年05月11日

PICKUP NEWS

(声)自分らしく生きる、私には困難(2019/5/11朝日新聞) 無職 立野三恵(愛知県 50)
 人には様々な生き方がある。家は寝るだけでいい人、大勢で行動したい人、1人で過ごしたい人など。私はとにかく外で活動し、色々な人と触れ合いながら生活したかった。なぜ過去形かというと私は重度の身体障害者だからだ。

 自分で車の運転ができていたころ、ハローワークに150回以上は通った。1回に5社くらい連絡を取ってもらい、自分でも求人広告を見て電話で面接を頼んだ。問い合わせた企業は合計千社を下らない。そうこうしているうち次第に障害が悪化して車の運転や1人での歩行が困難になった。

 途方に暮れ、福祉関係者に相談すると「ヘルパーさんと外出したり家事を手伝ってもらったりしながらいろいろな情報を得ましょう」と言われた。しかし1人で外出できなくなって1年10カ月。ヘルパーも見つからないままだ。

 動けたうちは仕事探し、動けなくなったらヘルパー探しの毎日。障害があるということは「自分らしく」生きていけないということだと痛感している。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14009368.html?ref=pcviewpage



幼保無償化成立 保育士不足に拍車 懸念(2019/5/11東京新聞)
 十日に成立した幼児教育・保育を無償化する改正子ども・子育て支援法を巡っては、現場を支える保育士の処遇改善が十分進んでおらず、保育行政を担う自治体の負担が増すなど、多くの懸念が残されている。無償化がスタートする十月まで五カ月を切っており、準備が間に合わず混乱する可能性もある。 
 「保育士や幼稚園教諭のなり手不足で、現場が疲弊すれば、無償化どころか幼保を受けられない子どもが出てしまう」
 十日の参院本会議で反対討論に立った立憲民主党の牧山弘恵氏は、こう主張した。
 職員不足による保育所の閉園が各地で起きるなど、保育士数は需要に追いついていない。無償化で子どもを預けようとする人が増えれば、必要な職員も増え、人材の確保に一層苦しむ施設が増えると予想される。
 厚生労働省の調査によると、二〇一七年度の保育士の平均年間給与は三百四十二万円。全職種平均の四百九十一万円より、百五十万円近く低かった。牧山氏は「日々担う重責に対し、給料が安すぎる」と訴えた。
・・・ 昨年四月時点の待機児童数が、前年比百十人増と東京都内で最も増えた国分寺市の担当者は「無償化で待機児童が増えるのではないか」と懸念。無償化に必要なシステム改修も、同法成立を待っていたため、十月までに終わらない恐れがあるという。
 待機児童が都内最多で、認可外施設の利用者が多い世田谷区も、子育て中の人への制度の周知を急いでいる。担当者は「周知期間が短いので大変だ。無償化する以上、区民が利用する認可外施設の質をチェックする仕組みもつくらなければいけない」と話した。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201905/CK2019051102000129.html



命かかる判断 国に丸投げ 東海第二再稼働アンケート 知事権限は「最後の壁」(2019/5/11東京新聞)
 東海第二原発が再稼働すれば、周辺の自治体も茨城県と変わらないリスクにさらされる。だが、一都五県の知事に再稼働の是非を聞いた本紙アンケートからは、住民の暮らしと命にかかわる判断を国に丸投げする姿勢がにじんだ。 
 NPO法人原子力資料情報室の伴英幸共同代表は「東海第二で事故が起きれば、福島事故より大きい影響が出る可能性があるのに、人ごとのような回答ばかりで失望した」と嘆く。東京、千葉、群馬の三知事が国の責任で判断すべきだとしたことにも、「『原子力は国策』という言い訳が通用しないのは、福島の被害で明らかだ。そのことへの理解も反省もない」と批判した。
 再稼働を止める権限があると答えた知事もゼロ。知事の権限を巡っては、九州電力川内(せんだい)原発の再稼働反対を掲げて二〇一六年七月に初当選した鹿児島県の三反園訓(みたぞのさとし)知事が、当選後に「私に稼働させるか、させないかの権限はない」と態度を一変させ、物議を醸した。
・・・ アンケートに答えた知事のうち、神奈川県の黒岩祐治知事は「法的権限はない」としながらも、「原発に依存しすぎたエネルギー体系から脱する『脱原発』を加速させることが重要」とした。
 東京大大学院の金井利之教授(自治体行政学)は「知事には原子炉規制法での権限はないが、事業者と結んでいる安全協定に基づく法的・政治的責務や、地方自治法と災害対策基本法などによる法的権限はある」と説明。三反園知事らの「権限はなし」という発言について「狭い法的権限にすぎず、説明としては不十分だ」としながら、「負託された責務や権限を知事がどう使うのか、県民本位の判断になるよう、県民が監督していかなければならない」とした。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201905/CK2019051102000119.html



<社説>「幼保無償化」成立 制度設計の議論不十分だ(2019/5/11琉球新報)
 改正子ども・子育て支援法が与党などの賛成多数により参院本会議で可決、成立した。3〜5歳児の認可保育施設などの利用料を原則無償化することを柱とする。消費税率10%への引き上げに合わせ10月から無償化が始まる。
・・・ 無償化に要する費用は年間約7700億円に及ぶ。消費税率の引き上げで得られる税収増加分が財源だ。
 安倍政権はもともと、消費税の増収分を国の借金返済に充てると説明していたが、方針を転換した。消費税率の引き上げに対する反発を和らげる狙いも透けて見える。
 保育を巡る現状に目を向けると、希望しても認可保育所などに入れない待機児童が昨年4月時点で約2万人いた。保育の受け皿が不足しているのである。その解消こそ急がなければならない。
 背景にあるのは深刻な保育士不足だ。資格を持っていても保育園などで勤務していない「潜在保育士」は数十万人に上るという。
 保育士1人当たりの負担が重すぎることが背景にある。責任が重く、心身をすり減らす激務でありながら、それに見合うだけの賃金も支払われていない。実際、保育士の平均年収は全産業平均を大きく下回っているのが実情だ。
 膨大な国費を投入するのなら、まずは保育士の待遇改善のために充てるべきだ。具体的には保育所の人件費に特化した助成であり、配置基準の見直しである。保育士1人が担当する子どもの数を制度的に減らし、配置を手厚くすることだ。
・・・ 今回の幼保無償化は子どもの安全を確保するという点で不安がある。保育士の配置人数など、国が定める指導監督基準を満たさない認可外の施設も、経過措置として利用料補助の対象になるからだ。
 13〜17年に認可外で起きた死亡事故は認可施設の3倍近い。本来は淘汰されるべき劣悪な保育施設にまでお墨付きを与えることになりかねない。「質の低下に拍車がかかる」と野党が批判したのは当然だ。
 現行の制度では、保育所の利用料は所得に比例して高くなる。このため、一律無償化による経済的恩恵は高所得層ほど大きい。費用の大半は、高所得層が支払ってきた利用料の穴埋めに充てられる格好だ。格差の拡大を助長する恐れがある。・・・
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-916344.html



(声)強制不妊、無責任な「救済」では(2019/5/10朝日新聞) 鍼灸(しんきゅう)師 佐藤一(宮城県 70)
 私は小さな鍼灸院の3代目だ。初代の祖父と祖母は共に全盲だった。東北でもめずらしい入院施設を持った鍼灸院を経営し、遠方の各地から患者さんが訪れていた。自分が後継して、その偉大さを感じている。

 このたび、強制不妊救済法が成立した。旧優生保護法のもと不妊手術によって被害を受けた障害のある人らに一時金を一律支給するという。

 旧優生保護法は「不良な子孫の出生を防止する」とうたう。ナチス・ドイツの断種法を基とし、戦後の1948年にできた法律というのだから、二重に驚く。

 視覚障害者の祖父母が異なる時代に生まれ、旧優生保護法下で結婚していたとしたら、この手術を受けさせられていたかもしれない。孫の私はこの世に存在しなかっただろう。

 理不尽で非人道的国策だった。にもかかわらず、救済法の前文のおわびの主体は「我々」とあいまいで、国及び国会の責任逃れの法律になっている。一時金も、国家賠償請求訴訟で原告が支払いを求めている額のわずか1割の320万円。それすらも申請しなければ受け取れない。

 冷たく、無責任な国家を日本はいつまで続けるのだろうか。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14007831.html?ref=pcviewpage



ミャンマー、遅れた記者解放 国際世論で重い腰上げる(2019/5/9朝日新聞)
 実刑判決を受けて収監されていたロイター通信のミャンマー人記者2人が、大統領恩赦で釈放された。国際社会から「言論弾圧」との批判を浴びるなか、ミャンマー政府が事態の収拾策を探った結果とみられる。だが、2人が逮捕されてから1年半。裁判の過程では警察官が「事件はでっち上げだった」と証言しており、批判は当初からあった。なぜ対応は遅れたのか。
記者はなぜ逮捕された 民主化されたはずのミャンマーで
 2人はワローン記者(33)とチョーソーウー記者(28)。7日午前、ヤンゴン郊外のインセイン刑務所から釈放された。待ち受けた人たちに手を振り、ワローン氏は「ニュースルームに行くのが待ち遠しい」と述べて、記者の仕事を続ける意向を示した。
 2人が問われたのは、国家機密法違反罪だった。警官から極秘資料を受け取った行為をめぐって2017年12月に逮捕された。ミャンマーの少数派イスラム教徒ロヒンギャの殺害に国軍がかかわった事件を取材中だった。
 裁判では警察側のおとり捜査だったという証言も出たが、昨年9月に一審で禁錮7年の実刑判決を受けた。高裁、最高裁に上訴したが、先月23日に最高裁で棄却されていた。
 この事件では、逮捕の直後から「当局による言論弾圧だ」との批判が国際社会で上がった。だが、政府を実質的に率いるアウンサンスーチー国家顧問は、一審判決後に「言論の自由の問題ではない。(2記者は)法律を犯したから逮捕された」と発言。政府も「司法には介入しない」として判決を事実上容認した。
 政府の消極的な対応の背景には、ロヒンギャ問題に対する国内世論が影響している。ミャンマーでは仏教徒が約9割を占め、ロヒンギャを擁護する声は少ない。2人の記者に対しても、ネット上では「判決は当然」「国を売り渡すような行動は許せない」といった書き込みがあった。政府が逮捕や判決を批判した場合、ロヒンギャ擁護と受け止められ、批判の矛先になってしまう恐れがあった。・・・
https://digital.asahi.com/articles/ASM574F1NM57UHBI01Q.html?iref=comtop_list_int_n03



(声)令和の「令」に思う軍国主義(2019/5/9朝日新聞) 無職 樫平卓雄(三重県 86)
 新元号が令和と知った時、とっさに召集令状を連想した。いわゆる赤紙である。それは軍隊へ入隊すべく、命令調で書かれていた。「令」には絶対服従だった。

 日中戦争の始まった1937年ごろから、成人男子のいる家に赤紙がよく届くようになったと記憶している。地域の人々は出征兵士を送るために大人も子供も集合した。家庭を守る主婦はかっぽう着の上に「大日本国防婦人会」のたすきをかけた。そして、氏神様へ参拝し、万歳三唱し見送ったものだ。

 41年、東条内閣が誕生するとまもなく大東亜戦争が始まった。戦況が不利になり、敵機の空襲が続く。私とほぼ同い年の上皇は、東京から田舎へ疎開された。小学生の年齢ながら、国民と同様のご苦労を体験なさっている。

 45年8月、広島と長崎に原爆が投下され、無条件降伏。軍国主義日本は壊滅した。

 私にとって、「令」とは命令であり、軍国主義のイメージが体にしみこんでいる。願わくば、平成に続く令和が、本物の平和を実現するために、国民一体となって努力する時代となってほしいものだ。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14006407.html?ref=pcviewpage



<金口木舌>権力はうそをつく(2019/5/9琉球新報)
 中国東北部の満州・奉天で南満州鉄道の線路が爆破された。日本軍は中国側の仕業だとして出兵し、満州事変が始まる。1931年の柳条湖事件だ
▼新聞各紙は中国側の兵士が線路を爆破し、日本兵を襲撃したため応戦したと報じた。続報では中国側の「密命書」が見つかったと爆破を裏付ける「証拠」も掲げ、各紙は中国側を非難する論陣を展開した
今ではわれわれはあの事件が関東軍の自作自演だったことを知っている。だが昔話で済ませられるか。権力のうそで始まる戦争は最近も起きている。大量破壊兵器を持っているとして米国がイラクを攻撃したのは2003年だ
▼イラク戦争の開戦理由となった大量破壊兵器の保有は後に捏造(ねつぞう)だと明らかになった。開戦前からニューヨーク・タイムズなどのメディアはそろって政府のうそをたれ流した。唯一、新聞社のナイト・リッダーを除いては
▼大手と正反対の記事を書いて逆にうそつき呼ばわりされる。同社の記者の奮闘を描いた映画「記者たち―衝撃と畏怖の真実」が公開中だ。沖縄でも桜坂劇場で6月に上映される
▼翻って記者である私たちはどうだろうか。菅義偉官房長官会見で質問を重ねるが、答えを引き出せているか。チームを率いたジョン・ウォルコット氏の言葉がよぎる。「政府が何か言ったら、記者として必ずこう問え。“それは真実か”と」
https://ryukyushimpo.jp/column/entry-915037.html



知事訪米 通訳に課題 前回、専門家不在で誤訳も(2019/5/9琉球新報)
 玉城デニー知事が米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設中止を訴えるため、訪米に向けて日程を調整している。辺野古埋め立てへの反対票が、有権者の4分の1(28万8398票)を超え7割に達した県民投票は、県民投票条例の規定により、玉城知事は安倍晋三首相とトランプ米大統領に投票結果を通知することになっており、米政府高官に直接面談して沖縄の民意を伝える考えだ。米政府や米国内の世論に訴えるには英語が必須だが、過去の訪米時には専門の通訳を付けなかったために不備が指摘されるなど課題も残る。
・・・ 就任1カ月余りの2018年11月。沖縄県知事として初の“外交デビュー”となった訪米では、米政府関係者や議員と面談したほか、ニューヨーク大学で講演し辺野古新基地建設の問題点などを説明した。辺野古新基地建設阻止に向け、軟弱地盤や活断層など新たに判明した建設予定区域の問題のほか、サンゴやジュゴンの餌となる海草の移植などが実施されていないことなどについて論点を整理しながら明示した。質疑応答にも応じたが、県の通訳担当者の誤訳が目立った。
 例えば、玉城知事が新基地建設ついて「今の計画の全体像が明らかになっていない」という発言を訳さなかったほか、「防衛省の計画そのものが間違っているということを指摘できても、それを止めさせる手段がない」との知事発言を「どのように彼らが貴重な動物を守っているか調べる方法はありません」と誤訳した。 
 「多くの専門家や団体からジュゴンを含めた環境保護に対するさまざまな指摘が出ている」との知事の発言は「多くの」を「Some(何人かの)」と英訳。「海底には軟弱な地盤があって、しかもその軟弱地盤の下には活断層があるという問題が明らかになった」と工事の問題点を指摘した玉城知事の発言については「沖縄県には多くの問題がある」と、沖縄側に問題があるかのような印象を持たせるなど、訳が抜け落ちたり、意味の異なる訳をしたりする場面があった。
・・・ 前回の訪米の講演時には聴衆から「知事の素晴らしい講演や質疑応答を的確に伝えるには、沖縄のことをしっかり理解したネーティブ(現地の人)に近い通訳が必要だ」との声が上がった。・・・
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-915043.html



【社会】<新たな時代に>(下)核の怖さ 想像する力を 元高校生平和大使・中村涼香さん(2019/5/8東京新聞)
 正直言うと、海外に行きたいと思い「高校生平和大使」に応募しました。活動を支援する大人のかたからは「動機はどうあれ、続けていれば本物になる」と。活動を通じ社会との接点を持つようになり、戦争と平和、核の問題をより自分に引き付けて考えるようになりました。
 長崎の学校に通っていたので、小さい頃から被爆者の話を聞いて育ちました。でも、原爆投下直後に爆心地周辺に入った自分の祖母から直接聞いたことはなく、平和大使として祖母の話を伝えたいと思って被爆体験を初めて聞きました。
 昨年三月、オスロを訪れました。被爆者から聞いた悲惨な体験を外国の人にいかに伝え、どうしたらリアリティーを持って核兵器が危険だと分かってもらえるか。大きな課題でした。
 意外だったのは、私の祖母が被爆者であるという事実を知ったノルウェーの人たちが、被爆や核の問題を身近に感じてくれたこと。「おばあちゃんが被爆者」というのは、ノルウェーの学生には衝撃的だったみたい。「そんなに近くにいる人が実際、核の被害に遭っているのか」と。
 そんな反応を目の当たりにして、自分には果たすべき役割が与えられているんだなと実感できました。そして、これからも「伝えていかなくてはならない」と思った。
・・・ 新しい時代には、人間のモラルがますます強く問われると思います。私は核兵器がいいものだと思ったことは一度もありませんが県外の高校生と交流し始めると「核兵器は必要」との意見を聞くようになりました。
 同じ日本人なのに、そう思っている人がいるんだ、自分は狭い世界に生きてきたのでは…。ものすごい衝撃が走りました。被爆者が生涯懸けて伝えてきた被爆体験が広がっていない、被爆国の中でも十分に継承されていないと痛感しました。
 原爆の被害の大きさを分かっていない人が多いのでは。戦争を経験していない世代、特に昭和という時代を遠く感じる若い人たちに、被害を想像する力が欠けているのでは。映画やゲームには暴力的なシーンが多く、現実との境目が分からなくなっているのかもしれません。
 ノルウェーを訪れ、重要なことを学びました。核兵器禁止条約を巡り、米国との同盟関係を重視するノルウェー政府は条約に賛同していませんが、オスロ市は支持しています。
 政府の政策とは意見が違っても、市民一人一人が、起きるかもしれない核被害を想像し、問題の重大さを深く考えている。そんな柔軟な姿勢が新しい時代の日本にもあればいいのですが。・・・
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201905/CK2019050802000135.html



<社説>安倍首相の改憲姿勢 憲法軽視の弊害もたらす(2019/5/8琉球新報)
 安倍晋三首相は3日に公開したビデオメッセージで、憲法9条への自衛隊明記を軸とした改憲に意欲を示し、2020年施行の目標も堅持していると明言した。しかし、国民の中に改憲を求める声は高まっていない。改憲自体が目的になった政権と与党自民党の、乱暴な手続きや発言が目に付くだけだ。

 自民党は18年3月に(1)9条への自衛隊明記(2)緊急事態条項の新設(3)参院選「合区」解消(4)教育無償化・充実強化―の改憲4項目をまとめた。
 このうち参院選の合区解消は、二つの県にまたがって一つの選挙区とする「合区」を改めるものだが、選挙制度の議論であり憲法のテーマとして唐突感が否めない。合区の解消は1票の格差を是認するものだ。国民の権利に関わる重大な問題であるにもかかわらず議論が不足している。
 教育の充実強化については憲法ではなく教育基本法など関連法で十分に対応が可能な内容だ。
 自衛隊を憲法9条に明記することと、緊急時に国民の権利を制限できる「緊急事態条項」を憲法に加えることにこそ真の狙いがある。聞こえのいい教育無償化を付け焼き刃で盛り込み、安倍首相が悲願とする改憲のハードルを下げる思惑ばかりがちらつく。
 自民党の萩生田光一幹事長代行は4月にインターネットテレビ番組に出演した際、今通常国会で一度も開催されていない衆参両院憲法審査会の運営を巡り「新しい時代(令和)になったら、少しワイルドな憲法審査を進めていかないといけない」と発言した。野党の批判で陳謝に追い込まれたが、改正憲法施行に躍起な自民党の本音が表れている。
 それまでの自民党の改憲草案は「自衛軍」の創設や、前文に「国や社会を自ら守る責務」をうたうなど、公益重視の内容だった。国家権力を縛るべき憲法を、国民の権利を制限する方向へと変えていこうというのが首相や自民党が本来持っている憲法観だ。
・・・ 14年6月にさいたま市で、憲法9条を守ろうというデモを題材にした俳句が、「公平性、中立性を害する」との理由で公民館だよりへの掲載を拒否された。作者への賠償を市に命じる判決が昨年12月に確定した。
 憲法を尊重する義務のある公務員が、憲法を守ろうという内容の表現に「政治的」とレッテルを貼り、排除することは異常というほかない。安倍政権の改憲姿勢が憲法軽視の風潮を生んでいるのではないか。政権がもたらした弊害と言っていい。・・・
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-914456.html



(声)平成から令和へ、熱狂に違和感(2019/5/6朝日新聞) 無職 田中桂一(福岡県 72)
 平成から令和へと移りゆく数日間、私は新聞からもテレビからも離れていた。どこか言いようの無い違和感を覚えたからである。日本は、憲法で規定された国民主権の国であり、天皇を中心とする神の国ではない。その原則を忘れたかのような報道と熱狂が連日、続いていた。

 特に、神道の儀礼による神事は天皇家の私的な宗教行事であり、国家の公式な行事ではないはずである。その境目をあいまいにした報道が、NHKを始めとする各メディアによってなされていたと思う。だが、天皇を神格化することの弊害と危険性は、昭和の戦争を経て、多くの国民の犠牲のもとに学んだはずだ。

 天皇は日本国の象徴、日本国民統合の象徴であり、その地位は、主権者である日本国民の総意に基づくと憲法1条に明記されている。しかし、天皇制は制度的に疲弊していて、天皇家の人々も、その歴史的重圧に追い詰められているのではないだろうか。残念ながら、その真相に迫ろうとする冷静な視点は伝えられていない。

 天皇制の将来を見据え、時代に即したものに変えていくのも主権者たる国民の責務だと思う。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14003178.html?ref=pcviewpage



<社説>海兵隊グアム移転 辺野古新基地は必要ない(2019/5/6琉球新報)
 在沖米海兵隊の米領グアムへの移転が2024年秋にも始まる。米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設に必然性がないことを示すものだと言える。

 日米両政府は12年4月、在沖海兵隊約9千人を国外に移転しグアムなどに分散する在日米軍再編見直しに合意した。06年の合意ではグアムに在沖海兵隊の司令部を移す計画だったが、12年の見直しで司令部を沖縄に残し、在沖海兵隊の主力歩兵部隊である第4連隊をグアムに移すことに変更された経緯がある。
 米の軍事専門家は従来から中国のミサイル射程内にある沖縄の米軍基地の「脆(ぜい)弱(じゃく)性」に懸念を示していた。国防予算削減の動きもあり、米政府が中国を過度に刺激せずに周辺同盟国との連携を強化して遠巻きににらみを利かす戦略に変化した背景もある。
 沖縄の海兵隊がハワイやフィリピン、オーストラリアなども含めたアジア太平洋各地域への分散配置を進めているのはその表れだ。主力の実戦部隊がグアムに移転するのなら、海兵隊の航空基地である普天間飛行場の代わりの基地を沖縄に造る必然性に乏しいことも明らかだろう。
 米軍再編後に沖縄に残る海兵隊の緊急展開用実戦部隊は2千人程度とみられている。これでは大規模紛争への対応は困難だ。さらに実戦部隊は1年の半分以上、沖縄を留守にして東南アジアなどを訓練で巡回しているという。
 ミサイル戦争の時代、仮に朝鮮半島や東シナ海で紛争が起きても最初に対処に当たるのは空軍や海軍だという指摘もある。日本政府はこれまで沖縄の地理的優位性と在沖米海兵隊の抑止力などを強調し、辺野古への新基地建設が普天間飛行場返還の唯一の選択肢だと繰り返してきたが、虚構に基づく「優位性」や「抑止力」の説明はもう限界だ。
 辺野古の新基地建設は現在、埋め立て予定海域にある軟弱地盤の問題で完成が見通せない状況だ。県の試算によると総工費は最大2兆6500億円に膨らみ、完成に13年かかる。これでは、政府も「世界一危険」だと認める普天間飛行場の返還がさらに遅れてしまう。昨秋の知事選や今年2月の県民投票など何度となく示された新基地反対の民意を持ち出すまでもなく、道理の通らない事業なのである。
 グアム移転について米軍は25米会計年度の前半(24年10月〜25年3月)に移転を始め、約1年半で完了させる方針だという。日米はグアム移転を普天間飛行場の辺野古移設の進展とは切り離して進めることにも合意しているが、菅義偉官房長官は昨年10月、両者は「結果的にリンクしている」と発言している。
 沖縄基地負担軽減担当相も兼ねているはずの菅氏の認識は全く理解できないが、グアム移転を早期に完了させるという米側の方針について、少なくとも自身の発言との整合性を説明すべきだろう。
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-913707.html


posted by オダック at 16:43| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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