2019年07月15日

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香港の行政長官が辞任申し出か 複数回、中国政府が拒否(2019/7/15朝日新聞)
 香港の「逃亡犯条例」改正案をめぐる抗議が続いている問題で、英フィナンシャル・タイムズは14日、香港政府の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官がこの数週間で複数回にわたり辞任を申し出たが、中国政府が拒否したと報じた。
 やりとりを直接知りうる複数の消息筋の話として伝えた。中国政府は林鄭氏に「長官にとどまり、自分が生み出した混乱を片付けなければならない」と伝えたとの情報もあるという。
 香港の行政長官は中国政府の承認がなければ、辞任できない。
https://digital.asahi.com/articles/ASM7G76MDM7GUHBI01S.html?iref=comtop_list_int_n01



【社説】海の日に考える 海は広いし、大きいが(2019/7/15東京新聞)
 母なる海の包容力を感じる季節。だがいつまでも甘えて奪うばかりでは−。母親にも我慢の限度がある。身も心も疲れ果て、堪忍袋の緒が切れる。 
 水俣病特措法の成立から、七月八日で十年になりました。
 公害健康被害補償法に基づく水俣病患者とは認定せずに、わずかな一時金などを支給することで「被害者」として“救済”し、事件の収束を図ろうという、特別な措置を定めた法律です。
◆今もなお事件は続く
 水俣病。熊本県水俣市のチッソ水俣工場から不知火海に廃水として流されたメチル水銀の影響で、魚を食べた住民に現れた手足のしびれや視野狭窄(きょうさく)などの脳障害。一九五六年五月一日、チッソ付属病院の院長が保健所に届け出て「公式確認」されました。
 公式確認。何とおかしな言葉でしょう。多くの住民がそのずっと以前から、症状を訴えていたにもかかわらず−。
 公式に確認されたあとも長らく、国や県は漁獲禁止や排水停止の措置を怠りました。
 廃水の毒は、妊娠中の母親の胎内にまで及び、生まれながらの胎児性患者は一生、重すぎる障害を背負わされることになりました。ゆえに「水俣事件」です。
 特措法の制定で約三万八千人の被害者が、一応は救済を受けられることになりました。ところが、一万人近い人々が依然対象外とされ、裁判闘争も続いています。潜在患者は五十万人ともいわれています。水俣事件は続いています。
 毎年その五月一日が近づくと、事件の「語り部」として知られ、二〇〇八年に亡くなったシロゴ(カタクチイワシの幼魚)漁師の杉本栄子さんの言葉が、思い出されてなりません。子育ての時期に約十年間、床に就いたままだったこともあるという水俣病患者です。
◆海は両親、海は恋人
 前世紀の終わりごろ、茂道(もどう)という集落にある杉本さんのお宅を訪ねたことがありました。
 お昼時、杉本さんはその朝捕れたタチウオを台所で刺し身に造り、缶ビールと一緒に勧めてくれました。
 かみしめながら、お話を伺いました。
 「私には、海がお父さんだし、お母さんだし、恋人なんよ。人がしたことを海にかぶせたり、魚にかぶせたり…。そげんこつ、できるわけがなかとです」
 窓外に広がる海に視線を向けて、杉本さんはしばしば声を震わせました。
 胎児性水俣病を立証し、潜在患者の発掘に取り組んだ医師の原田正純さんは、水俣病患者の証言を記録した「魚湧(いおわ)く海」の巻頭に書いています。
 <海に生き、海に生かされ、海を愛(いとお)しんだ人たちの語りはやさしいのです。この人たちにとって海は母親の胎内を想(おも)い起こさせるようなのでしょう>
 その海をだれが「苦海」に変えたのでしょう。
 「当時の化学工業技術者の感覚としては、海水の希釈効果は無限。有害物質を流しても大丈夫という考え方が一般的だった」
 公害研究の第一人者だった宇井純さんの言葉も忘れられません。
 高度経済成長前夜のチッソだけではありません。今、私たちは、どうなのか−。
 プラスチックごみによる海の汚染は今や、温暖化と並ぶ地球環境の大問題。一年に少なくとも八百万トンのプラごみが陸から海に流れています。私たちの暮らしの中から出るごみです。
 海に入ったプラごみは、希釈どころか分解されず、千年先まで海中を漂い続けるともいわれます。
 「五〇年までに海洋中に存在するプラスチックの総重量が、魚のそれを超過する」
 三年前のダボス会議で報告された試算結果も衝撃でした。
 その時、海や海の生き物や人体に、どんな影響が及ぶのか。想像もつきません。
 しかし、私たちは今もなお、母なる海への甘えをやめず、母なる海を傷つけている−。それだけは確かです。
◆堪忍袋の緒は切れる
 福島第一原発事故で放出された放射性セシウムが、時計回りに太平洋をひと巡りして、一年で日本近海に戻って来たそうです。
 マグロ、ウナギ、スルメイカ…。漁業資源の枯渇が心配されています。
 「海だって巨大なバケツのようなもの。ひたすらむさぼり続けていれば、いつかはからっぽになるはずさ」
 大手水産会社幹部の口癖は、何やら予言めいています。
 海は広いし、大きいけれど、無限大ではありません。甘えにも限度があるということです。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019071502000133.html



【暮らし】<研究者目指したけれど…大学非常勤講師らの嘆き> (下)4校掛け持ち、年収200万弱(2019/7/15東京新聞)
 きょうはこの学校、明日はあの学校…。岐阜大や私立大、短大、専門学校の計四校で非常勤講師を務める天池洋介さん(39)の一週間は忙しい。給与は講義をいくつ受け持つかで決まる。対価は一コマ九十分当たり約一万円。本年度は前期は週六コマ、後期は五コマを担当するが、困るのは講義のない春休みや夏休みだ。収入がなくなるため、年収は二百万円に届かない。
 自宅での授業準備やリポートの添削、テスト作りなどへの手当はない。専任教員になるには、論文を発表するなど研究業績を残していくことが重要だが、本の購入や学会に出るための交通費は自腹。もちろん、健康保険や厚生年金などの社会保険はない。生活は苦しい。「一日一食でしのいだり、見かねた知人が送ってくれた米を食べたり」。白菜を丸ごと買って漬物を作っては、おかずにする。「コンビニ弁当なんて高くて手が出ない」と話す。
 次年度の契約について大学側から打診があるのは、毎年秋ごろだ。「次も仕事をもらえるかどうか、その時期はいつも不安」。しっかり契約を交わすのは新学期の講義が始まる直前、四月に入ってからだ。
 大学を卒業したのはバブル崩壊後の景気低迷期に当たる二〇〇二年。一度は企業に就職したが、勤務は一日十二時間、昼食を取れないほど忙しく、体調を崩して退職した。転職しようにも就職氷河期で、あるのは非正規の仕事ばかり。福祉政策や就労支援を学んで社会を変えたいと心機一転、〇八年に名古屋大大学院に入学。奨学金四百五十万円を借りて博士課程まで進んだ。
 非常勤として働く今、岐阜大では労働組合に入れたが、私立大では「非常勤講師の加入は規約で認められない」として加入できなかった。「非常勤講師の立場は、すごく弱い」。結婚もしたいけれど「こんな不安定な立場では無理」と嘆く。
・・・ 文部科学省によると、大学院博士課程の修了者は重点化策以前の八九年度は五千五百七十六人。ところが、昨年度は一万五千六百五十八人と三倍近くに増加。それと比例して増えたのが、所属する大学を持たず、非常勤講師などを掛け持ちしながら働く人の数だ。八九年度は一万五千六百八十九人だったが、二〇一六年度は九万三千百四十五人と六倍に増えた。
 今はフリーの文筆業で生計を立てる舞田敏彦さん(43)=神奈川県横須賀市=も、非常勤講師として働き続けた一人。〇五年から五校の私立大で非常勤講師を務めてきたが、四十歳になった三年前の秋、雇い止めにあった。「若い人に職を譲ってほしい」と学科長らに言われたという。
 教育学の博士号を持ち、これまで四十校以上の正規教員の職に応募してきた。学生減少で大学の経営は厳しさを増す。「非常勤講師は使い捨てにされやすい。人件費を抑えるための調整弁になっている」と話す。
 就職先の見込みもないまま、国の重点化策で大学院にいざなわれた若者たち。社会に広がる正規と非正規の処遇の違いは、学問の世界も同じだ。今後ますます高齢化する彼らをどう生かすか、本気で考えるべき時が来ている。
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/201907/CK2019071502000170.html



【社説】週のはじめに考える ステルスなる世の中よ(2019/7/14東京新聞)
 ステルスとは「隠密」の意です。主に軍用機がレーダーに捕捉されにくくする技術です。でも、世の中も何やらステルス化しているような気が…。
 ある情報を消そうとすると、かえって拡散を招いてしまう−。こんな現象は「ストライサンド効果」と呼ばれています。インターネット世界での用語です。
 言葉の由来は、米国の女性歌手バーブラ・ストライサンドさん。一九七〇年代に「追憶」の曲が大ヒットしました。女優でもアカデミー賞を受けた超有名人です。
 彼女はカリフォルニア州の海岸線を撮影した膨大な航空写真のデータベースに自分の邸宅が写っているのを知りました。
◆地上イージスの狙いは
 無断で家屋を撮影したのは、プライバシーの侵害にあたるとして訴訟を起こしたのです。二〇〇三年のことです。確かにストライサンドさんの邸宅は、ロサンゼルス郡西部の海辺にありました。
 ただ、一万二千枚に及ぶ写真は、過去の写真と比べて、海岸の浸食度合いを研究するのが目的でした。政府の公認でもあり、彼女の訴えは退けられました。問題はその後に起きました。
 画像の公開を差し止めようとした訴訟がニュースで報じられると、かえって世間の関心を集めてしまい、豪邸写真に無数のアクセスを呼んだのです。つまり、誰にも気付かれないはずだったのに、隠密化を図ることで、かえって「ここに秘密情報がある」と教えることがあるのです。
 それを想起させるケースがありました。例えば秋田への「イージス・アショア」の配備計画です。陸上に置く迎撃ミサイルシステムです。他の候補地では山が邪魔になるという防衛省の説明が一転し、何たることか山の仰角の測定ミスでした。それでも秋田という地名にこだわります。なぜ?
◆GDPもかさ上げか?
 地球儀で北朝鮮と秋田を結ぶと、その先にはハワイが…。米軍基地のある島です。もう一基は山口・萩ですが、こちらもグアムにつながります。つまり日本全土の防衛といいつつ、実はハワイとグアムの米軍基地の前線防衛なのでは…、そんな疑念が湧きます。
 超音速が出るミサイルを撃ち落とすには、その軌道上が最も適切な場所です。日本全土を守るためには、軌道の斜め横からの迎撃になり、理屈の上では技術的に難しくなるはずです。
 総額六千億円以上もの税金をかけて、主眼は米軍基地の守りなのでしょうか? かえって日本が狙われやすくなるという指摘もあります。真実を隠すステルス化が感じられます。
 もう一例、数字のマジックです。毎月勤労統計の統計不正だけではありません。二月の衆院予算委員会では「国内総生産(GDP)のかさ上げ疑惑」が飛び出しました。現政権となり、五十三件の統計手法を見直しました。
 そのうち三十八件がGDPに影響し、押し上げ効果を発揮するそうです。基幹統計ばかりです。ひょっとして「GDP六百兆円」の掛け声に合わせる目的だったのでしょうか?
 「国際基準に合わせた」との政府説明でしたが、「説明のつかない『その他』の要因でGDPがかさ上げされている」と野党から追及されました。すると予算委員会は長期間、開かれぬままになりました。論戦の場を閉じる究極のステルス化かもしれません。
 奇妙な「修正エンゲル係数」もありました。貧しい家庭ほど食費支出の割合が多いという有名な係数ですが、修正版では「係数は上がっていない」との結論。でも、物価変動の影響を除去した数字でした。そんな修正に意味があるの?
 言葉のステルス化も進んでいます。「就職氷河期世代」を「人生再設計第一世代」へ。「非正規」は「フルタイムで働いていない方」だと…。新手の言い換えは、「非正規をなくす」の掛け声のせいではないのですか?
 さて、とんでもないニュースが米国から入りました。先月に米国のオンライン軍事紙ディフェンス・ニュースが「最新鋭ステルス戦闘機F35には、十三もの重大な欠陥がある」と報道したのです。
 その中には驚くべきことに、F35が超音速飛行が可能なのは短時間で、制限時間を超えると機体が損傷し、ステルス性の機能を喪失する可能性があると…。
◆戦闘機の「見える」欠陥
 ステルス戦闘機が「ステルス」でなくなるとは! 見えては欠陥です。「隠密」に意味があるのですから。トランプ大統領のトップセールスで百五機を爆買いする日本。購入費は安く見積もっても一兆二千億円だそうですが、「見える戦闘機」なら大幅なディスカウントをしてもらわないと。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019071402000161.html



【神奈川】<参院選 現場から>(3)米軍基地 住民の苦悩はいつまで(2019/7/14東京新聞)
 「住民はいつまで苦しい思いをしなければならないのか」。大和市と綾瀬市にまたがる米軍厚木基地のフェンス越しに滑走路の方向を見つめ、近くに住む石郷岡忠男さん(75)が語った。
 長年、基地周辺の住民を悩ませる航空機の騒音。石郷岡さんは、騒音解消に取り組む厚木基地爆音防止期成同盟の六代目委員長を務める。約千八百人が名を連ねる同盟は、来年九月で発足六十年。「こんな住民運動が六十年近く続いていること自体おかしい。とっくに国によって解決が図られていていいはずなのに」と無念そうに話す。
 旧日本海軍が使用していた厚木基地は、終戦後に米軍が接収。一九五五年ごろから航空機が配備され、七一年に日米共同使用になった。騒音が激化したのは七三年。米空母が横須賀基地(横須賀市)を事実上の母港にし、入港のたびに艦載機が訓練などで飛来するようになった。
 その艦載機は、在日米軍再編で約六十機が昨年三月までに岩国基地(山口県)へ移駐。主にジェット戦闘機が巻き起こす一〇〇デシベル(電車のガード下に相当)以上の騒音は九割以上減った。
 ただ、米軍ヘリや自衛隊機による七〇デシベル(掃除機と同程度)〜九〇デシベル(パチンコ店内並)台の騒音は二割も減っていない。石郷岡さんは「大きな音に苦しめられる状況に変わりはない。国は騒音が減ったとアピールしたいのだろうが、抜本的な改善には至っていない」と苦言を呈す。
 JR相模原駅(相模原市)の北に広がる米軍相模総合補給廠では昨年十月、市民が求める全面返還に水を差す動きがあった。国内三つのミサイル防衛部隊を指揮する新司令部が突如、置かれた。市民団体「相模補給廠監視団」の沢田政司代表(67)は「基地を存続させるための理由付けで、返還の動きをけん制する意味合いが強いのでは」とみる。
・・・ 基地返還を促す市民協議会の一員として毎年、国に要請してきた石井さんは「こんなにお願いしても通じず歯がゆい」とため息交じりに話す。神奈川は沖縄に次ぐ基地県といわれるのに、参院選で言及する候補者は少ない。石井さんは「広大な基地が地域の発展を阻害してきた。基地と隣り合わせの住民の苦悩に寄り添ってほしい」と願っている。 
https://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/201907/CK2019071402000141.html


posted by オダック at 20:27| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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