2019年07月28日

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(声)「平和」を叫ぶ、庭の蛙も私も(2019/7/28朝日新聞) 雑誌記者 上遠野充(千葉県 60)
 参院選も終わり、8月15日が近づいてきた。74回目の終戦の日だ。

 さて、選挙期間中、例年にない長梅雨のせいか、わが家の庭の蛙(かわず)が元気に騒いでいた。小さな畑で除草剤も使用せず、無農薬で野菜を栽培している。

 今回、自公維で改憲発議に必要な3分の2以上の議席を獲得できなかったことは救いであった。安倍晋三首相は「憲法改正原案に向けた議論を呼びかけたい」と述べ、執念は衰えていない。

 自公連立政権は憲法解釈を閣議で変更し、安保法制を整備。特定秘密法や「共謀罪」法を強行採決した。このうえ、憲法改正手続きを定めた96条が改正され、発議要件が緩められたら大変だ。

 私は祖母の代からの創価学会員だが、今回は公明党に一票を投じられなかった。与党は国会で、国民が納得するまで論議をしてほしい。強引な政治手法は無農薬の田畑に農薬をばらまくのと同じで、蛙は死ぬ。私はわが庭の蛙のように、原点は平和主義にあり、「改憲NO!」と叫び続ける。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14116743.html?ref=pcviewpage



(声)当事者の2人、国会に新風を(2019/7/28朝日新聞) 無職 奥屋平(宮崎県 74)
 山本太郎氏が率いる政治団体「れいわ新選組」が参院選比例区で2議席を獲得した。当選したのは筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の舩後(ふなご)靖彦さんと、脳性まひで重度障害のある木村英子さんである。

 結果を知ってまず思ったのは、国会内外でのハードな議員活動を2人がどこまでこなせるのだろうか、活動をサポートする健常者の議員が必要ではなかったかということだ。

 しかし、すぐ思い直した。当事者の議員がいてこそ、その議員活動を成立させるための環境整備がなされると思うからだ。

 国会を私たちの住む街、地域の縮図と考えてみる。ノーマライゼーションが言われて久しいが、インフラ整備も心のバリアフリーも、叫ばれるほどには進んでいない。国会がハード、ソフト両面において障害者の方々に優しい環境づくりをすすめるいい契機かもしれない。

 老後に2千万円が不足するという問題もしかり。年金問題が国会議員にとっての「我が事」であれば、もっと国民目線の活発な論議がなされたのではないだろうか。

 「れいわ」のお二人には国会のあり方に新風を吹き込んでほしい。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14116742.html?ref=pcviewpage



(声)尊い贈り物、子々孫々伝えたい(2019/7/28朝日新聞) 無職 山内孝子(愛知県 88)
 わが国が始めた世界史上空前絶後の、悲惨で、愚劣な戦争の顛末(てんまつ)を、生き残りの私たちはもっと声を大にして語り継ぐべきだった。

 私たちが選んだ「選良」と呼ばれる人々が、私たちを再び奈落の底に陥れるのではないか。そんな不安が脳裏をかすめるとき、後悔の念に駆り立てられる。

 少女時代、私たちは学徒動員令によって学業を捨てさせられ、「東洋一の兵器工場」と言われた豊川海軍工廠(こうしょう)(愛知県)で懸命に兵器増産に励んだ。終戦間近の1945年8月7日、工廠はB29の空襲によりわずか30分で廃墟(はいきょ)と化し、2500人以上の犠牲者を出した。今の中学生にあたる少年少女も含まれていた。

 私は奇跡的に生き延び、終戦を迎えた。死別の悲しみ、家族の病気。家も土地も失い、貧窮にさいなまれ、自死も考えた。この無謀な戦争で失われた命は310万人。この尊い犠牲によって、日本国憲法は得られた。長い長い戦争の犠牲となった人々の尊い贈り物である。

 私たちは二度と戦争の惨禍を繰り返すまいと恒久平和を誓った。子々孫々、この贈り物を大切に伝えていってほしいと願う。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14116741.html?ref=pcviewpage



【社説】週のはじめに考える 民意の「外」から見れば(2019/7/28東京新聞)
 見る場所によって、違うものに見える。そんな視覚トリックのアート作品がありますが、どう見えるかで、どこから見ているかが分かることもあります。
 先の参院選の結果は、安倍首相には、こう見えたようです。
 「少なくとも、(改憲の)議論は行うべきだ。それが国民の審判だ」
 あまつさえ、「この民意を正面から受け止めてほしい」と野党に呼びかけさえしました。
◆米紙「改憲の権限なし」
 根拠は、与党が「勝利」したから、でしょう。確かに、開票日翌日の朝刊各紙一面には、「与党が改選過半数」の大きな見出しが躍りました。
 しかし、もう一つの大見出しは「改憲勢力3分の2割れ」(小紙はそれが一番手)です。衆院に続いて、改憲勢力が三分の二以上を占め、国会での発議ができる勢力になるかどうかが最大の焦点でしたが、そうはなりませんでした。
・・・ 選挙区で、首相が率いる自民党は議席の五割以上を獲得しましたが、全有権者に占める絶対得票率は、18・9%にすぎません。しかも、前回参院選から2ポイント以上のダウン。第二次安倍政権発足後に行われた参院選三回、衆院選二回で、二割を切ったのは今回が初めてです。
 参院選後の共同通信の世論調査によれば、安倍政権下での改憲に「反対」との回答は56%、「賛成」の32・2%を大きく上回っています。
 また、安倍内閣が優先して取り組むべき課題を二つまで選んでもらった問いでも、「年金・医療・介護」や「景気や雇用など経済政策」が上位を占め、「改憲」は実に、九つの選択肢で最も低い6・9%にすぎなかったのです。
・・・ 「シンゾー・アベは勝利を宣言したが、改憲の権限はなし」。そう掲げた米紙の見出しの方が、よほど素直です。
◆選挙後に「3分の2」
 冒頭、見る場所によって見えるものが変わるアート作品のことを書きましたが、問題は、では、首相はどんな所から、この選挙結果を見ていたのかということです。
 キーワードは、恐らく「議論する」。
 思えば、首相は選挙中、率直に改憲したい、と訴えるより、「改憲を議論する政党・候補か、議論しない政党・候補か」と繰り返していました。仮に改憲勢力が三分の二を割っても、与党が勝ちさえすれば「議論は行うべきだ、が国民の審判」と主張できる−。そう平仄(ひょうそく)を合わせられるよう、周到に練った戦略的修辞だったことがうかがえます。
 要するに、選挙結果、三分の二がどうあれ、とにかく改憲に突き進む腹づもりだった。だとすれば、もはや首相の視座は選挙−首相の言葉を借りるなら「国民の審判」や「民意」の“外”にある、と考えるほかありません。
 実際、記者会見で首相はこうも言っています。「国民民主党の中には、議論すべきだという方々がたくさんいる」。今後、「議論する」を誘い水に、何人か(あるいは丸ごと)改憲勢力に取り込む戦略です。数議席足りなかった三分の二を、文字通り、選挙=民意の“外”で達成してしまおうというのですから、いうなれば、首相の目に「国民民主」は見えていても、「国民」は見えていないということになりましょう。
 そもそも、なぜ改憲しなければならないのでしょう。国民から強い要請があるわけではない、どころか、反対が多いのに。
 首相は九条に自衛隊を明記するという自民党案について、「それだけにとらわれず、与野党を超えて三分の二の賛同が得られる案を練る」とも言っています。さらに民放番組では、国会発議と国民投票を「私の任期中に何とか実現したい」と。
 なぜ国の大事をなすのに「私の任期中」なのか。もはや、なぜ改憲するのかという核心は溶融し、「どう改憲するか」ではなく、ただ「自分の手で改憲する」こと自体が目的になっているように聞こえなくもありません。
◆間違った立ち位置
 人々の多くが安倍政権に期待しているのは「改憲」、では決してありません。先にあげた世論調査で言えば、最下位の項目です。それが、最優先に見えているのだとしたら、やはり首相の立ち位置、見ている場所が間違っている。民意の“外”にいるからです。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019072802000132.html



<社説>重度障がい者の当選 共生社会を築く契機に(2019/7/28琉球新報)
 重い障がいのある国会議員が登場する。れいわ新選組から参院選に出馬し、初当選した船後靖彦氏(61)と木村英子氏(54)だ。

 船後氏は41歳で全身の筋肉が徐々に動かなくなる「筋萎縮性側索硬化症」(ALS)を発症した。現在は声を発せられず、歯でかむセンサーでパソコンを操作し、介助者が示す文字盤を目線で追って意思を伝える。木村氏は生後8カ月で障がいを負った。
 国会は船後、木村両氏の議員活動を保障するために、できることはすべて実行すべきだ。それによって、障がい者に対する理解が深まり、ハンディのある人たちが少しでも暮らしやすい社会に近づく契機になればいい。その意味で、両氏の当選は画期的な出来事だ。
 当たり前のことであるが、難病や障がいは誰にでも起こり得る。
 高齢化社会が進み、体が不自由になったり、寝たきりになったりする可能性は高くなった。しかし、現状は障がいのある人に優しい社会とは言えない。障がい者でなくても、例えばベビーカーを押していれば、道路の歩きにくさや公共交通機関の使いづらさなどを多くの人が経験しているだろう。
 国会のバリアフリーが進んだきっかけは脊髄損傷で車いすを使っていた八代英太氏の当選だった。障がい者用トイレやスロープが設置され、郵政相として入閣後は官邸に車いす用リフトができた。
 今回はさらに進んだバリアフリー化が必要だ。大型の電動車いすを使い、医療機器用の電源も必要な両氏のために、国会は出入り口近くに車いすのまま着席できる議席を設置し、電源を設置する。裁決に当たっては介助者がボタンを押し、代筆することを認めた。
 こうしたハード面の整備以外にも対応が必要だ。船後氏は文字盤を使用して会話するため意思表示に時間がかかる。
 まだ壁はある。重度障がい者は障害者総合支援法に基づく「重度訪問介護」で日常生活の介助を受けられる。しかし支援法は「経済活動にかかる支援」は雇用主らが負担すべきであるとの考え方から議員活動中は介護サービスへの公費負担が打ち切られる。両氏は「障がい者は働くなということか。仕事を持つことこそ自立支援だ」と訴える。厚労省は「現行制度では対応が難しい」との回答だが、議員活動に影響が出ないような支援が必要ではないか。
 声が出ない船後氏はALS患者らが利用する「分身ロボット」の導入を要望しており、障がい者の自立支援運動に取り組む木村氏は障がい児と健常児がともに学び会うインクルーシブ教育の実現を目指す。
 「障がい者や社会的弱者が住みやすい国に」との両氏の声は重い。真の共生社会をつくるにはどうすればいいのか。一人一人が自分事として考える必要がある。
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-961794.html


posted by オダック at 16:27| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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