2019年12月06日

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障害者の行動理解を うろうろ、ぶつぶつ 不安の表れ(2019/12/6東京新聞)
 知的障害や精神障害のある人が病院の待合室などで歩き回ったり大声を出したりするのは理由があることを、やさしい言葉とゆるいイラストで紹介するポスターが注目されている。発案したのは横浜市に住む当事者の家族。会員制交流サイト(SNS)を通じ、全国各地の自治体に広まっている。 
 不安を解消しようと飛び跳ねたりグルグル回ったりする「ぴょんぴょんぐるぐる」、平静を保とうと歩く「うろうろ」、独りごとで気持ちの整理をする「ぶつぶつ」−。ポスターは、障害のある人が慣れない場所ですることのある六つの行動を、親しみやすいイラストで描き、理由を添えた。
 発案したのは横浜市港南区の早坂由美子さん(68)。知的障害のある次男の拓真さん(38)が幼い頃、診療所の待合室で、歩き回ったり声を出したりした経験がある。「周りの人も体調が悪くて受診している。いたたまれない気持ちになった」。拓真さんが体調を崩しても市販薬で対応し、受診を控えたこともあった。
 こうした「待合室の壁」は、六年前から区障害者団体連絡会の会長を務め、子育て中の当事者の家族らと交流する中で、今も残っていると実感。「健常者が障害について知らないゆえの『壁』。待っている時間に何げなく見てもらえるポスターがあれば」と思い付いた。
 イラストは、港南区などで作る区自立支援協議会のメンバーが担当、穏やかな暖色系に仕上げた。「手助けを求めたいのではない。健常者には異常に映ることにも理由があり、不安な気持ちの表現の一つだと知ってもらうだけでいい」と早坂さん。だからタイトルは「あたたかく見守ってください」と呼び掛けた。同区高齢・障害支援課の竹田良雄課長も「押し付けがましくならず身近に感じてもらえたら」と語る。
 ポスターは区医師会を通じ、近隣の医療機関に配布したほか、市営地下鉄の駅や市内を走る公共バスなどで掲示中。SNSのツイッターでは「疑問が晴れた」「行動の理由がわかったので恐怖心が和らいだ」といった反響があった。区は、東京都清瀬市や埼玉県日高市、大阪府岸和田市など全国の五つの市に提供。京都府教委は人権学習用の高校教員向け資料集で取り上げている。
 早坂さんは「社会の中にはこういう人もいることを知ってもらい、健常者も障害者も当たり前に暮らしていけたら」と思い描く。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201912/CK2019120602000271.html



(声)寄り添う、中村哲さんに学んだ(2019/12/6朝日新聞) 小学校教員 吉村光基(兵庫県 34)
 医師の中村哲(てつ)さんがアフガニスタンで銃撃され亡くなった。NGO「ペシャワール会」の現地代表で、30年以上にわたる同国での人道支援は多くの人が知るところだ。
 私は2007年に中村さんの講演を聴いた。01年に米同時多発テロが発生、「テロとの戦い」がクローズアップされ、その後、タリバーン政権は崩壊。05年ごろにはタリバーンが自爆テロで勢いを取り戻した。タリバーン=テロリストグループ=悪というイメージを持った。しかし、「正義とは人の命を守ること」という中村さんの言葉が新鮮で、心に響いた。
 正義とは一体何なのか。世界で起きている出来事は多面的で、社会は多様であることを知る機会ともなった。何よりも、苦しむ人に寄り添い、支援することの大切さを教えられた。
 訃報(ふほう)を知り、本当に悲しく悔しい。戦争という手段では決して平和は訪れない。中村さんは平和のために働いてきたのに、なぜ殺されなければならなかったのか。ご冥福を祈るとともに、中村さんの理想としたところをいま一度確認したい。対話は武器に勝ると信じて。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14284286.html?iref=mor_articlelink04



(社説)中村医師の死 現場主義を忘れまい(2019/12/6朝日新聞)
 現場に徹底してこだわり、現地の人々に寄り添う姿勢を貫いた。それなのに……。理不尽さに言葉もない。
 30年以上にわたり、アフガニスタンで復興支援に携わった中村哲(てつ)さん(73)が亡くなった。灌漑(かんがい)工事の現場に赴く途中の車が何者かに銃撃された。
 「あと20年は活動を続ける」と周囲に話していたという。その志を打ち砕いた凶行に怒りを覚える。ともに命を落としたアフガニスタン人の警備員ら5人にも、哀悼の意を表したい。
 医師である中村さんが農業支援に取り組んだのは、00年にアフガニスタンで起きた大干ばつを目にしたのがきっかけだ。薬があっても、水と食糧がなければ命を救えない。その無力感から、土木を独学した。
 心がけたのは現地の人と同じ目の高さで見て、考え、行動することだ。できるだけ地元の素材を利用し、地元のやり方で、地元の人の力を活用した。
 外国からの支援者が受け入れられる鍵は「その地の慣習や文化に偏見なく接すること」「自分の物差しを一時捨てること」と話していた。忘れてはならない言葉だ。
 中村さんが現地代表を務めるNGOぺシャワール会は、約1600本の井戸を掘り、用水路を引いて、1万6500ヘクタールの農地をよみがえらせた。東京の山手線の内側の面積の2・6倍にあたる。ふるさとに帰還した難民は推定で15万人にのぼる。
 だが、アフガニスタンの治安は依然として回復の兆しが見えない。反政府武装組織タリバーンや過激派組織「イスラム国」が根を張り、政府に打撃を与える目的で、国際援助機関やNGOを標的にし続けている。
 ぺシャワール会も、08年に伊藤和也さん(当時31)が殺害され、活動の見直しを余儀なくされた。大半の診療所を閉め、日本人メンバーは引き揚げた。それでも中村さんは現地に残り、用水路の建設を続けた。
 「現地の人々の命を守る活動をしているからこそ守ってもらえる」との信念を貫いた。それを無謀というのは当たるまい。
 人道支援においては、政府や国際機関だけでなく、NGOの役割がますます重要になっている。治安の悪い地域にこそ、最も支援を必要とする人がいる。そのことを忘れてはならない。十分な安全対策を講じたうえで、現地の声に耳を傾け、国連などと連携して活動することの意義は大きい。
 「私たちは誰も行かないところに行く」。この中村さんの言葉を胸に、ぺシャワール会は今後も活動を続けるという。
 中村さんが砂漠から変えた緑の風景が続くことを祈りたい。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14284284.html?iref=comtop_shasetsu_01



筆洗 非政府組織代表の中村哲さんが作業員の村を訪ねると、(2019/12/6東京新聞)
 掘っていた井戸で事故が起きた。地元のアフガニスタン人作業員が死亡している。非政府組織代表の中村哲さんが作業員の村を訪ねると、高齢の父親は悲しみを押し殺して言ったという▼「こんなところに自ら入って助けてくれる外国人はいませんでした。息子はあなたたちと共に働き、村を救う仕事で死んだのですから、本望です…泉が涸(か)れ果て、小川の水も尽きたとき…あなたたちが現れたのです」(著書『医者井戸を掘る』)▼生きる希望が尽きそうになっていた人たちの前に現れ、三十年以上の長きにわたって共に汗を流してきた。遠い国で本望という言葉を使って感謝の言葉を贈られる日本人は多くないだろう。アフガニスタンでも、中村さんの突然の死に悲しみが広がっている▼「生きるとは旅である」と書いている。昆虫が好きで山を愛した。登山隊に参加したのが、かの地との出会いだった。数年後、医師として難民救援などにかかわることになる。やがて活動を「天命」と知ったという▼作家火野葦平は伯父。葦平が『花と龍』で主人公にした玉井金五郎は祖父にあたる。四国から流れて来た福岡・若松で零細な港湾労働者たちのために、命をはったと伝えられる人物だ。生き方は重なる▼凶弾で旅は突然終わった。治安が悪化しても人々を見捨てず、見下すこともなかった。その生き方は忘れることができない。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2019120602000127.html



板橋の公立中に子ども食堂 来年4月開設へ、プレオープン(2019/12/6東京新聞)
 板橋区立板橋第一中学校に四日、子ども食堂「みんなの食堂」がプレオープンした。公立学校での子ども食堂は珍しく、地域のおじさん、おばさんたちが食事を提供し、子どもたちと顔が見える関係をつくる。住民にも開けた場所を目指し、来年四月の本格オープンまで月一度の試験運用を続ける。 
 夕方、部活帰りの生徒たちが続々と会場の被服室に入ってきた。カレーライスとフルーツポンチが振る舞われ、「給食より、おいしい」「次はハンバーグがいい」などと、子どもたちの明るい声が響き渡った。調理をした上岡由美さん(54)は「おいしいと言ってくれて、ほっとしました」とほほ笑んだ。
 主催は、学校や保護者、住民による同校コミュニティ・スクール推進委員会。そうした組織は、学校運営に地域の力を生かすため、板橋区内の全ての区立小中学校にある。
 「子ども食堂をやりたい」という声は以前から上がっていた。場所が見つからなかったが、同校の増田裕子校長が学校での開催を快諾した。増田校長は「外国籍で日本語が苦手な生徒もおり、支えてくれる多様な情報や人材の発掘が必要だった。つながりが深まれば、災害時も助け合える。地域のための活動は、イコール学校のため」と話す。
 同推進委員会は、住民が校内で生徒に夕食を提供している世田谷区立桜丘中学校を視察し、子ども食堂の運営者らから話を聞く勉強会をするなど、準備を進めてきた。
 「いつも一人だから、人と食事をするのは怖い」という子の声を耳にし、胸を痛めたという小檜山耕市委員長(59)は「居場所を作り、子どもたちの笑顔が見たい。それが幸せですから」と話す。高齢者や小学生にも来てもらえるよう、運営方法を吟味するという。
 こども食堂ネットワーク事務局によると、住民らが学校で子ども食堂を運営するには、互いの信頼関係が不可欠だという。釜池雄高さん(42)は「子ども食堂の情報をどう届けるかが課題の一つだが、学校開催なら一気に乗り越えられる。子どももスティグマ(偏見)を感じずに行ける」とその利点を指摘する。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201912/CK2019120602000119.html



<働き方改革の死角>巨大ITに「個」苦戦 ウーバーイーツ配達員 団交門前払い(2019/12/6東京新聞)
 「プラットフォーマー」と呼ばれる巨大IT企業で個人事業主などの立場で働く人たちが、報酬引き下げなどに対抗するため組合を結成する動きが広がってきた。しかし、「雇用関係がない」との理由で交渉をはねつけられるケースが大半。政府の個人の働き手保護への腰も重く、圧倒的な力を持つ「巨人」の前に苦戦している。 
 「会社の許可がないのでお通しできません」。米配車大手ウーバー・テクノロジーズの日本法人が入る東京都渋谷区のビル。同社が運営する食品宅配代行サービス「ウーバーイーツ」配達員でつくる労働組合メンバーらが五日、訪れると、受付担当者は淡々と答えた。
 「上司はAI。組合をつくってもまだ人間とは一度も会えたことがない」と、組合執行委員長の前葉(まえば)富雄さん(29)が憤慨する。
 配達員はウーバーのアプリを通じ飲食店の料理を家庭やオフィスに配達、距離などに応じウーバーから報酬を受け取る。先月下旬に突然報酬を大幅に下げたのは不当として抗議しに来たが、今回も面会できなかった。
 配達員はウーバーの社員ではなく「個人事業主」として業務を請け負う。けがをしても労災が下りないなど厳しい待遇を改善するため十月に労組を結成。団体交渉を求めて、三度にわたりウーバー側に要望書を提出してきたが、ウーバーは毎回拒否。「ご意見はアプリでご連絡を」との回答書を送ってきただけだ。
 団体交渉権が法律で保障される労働者なら、交渉に応じる義務があるが、個人事業主には「交渉に応じる義務はない」というのがウーバー側の主張。だが、配達員男性(47)は「配達場所や報酬の条件は全部ウーバーが決めており、われわれはウーバーの指示で働く事実上の『労働者』だ」と指摘。組合は今後、紛争解決機関である労働委員会にウーバーに団交に応じる命令を出すよう申し入れる。
 ウーバー側は「配達パートナーの皆さまは、労働組合法上『雇用する労働者』に該当しないため、団体交渉はお断りする。全てのご意見を歓迎し、よりよいサービスを提供する」とする。
 巨大通販サイト「楽天市場」を運営する楽天にも、出店者が声を上げ始めた。きっかけは、商品価格が三千九百八十円以上の場合は送料を来春から一律無料(沖縄などを除く)にし、送料は「出店者持ち」としたこと。出店者らは任意団体「楽天ユニオン」を結成し、撤回を求めて団交を迫る方針だ。「楽天の数々の強権的な対応が許せないという声が高まっている」。設立者の勝又勇輝さん(32)は言うが、楽天側が交渉に応じるかは不透明だ。
 フランスで二〇一六年にウーバーなど巨大IT企業傘下の個人事業主に団体交渉権を認める法律が成立するなどの動きが広がりつつある中、日本政府は働き手の苦戦を傍観するばかり。日本労働弁護団の棗(なつめ)一郎弁護士は「巨大IT傘下の働き手を守る世界の潮流に取り残される」と警告する。
https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2019120690065847.html



<金口木舌>障害者週間(2019/12/6琉球新報)
 制止する声を振り払い、バスに次々と乗り込む車いすの人々。途方に暮れる運転手。1970年代に障がい者団体「青い芝の会」が取り組んだ川崎バス闘争の記録映像だ。2年前のシンポジウムで、ジャーナリストの安田浩一さんが上映した
▼バス会社は当時、障がい者の乗車を拒否していた。当事者の行動もあって、現在は障がいを理由に乗車を拒否する公共交通機関はなくなった。安田さんは「直接行動をきっかけに社会が変わることがある」と指摘する
▼40年余が経過し障がい者を取り巻く環境は変化した。だが障壁となる要素はさまざまな場所に残っている
▼木村英子参院議員が3日の参院国交委員会で、新幹線の車いすスペースを利用するために事前予約が必要なことをただした。赤羽一嘉国交相は「抜本的に見直すことを強く求める」と答えた
▼安倍晋三首相は「桜を見る会」の招待者名簿廃棄に時間を要した経緯を説明する中で「廃棄したのは障がい者雇用の職員だった」と参院本会議で述べた。舩後靖彦参院議員は「職員の属性は資料破棄の根本問題とは関係ない」との見解を発表している
▼浮かび上がったのは保身のために弱者を踏み台にして恥じない政治指導者の姿だ。9日まで「障害者週間」。社会のどこにバリアがあるのか。真っ先に啓発しなければならないのは日本のリーダーたちではないか。
https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1037620.html


posted by オダック at 21:28| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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