2019年12月07日

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(社説)参院定数判決 政治の怠慢を許すのか(2019/12/7朝日新聞)
 一票の格差が最大3・00倍だった7月の参院選をめぐる定数訴訟で、一審を担当した16の高裁判決が出そろった。二つは、平等原則に反して「違憲状態」だったと指摘したが、残りの14は合憲と結論づけた。
 その多くは、最大格差が3年前の3・08倍から縮まった点を評価した。人口の少ない2県を一つの選挙区とする合区を、自治体などの反発を抑えて維持したことも肯定的にとらえた。
 甘い見解にあきれる。
 格差3倍とは、3分の1の価値しかない投票権をもつ人がいることを意味する。また、大半の高裁がこの間(かん)の国会の取り組みを是として合憲の根拠に挙げたが、納得できない。
 経緯を振り返れば明らかだ。
 16年参院選を前に、国会は合区の導入などを柱とする改正公職選挙法を成立させた。だがなお不十分だと自ら認め、今年の選挙に向けて抜本的な見直しを検討し、「必ず結論を得る」と法律の付則に書きこんだ。
 「結論」はどうだったか。
 自民党は改憲して合区を解消すると一方的に言い出した。野党は異を唱える。時間がむだに流れ、衆参両院はそれぞれどんな役割を担うべきかといった、制度改革に向けた本質的な議論は全く深まらなかった。
 選挙が近づくと自民党は改憲案を引っ込め、かわって比例区を増員して4人の特定枠を設けることに突き進んだ。合区によって擁立できなくなった現職を優先的に当選させるための、党利党略そのものだった。
 結局、格差是正につながったのは埼玉選挙区の定数を2(改選数1)増やすという、安直な措置だけだった。さらなる改革への意思表明も法律から付帯決議に格下げされ、「引き続き検討を行う」という中身のないものとなった。
 これらのいったい何を評価せよというのか。常識に反する。14の高裁判決は国民と司法との溝を広げただけだ。
 背景に2年前の最高裁判決の影響を見ざるを得ない。このとき最高裁は、合区の導入などを理由に格差3・08倍を合憲とした。社説は「改革の機運がしぼむ」と書いたが、その懸念は現実のものになっている。
 選挙は議会制民主主義の根幹をなし、民意が適切に反映されなければ、統治の正統性は揺らぐ。最高裁もそう考えたからこそ、政治に幾度か厳しい判断を突きつけてきたはずだ。しかし政治は真摯(しんし)に応えようとせず、根負けする形で手綱を緩めた2年前の判決によって、高裁の認識までゆがんでしまった。
 責任を痛感し、憲法の番人としての役割を果たす。それが、上告を受けた最高裁の使命だ。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14285672.html?iref=comtop_shasetsu_02



ジャパンライフの「特異性」文書は本物 元職員認める(2019/12/7朝日新聞)
 「桜を見る会」の招待客をめぐって野党が公開した消費者庁の内部資料とされる文書について、当時の担当職員が朝日新聞の取材に対し、課内の打ち合わせ用に作ったメモだと認めた。消費者庁は国会での野党の質問に対し、この文書の真偽の回答を拒否している。
 文書は「本件の特異性」のタイトルで、後に消費者庁が4回にわたって行政処分を出す「ジャパンライフ」への対処方針を打ち合わせた2014年7月の記録。「政治的背景による余波懸念」などと記されていたため、調査に対する政治的な介入がなかったか、野党が追及していた。同社の当時の会長は、翌年春の桜を見る会に首相推薦枠で招待された可能性が指摘されている。
 作成したことを証言したのは、消費者庁の当時課長補佐級だった元職員。課長が人事異動で代わったばかりで、懸案だった同社への立ち入り検査の是非が議題だったといい、消費者からの相談情報を分析した資料とともに用意したという。
 元職員は、「特異性」のタイトルをつけた理由について「消費者庁に移管されて間もない預託法が絡むなど、あまりないケースだったため」と説明。「政治的背景」などと記したことについては「一般的に政治家はどんな業界とつながりがあるか分からないため、老婆心ながら書き込んだ」と述べた。
 当時の課長も取材に応じ、「政治案件という(作成者の)アピールだったが、記憶に残るような大物政治家の名前は一切出なかった」と語る。この段階で立ち入り検査をしなかったのは、「書類の不備など比較的軽微な違反しか見あたらず、根拠がなかったため」と説明した。
 元職員は15年春に定年退職後、ジャパンライフに天下り。消費者庁は同年9月に立ち入り検査を実施し、16年12月に初めて行政処分を行った。・・・
https://digital.asahi.com/articles/ASMD664JTMD6UTIL06S.html?iref=comtop_8_06



【社説】桜を見る会疑惑 逃げ切りは許されない(2019/12/7東京新聞)
 内閣主催の「桜を見る会」を巡る疑惑は、臨時国会の会期末が九日に迫る中、何一つ解明されていない。その責任は真摯(しんし)な説明を避けている安倍晋三首相自身にある。逃げ切りは断じて許されない。
 税金を使って多数の支持者や反社会的勢力まで招待し、後援会主催の前夜の宴会は収支が不透明。
 これらは、首相自身が公職選挙法や政治資金規正法違反に問われかねない問題だ。潔白だというのなら、桜を見る会の招待者名簿や宴会の明細書など、証拠を示して説明すれば済む。しかし問題発覚以降、首相は口先だけの逃げの姿勢に終始している。
 二日の参院本会議でも、野党議員による資料要求の直後に行われた印刷名簿の廃棄について、シュレッダーの予約の関係だったと従来の政府説明を繰り返した。
 同じころ削除した電子データの復元は、システム上「不可能」と言い切った。その後、データにはバックアップがあったと判明し、当時なら復元できた可能性も出てきた。菅義偉官房長官は予備データは行政文書ではなく、提出の必要はなかったと強弁するが、どんな状態であれ、政府が管理し復元できたのなら原本と同じ文書のはずだ。詭弁(きべん)にしか聞こえない。
 二〇一五年、詐欺的商法を展開していた「ジャパンライフ」の当時の会長に首相枠の区分番号で招待状が届き、宣伝材料にされていたことも重大な問題だ。首相は「個人的な関係は一切ない」と元会長との面識を否定した上で、不当な営業への利用は「容認できない」と人ごとのように述べた。
 ただ、首相の父晋太郎氏が外相だった一九八四年、元会長とともに米国などを訪問し、首相も外相秘書官として同行していたことが明らかになり、答弁の根拠はぐらついている。元会長への招待状が、約七千人から千八百億円がだまし取られた事件を拡大させたのかもしれない。誰がなぜ招待したのか、解明する必要がある。
 格安な五千円の会費を参加者がホテルに直接納めたとする「前夜祭」についても、首相は、明細書を提示しないのはホテル側の営業の秘密に関わるためなどと言うだけで、説得力を欠く。
 臨時国会が終わったとしても、閉会中審査や記者会見に応じて説明することはできる。十一月、政治とカネの問題で安倍内閣の二閣僚が連続辞任した際、首相は「自ら襟を正し、説明責任を果たすべきだ」と求めた。今度は自身がその言葉を守らねばならない。 
https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019120702000170.html



メルケル首相がアウシュビッツ初訪問 過去謝罪「虐殺の責任 終わりない」(2019/12/7東京新聞)
 【ベルリン=共同】ドイツのメルケル首相は六日、第二次大戦中にナチス・ドイツによるホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)の舞台となったポーランド南部のアウシュビッツ強制収容所跡を初めて訪れた。加害国の首脳として犠牲者を追悼し「虐殺を行ったのはドイツ人だった。この責任に終わりはない」と演説、過去を謝罪した。
 在任中にアウシュビッツを訪れたドイツ(西ドイツを含む)首相としてはシュミット氏らに続き三人目で、収容所跡の維持や管理を担うポーランドの財団の招きに応じた。アウシュビッツは来年一月、ソ連軍による解放から七十五年の節目を迎える。
 メルケル氏はこの日、収容所跡のガス室や遺体焼却炉などを見て回った。現地での演説で、ドイツ人による犯罪が行われたことを「われわれは忘れてはならない」と繰り返し強調。過去を直視する必要性を語った。
 アウシュビッツはナチスが占領下のポーランドに建設し、約百十万人が殺害された。犠牲者の九割をユダヤ人が占め「アンネの日記」の作者アンネ・フランクも収容されていた。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201912/CK2019120702000137.html


posted by オダック at 17:42| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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