2020年04月04日

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【社説】刑事司法を改革せよ 再審無罪判決(2020/4/1東京新聞)
 やっとこの日が来た。「呼吸器事件」で殺人犯にされた西山美香さんに大津地裁は「事件性なし」と再審無罪を言い渡した。自白の誘導などで殺人事件に仕立てた捜査と司法の責任は、極めて重い。
 滋賀県の病院で二〇〇三年、七十二歳の男性患者が死亡。看護助手だった西山さんが「人工呼吸器のチューブを外した」と「自白」して殺人容疑で逮捕され、懲役十二年が確定した。この判決で、死因は自白に沿う「低酸素状態」、つまり窒息状態とされた。
 「自白」は虚偽で、鑑定による死因も誤っていた−。今回の再審で無罪を言い渡した判決文は、明確に書いた。「何が何でも有罪を」と前のめりになる捜査と、それをチェックできなかった司法を批判した。
 なぜ捜査段階で「自白」したのか。判決は「取り調べの警察官の不当な捜査によって誘発された」と断じる。
 その背景として、西山さんには知的障害によって迎合的な供述をする傾向があると認定。取り調べの警察官は、自分に好意を持っていたことに乗じて「西山さんをコントロールする意図があった」とまで述べ、西山さんが捜査側の術中にはまった過程を分析した。
 また、死因について無罪判決は、「低カリウム血症による致死性不整脈」などを認定。つまり呼吸器はつながったままの自然死だった可能性が高いと判断した。
 今年二月に始まった再審が素早く無罪判決に至ったのは、西山さんの早期汚名返上の見地からは喜ばしいものの、担当の警察官を法廷に呼ぶなどして虚偽の自白に至る経緯を検証してほしかった。
 大津地裁の裁判長は、無罪判決の言い渡し後、明確な謝罪はなかったものの、西山さんに「刑事司法を改革する原動力にしていかねばならない」と決意を述べた。「もう、うそ(誘導された自白)は必要ない」とも語り掛けた。
 この冤罪(えんざい)事件では、捜査のずさんさを見抜けなかった裁判所にも大きな責任がある。最初から数えて七つの裁判体が有罪判決や再審請求棄却を続け、八つ目の大阪高裁がようやく再審開始を決定、最高裁を経て十番目の大津地裁が無罪判決を出した。事件発生から十七年がたっていた。
 この間、二十代と三十代を獄中で過ごした西山さんは大きな損失を被った。メンツのための捜査、あるいはいったん下された判決に忖度(そんたく)するような訴訟指揮はなかったか。検証して出直してほしい。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020040102000148.html



<社説>新型コロナ米兵感染 地位協定の問題浮き彫り(2020/4/1琉球新報)
 米軍は新型コロナウイルスの感染防止のためどのような対策を講じているのか。兵士は無防備のまま国内外を行き来しているのではないか。そうした疑念が拭えない。

 米空軍嘉手納基地第18航空団の空軍兵2人が欧州への渡航から戻った後、新型コロナウイルスに感染していることが判明した。米軍がフェイスブックで公表した。
 外務省沖縄事務所と沖縄防衛局の県への報告によると、2例ともPCR検査を受け陽性が確定した。このうち1人の家族も感染したことが確認されている。
 1例目の空軍兵は海外から戻った後、15日間の行動制限下に置かれていた。同基地の医療チームは接触者を特定し、濃厚接触した家族の行動も制限したとしている。2例目は海外から戻り、行動制限下に置かれているという。
 2人はどこで感染したのか。行動履歴はどうなっているのか。居住しているのは基地内なのか、それとも基地の外なのか。県民は確認、検証するすべがない。それだけに米軍には正確で詳細な情報を発信することが求められる。このままでは臆測だけが独り歩きしかねない。
 実際、米軍基地内での感染状況については、さまざまな憶測が飛び交ってきた。1月末には「基地内で感染者が出た」などとうわさが広まった。米軍がそれを否定する声明を出したこともあった。
 多くの情報が開示されず、基地はブラックボックスと化している。
 政府は中国、韓国、欧州の一部などに入国拒否措置を発動した。さらに米国や英国、中国、韓国の全土からの外国人について入国を拒否する方針を固めている。米軍もこの措置に従うべきだが、「抜け穴」になる恐れがある。
・・・ 県は米軍や外務省沖縄事務所、沖縄防衛局に対し(1)行動履歴や濃厚接触者の状況、県民との接触の有無など情報の公開(2)米軍人・軍属等に対して密閉空間、密集場所、密接場面など集団感染の起こりやすい場所へ行くことを避ける(3)日本人従業員に対する感染防止に万全を期す―ことを申し入れた。
 日米地位協定に基づき、米軍は日本の検疫を受けず、米軍の検疫手続きが適用される。大きな問題だ。
・・・ 新型コロナの感染拡大で地位協定がもたらす危険性が改めて浮き彫りになった。県民の命や健康を守るためにも早急な改定が不可欠だ。
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1099592.html



<新型コロナ>「緊急事態宣言 出す時期」 政府諮問委の日医幹部(2020/3/31東京新聞)
 新型コロナウイルス感染症の急拡大で緊急事態宣言を出す際に政府が判断を仰ぐ諮問委員会のメンバーを務める釜萢敏(かまやちさとし)日本医師会常任理事は三十日の記者会見で、宣言について「個人的には発出し、それに基づき対応する時期ではないかと思う」と話した。政府は、東京都を中心とした感染拡大の現状を踏まえ、発令の要件に適合するかどうか本格的な検討に入った。 
 釜萢氏は、新型コロナウイルスの流行状況などの分析を行い、見解を示す政府の専門家会議と、緊急事態宣言に関する諮問委のメンバーを兼務している。
 釜萢氏によると、この日の専門家会議メンバーらによる非公式の電話会議でも「もう宣言をした方が良いのではないか」という意見がほとんどだったという。患者が急増する東京では、感染経路が不明の症例が相次ぎ、封じ込め対策が難航。医療機関では防護服やマスクといった必要な物資が不足し、病床(ベッド)が足りなくなる恐れも高まっている。
 菅義偉(すがよしひで)官房長官は会見で、「ぎりぎりの状態にある。各方面の専門的な知見に基づき、慎重に判断することが必要だ」と強調した。
 政府は宣言を出した際の経済的な悪影響を懸念してきた。だが、専門家から発令を求める意見が出始めてきたこともあり「そんなことを気にしている場合じゃない」(高官)と急速に危機感を強めている。
 立憲民主党の枝野幸男代表も「フェーズが変わりつつある。補償とセットになった緊急事態宣言を真剣に検討しなければならない段階に入った」と指摘した。
 特措法は「国民の生命、健康に重大な被害を与える恐れがある」「全国的かつ急速なまん延により国民生活と経済に甚大な影響を及ぼす恐れがある」の二つの要件を満たせば、首相が宣言を出せる。政府は既に「生命、健康に重大な被害」は該当するとしている。
 発令されれば、対象となった都道府県の知事が外出自粛の要請や、百貨店など大人数が集まる施設の使用制限、学校の使用制限を要請・指示することなどができる。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/202003/CK2020033102000172.html



(声)電力業界が今すぐすべきことは 農業手伝い 小松惠一(茨城県 67)(2020/3/31朝日新聞)
 関西電力が東日本大震災後に電気料金を値上げした際、その前提として実行した役員報酬カットを退職後に補填(ほてん)していたという。3億6千万円相当の金品受領に続き不正がまた明らかにされた。あきれて開いた口がふさがらない。電力業界の隠蔽(いんぺい)体質を我々は再認識すべきだ。
 そもそも電気料金値上げの理由は原発が使えず経営を圧迫する――だったと思う。2016年から始まったという今回の補填などは経営を圧迫しないのか不思議だ。ここまで隠蔽を続けてきた電力業界が「原発再稼働が必要だ」と言っても、到底認めるわけにはいかない。
 電気事業連合会の新会長は「関電問題では、信頼を失墜し申し訳なく思っている。ただ、問題の本質がどこにあるのかがまだよくつかめていない」と話したというが、そんなことを言っている場合だろうか。電事連の行動指針に「社会的良識をもって誠実かつ公正な事業活動を遂行する」とある。新会長は再稼働が遅れる他社を牽引(けんいん)する意欲も示したが、関電を含む電力業界がまずやるべきことは、「電気利用者への背信行為」をやめ、国民に真摯(しんし)に向き合い、原発再稼働をやめることだ。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14423188.html?iref=mor_articlelink04



(声)濃厚接触避けられぬ訪問介護 介護福祉士 加藤英嗣(神奈川県 71)(2020/3/31朝日新聞)
 ああ、今日も体温はOK、せきもなし! 毎日びくびくしながら訪問介護の仕事をしています。車やバイクで1日7、8軒ほどの家庭を回ります。オムツ交換や食事・入浴介助、買い物、調理、掃除、洗濯など仕事は待ったなしです。一人暮らしの利用者も多く、食事の準備や汚れ物の処理は毎日欠かせません。新型コロナウイルスの問題で行政は外出を控えるよう言いますが、訪問介護員はそうはいかないのです。
 毎日毎日、新型コロナウイルスのニュースが報道されます。でも訪問介護についての話はあまりされません。もし訪問介護員に感染者が出た場合はどうなるのでしょうか?
 事業所では毎日手洗いを怠らないようにと指導され注意はしています。でも、訪問介護員は1週間に何十人ものお年寄りと接触しています。その仕事の内容は肌が触れ合う「超濃厚接触」なのです。
 私たちが一番恐れるのは、自分が感染し自覚症状がないまま、お年寄りと接触し感染させることです。お年寄りの死亡率が高いからです。具体的な対策がすぐに見つかるとは思いませんが、訪問介護に何らかの対策が必要ではないでしょうか。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14423187.html?iref=mor_articlelink03



(社説)辺野古問題 無理に無理を重ねる愚(2020/3/31朝日新聞)
 ものごとの本質に目を向けず、細かな法律論を繰り広げた末に、一般社会の常識からかけ離れた結論を導きだした。そう言わざるを得ない判決だ。
 沖縄・辺野古の埋め立てをめぐる県と国の訴訟で、最高裁は26日、県側の主張を退けた。
 海底の軟弱地盤の発覚などを理由に、県が埋め立ての承認を撤回したのに対し、防衛当局がこれを取り消すよう国土交通相に請求。期待どおりの裁決をもらって工事を強行したため、県が裁判に訴えていた。
 同じ内閣を構成する「身内」が裁決して便宜を図る異様さ。そしてその際に使ったのが、本来、行政機関から不当な処分を受けた国民を救済するために設けられている行政不服審査制度だというおかしさ――。
 だが最高裁は、埋め立て法の条文に照らすと国の機関も一般私人(国民)も立場に違いはないと判断して、国側の脱法的な行為を追認してしまった。
 木を見て森を見ないとはこのことだ。結果として沖縄の声を封殺した判決を、玉城デニー知事が「地方自治の理念に反し、将来の国と地方公共団体のあり方に禍根を残す」と厳しく批判したのはもっともである。
 ただし今回の裁判で争われたのは手続きの当否で、埋め立て行為そのものに、司法がゴーサインを出したわけではない。
 政府は軟弱地盤対策のための設計変更を近く申請する方針だが、県は認めない構えだ。辺野古ノーの民意が繰り返し示されているのに加え、3年以上かけて7万本余の杭を海底に打ち込むという工事が環境に与える影響は甚大で、到底受け入れられるものではないからだ。
 にもかかわらず政府は、負荷を小さく見せることに腐心し、「環境影響評価(アセスメント)をやり直す必要はない」と言ってきた。最高裁判決の1週間前、辺野古の住民らが別途起こした裁判で、那覇地裁は請求は退けたものの、「埋め立てに際しては、改めて環境影響評価が実施されるべきことが考慮されなければならない」と述べている。当たり前の話だ。
 社説で繰り返し指摘してきたように、米軍普天間飛行場の辺野古への移設は完全に行きづまっている。政府は辺野古に固執するのをやめ、普天間の危険性の早期除去にこそ力を尽くすことが求められる。
 最高裁判決と同じ26日、沖縄県が設けた有識者会議は米軍の戦略構想も踏まえ、海兵隊を本土などに分散配置することが安全保障上も合理的と提言した。
 政府試算でも1兆円近い巨費を投じ、軟弱地盤を「改良」して基地を造ることが理にかなうか。答えは誰の目にも明白だ。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14423185.html?iref=mor_articlelink02



パンくん心配…風呂で泣いた志村園長 どうぶつ園の交流(2020/3/31朝日新聞)
 志村けんさんのテレビ番組「天才!志村どうぶつ園」(日本テレビ系)には熊本県阿蘇市の「阿蘇カドリー・ドミニオン」で飼育されるチンパンジーのパンくん(18歳)とその娘プリンちゃん(4歳)が出演していた。
 動物のトレーナーで、ロケなどを通し16年前から志村さんと親しくしてきた宮沢厚園長(60)は30日、報道陣の取材に応じ、「パンくんやプリンちゃんが喜びの声を上げて志村さんに抱きつくと、志村さんも本当にうれしそうににっこり笑って動物たちと抱き合う。あの笑顔が見られないと思うと、何とも言えない気持ちになる。心から冥福を祈ります」と語った。
 宮沢さんによると、ロケの後、パンくんは宮沢さんの手をふりほどき、帰ろうとする志村さんを追いかけ、しがみついて離さないこともあった。「動物は一瞬で人柄を見抜く。人間だけじゃなくて動物にもあれだけ愛される人は初めて見た。本当に素晴らしい方でした」。志村さんも動物が大好きで、しばらくプリンちゃんに会えないと「どうしてるかな」と心配し、夜中にお風呂に入っていてふと「パンくんどうしてるかな」と思い出し、涙が出たという話も宮沢さんは聞いた。「事務所には俺が言っとくから大丈夫」と言って園内での動物劇場に無償で出演したり、一緒に飲みながら舞台でのネタを考えてくれたりしたこともあったという。
 2016年の熊本地震で志村さんはすぐに「大丈夫か」と電話をくれ、SNSでも動物たちを心配する声を発信。翌月には園を訪れてくれた。地震前も2カ月に1度ぐらいのペースで撮影に訪れていたが、地震後は番組で扱う回数を増やし、毎月訪れていた。
 阿蘇に観光客の足が戻らないことを心配し、いろいろなアイデアでも施設を応援してくれたという。昨夏は、プリンちゃんを志村さんが抱っこしている姿を動物ショーの案内板に載せようと志村さん自らが言い出し、その案内板と写真を撮るために訪れるお客さんもいた。「とにかく阿蘇が復興するまで応援し続けるからと言ってくれていた。どれだけ頭を下げても下げきれないぐらい感謝しています」と宮沢さん。
 最後のロケは2月27日。「疲れた様子もなく、すごく元気な姿で、プリンちゃんといっぱい遊んでくれました」。今月26日もロケの予定で準備を進めていたが、数日前に「志村さんの体調がよくない」とディレクターから連絡があり中止に。新型コロナウイルス感染のニュースを聞き、「びっくりした。情報が錯綜(さくそう)し、少しずつよくなっているという話もあったので、早くパンくんたちに会いに来てほしいと思っていた」と宮沢さんは話した。
https://digital.asahi.com/articles/ASN3Z5HHCN3ZTLVB00J.html?ref=mor_mail_topix3_6



<新型コロナ>国会審議オンラインで れいわ舩後氏に賛同の声(2020/3/30東京新聞)
 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、インターネットなどの情報通信技術を使って国会審議に参加する仕組みが注目されている。重い身体障害があるれいわ新選組の舩後(ふなご)靖彦参院議員が導入を訴え、与野党内から賛同の声が出ている。今後は、議決について「出席議員の過半数でこれを決し」とする憲法56条の解釈や技術の確立が課題となる。 
 舩後氏は「人工呼吸器を装着しており(新型コロナウイルスに感染したら)命に関わる」と本会議や文教科学委員会への出席を一時見合わせた。その後出席した委員会では、ネットを使った会議システムが一般化していると指摘。感染が拡大する今こそ、国会審議への遠隔参加を検討するよう求めた。
 自民党の野田聖子・政治制度改革実行本部長は、舩後氏の訴えに「当たり前だ。議決のタイミングで感染者が出たら議会が止まる」と理解を示す。議員には高齢者も多く、感染が広がれば審議に影響がでかねない。
 舩後氏と同じ委員会に出席する国民民主党の伊藤孝恵参院議員も、障害のある議員への配慮はスロープなどの施設整備にとどまるべきではないと語る。政府が民間企業への在宅勤務を要請していることもあり「国会議員の在宅勤務や遠隔審議についても議論をしてほしい」と話す。
 京都大法学部の曽我部真裕教授(憲法学)は、一九四六年の憲法公布時には議決時は議員が議場にいることを想定していたとして「当時はなかったオンライン出席(という形態)が違憲になるわけではない」と指摘。「産前産後や病気、新型コロナウイルス感染の危険が高い場合など、一時的な理由での審議の遠隔参加は検討を進めてもよいのではないか」と話す。同時に、遠隔参加者が議場にいる議員と同じように審議や議決に参加できなければ「違憲の疑いが出てくる」とも指摘する。
 自民党内では数年前から、女性議員が妊娠や出産で議場に行けない場合の、ネットを使った議決参加が検討されてきた。昨年三月に制度導入を目指す動きがあったが「憲法との関わりがあるので、慎重な議論が必要」(森山裕国対委員長)など党内から否定的な意見が相次ぎ、見送られた。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/202003/CK2020033002000120.html



将官の天下りあっせんか 陸自、組織的関与の疑い(2020/3/30東京新聞)
 陸上自衛隊の将官級(陸将、陸将補)の天下りをあっせんするため、自衛隊法に反し、陸上幕僚監部の募集・援護課職員らが企業側と接触した疑いがあることが、防衛省関係者への取材で分かった。防衛監察本部は既に、退職した陸自の将官級百人以上の再就職について調査を開始。組織的にあっせんしていた可能性があり、防衛省は処分を検討している。
 旧防衛庁時代には天下り先確保のために業者と癒着し、刑事事件に発展したケースもあり、再就職の法規を軽視する体質が改めて問われそうだ。
・・・ 一佐以下の自衛官は五十六歳までに退職する「若年定年制」を採用。自衛隊法の規則により、一佐以下は防衛相指定の就職援護隊員が再就職を企業に依頼できる。一方、六十歳定年の将、将補は一般職国家公務員と同様に内閣人事局が管理し、防衛省・自衛隊は関与しないことになっている。
 内閣府の再就職等監視委員会も、陸自将官の天下りあっせん疑いを把握しており、防衛省と共に調査を進めている。
 複数の関係者によると、募集・援護課の職員が省内のパソコンを使い、経歴などを企業側とやりとりした形跡が調査で確認されたという。課内で代々、引き継ぎもあったとみられる。
 将官級は防衛関連企業の顧問に天下るケースが多い。数年の勤務後、次の退職者が後任となるように募集・援護課が取り次いでいたとみられる。
 二〇〇六年に旧防衛施設庁幹部らが逮捕された談合事件では、天下りの受け入れ実績に基づき、工事業者の割り振りを決めていた。一九九八年に防衛庁調達実施本部の元本部長らが逮捕された背任事件でも、企業からの国庫返納金を減額する見返りに天下りを受けさせていた。
<自衛官の定年と再就職> 階級によって定年が変わり、最上位の将、将補が60歳、1佐56歳、2佐と3佐55歳、1尉〜1曹54歳、2曹と3曹は53歳となる。それより下位の士長、士の多くは任期制で採用される。1佐以下の場合、防衛相が指定する就職援護隊員が退職者の雇用を企業側に依頼できる。職務上の利害関係がない企業であれば、退職予定者が自分で求職活動をしてもよい。将、将補は一般職の国家公務員と同じ扱いになり、防衛省が再就職をあっせんすることは禁じられている。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202003/CK2020033002000098.html



溶融核燃料取り出しに1兆円超 福島第1原発、31年度末までに(2020/3/30東京新聞)
 東京電力ホールディングスは30日、福島第1原発1〜3号機で溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出し準備などのため、2031年度末までにかかる費用として1兆3700億円が想定されると発表した。
 内訳は2号機の内部調査や1〜3号機建屋の除染などに3300億円、2、3号機のデブリ取り出し設備などに1兆200億円、2号機のデブリの試験的取り出しなどに200億円。31年末までの廃炉作業内容などを具体化した「廃炉中長期実行プラン」を27日に公表したことを踏まえ、算定した。
 これまではデブリ取り出し費用が算定できていないなどとして、20年3月期の業績予想は未定としていた。
https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2020033001002150.html



【社説】原発銀座の50年 あっても、なくても(2020/3/30東京新聞)
 <福井県の、ぼく、おおい町出身でね、知ってます? 原発の町、おおい町です>
 時事ネタで人気のお笑いコンビ、ウーマンラッシュアワーの村本大輔さんは、こう切り出した。昨年暮れにフジテレビ系で放映された「THE MANZAI」のひとこまだ。
 <おおい町の隣は、高浜町ね。高浜町には疑惑だらけの高浜原発がありまして、その隣には美浜原発がありまして、その隣には敦賀の『もんじゅ』があったんです。でも、おおい町には夜の七時以降は開いてる店がほとんどない。真っ暗になる。これ叫ばせてください。電気はどこへ行く〜>
 ここで客席、大爆笑。
 <地元の人間にしてみれば原発があっても怖いし、なくても怖い。あったらあったで地震があったら怖い。なかったらなかったで経済が回らないから怖いですよね>
 ふるさとの本音を代弁するかのようなマシンガントークが続く。客席は何度も笑いに包まれる−。 「原発銀座」と呼ばれる福井県の若狭湾沿岸部は、世界に類のない原発の密集地。村本さんが言うように、関西電力の大飯、高浜、美浜、日本原子力発電の敦賀、そして日本原子力研究開発機構の実験炉「もんじゅ」と「ふげん」−。廃炉が決まったものも含めて、計十五基の原子炉が湾内にひしめく、まさに「銀座」の様相だ。
◆「平和利用」に誘われて
 原発銀座の一丁目、第一号となる敦賀原発の運転開始から、今月で五十年が経過した。
 一九五三年、アイゼンハワー米大統領の「アトムズ・フォー・ピース(原子力の平和利用)」演説をきっかけに、唯一の被爆国日本にも原子力ブームが巻き起こる。
 福井県は五七年、産学官の代表による「福井県原子力懇談会」を組織して原発誘致に乗り出した。
 繊維に代わる新しい“地場産業”がほしかった。太平洋側の発展に「追いつけ追い越せ」の機運もあった。
 核分裂同様、原発立地も連鎖する。原発が立地されると、見返りに電源三法交付金など「原発マネー」が流れ込み、庁舎や保養施設のような、立派なハコモノが建設される。それを見て、近隣の自治体が名乗りを上げる。時あたかも高度経済成長期。電力需要も右肩上がり。若狭の浜辺はこうして「原発銀座」になった。
 だが、やがて期待はしぼんでいった。元福井県原子力安全対策課長の来馬克美さんは書いている。
 「原子炉建設によって道路などのインフラは整備された。また、建設労働者の流入により、一時的に地域経済が潤いもした。しかし、それは土木建設業界が活躍する建設工事の初期までであり、機器設備類の組立や実際の稼働に入る頃には、原子力発電所建設による利益を受けるのは立地市町周辺に限られることが明らかになっていた」(「君は原子力を考えたことがあるか」)
 立地自治体の住民があまねく恩恵を受けたわけでもない。
 村本さんと同じおおい町に生まれた作家水上勉は、こう書いた。
 「人を信じるしかあるまい。関電の技師さんを信じるしかあるまい。原発の安全は人間を信じることだ。ひとつそれがくずれれば、イカ釣り舟も地獄の宴(うたげ)だ」(「若狭がたり」)。多くの人が不安を押し殺し、原発との共存を自らに強いてきたのではなかったか。
 福島第一原発の事故を境に若狭湾の潮目も変わり、うち続く電力会社の不祥事は、地元との信頼関係に、とどめを刺した感がある。
◆「百年」はあり得ない
 老朽化した敦賀1号機は廃炉が決まり、2号機直下には大地震を起こす恐れのある活断層の存在が指摘されている。3、4号機の建設予定地は更地のままだ。新増設の見込みはない。原発銀座に「百年」はあり得まい。世界は再生可能エネルギーの時代になった。
 半世紀−。原発の真の受益者は、地方が送る電気を使い繁栄を謳歌(おうか)してきた都会の電力消費者だった。若狭のような供給地の未来をどうするか。消費者もともに考える時。例えば村本さんの原発ネタが、きっかけになればいい。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020033002000107.html



<新型コロナ>欧州ホームレス 窮地 厳格な外出制限で支援縮小(2020/3/29東京新聞)
 新型コロナウイルス対策のため厳格な外出制限が導入された欧州で、路上生活者(ホームレス)が困難に直面している。食事を得る手段は激減し、支援施設の閉鎖やボランティア活動の縮小が相次ぐ。収容先を確保する動きがあるが、集団感染を招く危険性もある。 
 「街に出る人が減り、恵んでもらえる小銭が少なくなった。たまにもらえるパンや果物でしのいでいる。政府は家にいろと言うが、行き場がない」。ベルリンの地下鉄駅で通路に座り込んでいたアデルベルトさん(40)は疲れた表情で話した。五年前から路上生活を続けているという。
 ドイツ国内の路上生活者は推計約四万一千人。路上生活は衛生状態が悪い上、持病を抱えている人も多く、感染すれば重症化するリスクが高い。
 ベルリンのホームレス一時滞在施設では、スタッフの感染が判明し閉鎖。担当者は「再開できても、食べ物の提供などだけに限られるだろう」と話す。全国的な支援団体BAGWのウェレーナ・ロゼンケ代表は「配食や医療など各種支援活動が相次いで縮小され、ホームレスが置かれた状況は危機的だ」と懸念する。
 国内の路上生活者が約十五万人とされるフランスも同様の状況だ。約八百の支援団体を取りまとめる全国組織FASのギヨーム・シェリュイさん(34)は「非常に多くの施設が閉鎖され、ボランティアも半減した。路上生活者らがまったく食事の支援を受けられなくなった」と言う。公衆トイレや路上生活者向けシャワー室も大半が閉鎖され、衛生状態は悪化している。
 支援ボランティアは退職後の高齢者が多い。感染を恐れて外出を避け、休校で在宅する子どもや孫の面倒を見るために活動できなくなった人もいる。感染症対策のマスクは医療従事者が優先されて支援関係者の手に渡らず、活動に不安を抱える人も少なくない。
 英国では約三十年前に創刊された路上生活者の自立を支援する雑誌「ビッグ・イシュー」が路上生活者による街頭販売を停止した。創業者ジョン・バード氏は声明で強い危機感を表明。それでも発行は続ける考えで宅配による購読などを呼び掛けている。
 こうした中、各国政府や自治体は路上生活者の収容先確保に乗り出している。仏政府は冬期限定の路上生活者向け宿泊施設の開放を延長。ベルリン市はユースホステルの部屋を確保した。ロンドン市も二十五日までに三百三十人超をホテルに収容。南仏カンヌ市は五月に予定されたカンヌ国際映画祭が延期され、会場を路上生活者に提供した。ただ衛生環境に問題があったり相部屋になったりすれば、集団感染の恐れもある。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/202003/CK2020032902000127.html



あの日、私は一度死んだ 渡嘉敷島「集団自決」75年 父に首絞められ(2020/3/29琉球新報)
 【渡嘉敷】1945年3月28日、沖縄戦時に渡嘉敷島で「集団自決」(強制集団死)が起きた。この日、渡嘉敷村の金城鶴子さん(91)=当時15歳、旧姓内原=は北山(にしやま)で「天皇陛下、万歳」の声を聞いた。その直後、背後から首を絞められ気絶。目を覚ました時、家族は死んでいた。生き残った金城さん。再び「戦争に近づいている」と感じるようになり、メディアに初めて体験を語った。

 金城さん一家は23日の空襲で大見謝山にある壕に避難していたが、警察官の指示で大雨の中、阿波連集落から北山へ向かった。27日夜中に到着。雨と寒さをしのぐために寄り添い合って眠った。
 28日昼すぎ、すぐ近くで「天皇陛下、万歳」の声が上がり次第に大きくなった。「日本が勝ったんだ」。一緒になって「万歳」を唱えた。その直後、タオルで首を絞められた。
 次に目覚めた時には、そばに母と姉2人の死体が並べられ、父親は首をつって死んでいた。後に聞いた話によると「万歳」は「集団自決」を覚悟した人たちの声だったという。「父は家族を並べて最後に首をつったんだろう。あの日、私は一度死んだ」。金城さんは父親に首を絞められたようだった。
 「米軍に見つかったら何をされるか分からない」。7カ月のおいを背負って逃げた。米軍の通訳をしていた男性に「米軍は誰も殺さないからおいで」と言われ、「どうせ死ぬ」と諦めてついて行った。座間味島へ集められ、復興作業を手伝い配給を得た。
 3カ月がたった頃、寂しさに襲われ始めた。配給のおにぎりは、空腹でも全部は食べられなかった。「おなかすいていたよね」。父の分、母の分、姉の分―と、おにぎりを分けて置き、残りを食べた。「寂しくて何度も死のうと思った」

 戦後75年。「辺野古に基地を造る話など、穏やかではない。地獄だった戦を忘れてはならない」。握った拳に力が入った。
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1098028.html


posted by オダック at 22:01| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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