2020年01月24日

PICK UP NEWS

(声)首相と会食、どんな感触得た? (2020/1/24朝日新聞) 無職 徳本公子(兵庫県 76)
 安倍晋三首相とメディア関係の方々が10日に会食したと「首相動静」欄に載っていた。メディアは権力者を監視するために不即不離の姿勢で臨み、客観的な目を持つことが必要だ。特定のメンバーだけが定期的に首相と会食するのは、記者の基本的な姿勢に対して読者に疑問を抱かせる。私はダメだと思う。
 会食に参加していた朝日新聞の曽我豪編集委員のコラム「日曜に想(おも)う」がどんな内容になるだろうかと注目していたところ、12日に「庚子(かのえね)の年の首相準備マニュアル」の見出しで載った。
 せっかく直前に安倍首相と会食したのに、そのことにまったく触れていないのが残念だった。自民党総裁4選を辞さないのか、任期満了までに改憲の道筋をどう描くのか。夕食をともにしながら、曽我編集委員はどんな感触を得たのだろう。
 なぜ、首相との会食が必要なのか。費用の負担はどうなっているのか。そして、どんな話をしたのか。読者として知りたい。「日曜に想う」でぜひ書いてほしい。曽我編集委員、期待しています。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14338545.html?iref=mor_articlelink05



(声)地域で暮らす障害者に理解を(2020/1/24朝日新聞) 無職 那須邦子(神奈川県 51)
 私は、心の病を持つ人たちと一緒に生活するグループホームに住んでいる。アパートを借り上げる形で、1人に1ルーム。バス、トイレ、キッチンがついている。大変快適に楽しくすごさせてもらっている。
 みな、障害を持ちながら、それぞれ自立に向けて頑張っている。一人暮らしや就職といった「ステップアップ」も目指し、作業所で毎日朝から夕方まで働く。私も3年間、雇用契約を結んで給与をもらう「A型事業所」のカフェで働いていた。ひざの病気にかかり、今は療養中だ。そんな私たちの相談にのってくれるのがホームの施設長。皆の目標や課題などを優しく、時に厳しく支援してくれる。
 地域に暮らす利点は、ご近所との交流だ。優しくあいさつしてくださるし、おもちつき大会や避難訓練に参加もしている。社会的入院といって、社会に受け皿がないため、仕方なく入院している障害者も少なくない。もっと理解が進んで地域で暮らせるようになれば良いと思っている。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14338548.html?iref=mor_articlelink08



【社説】横田騒音判決 深刻な被害を直視して(2020/1/24東京新聞)
 米軍機の飛行差し止めは認めないが、住民が受けた騒音被害の賠償金は日本政府が払う。こんな図式の判決が定着している。公害は延々と続く。司法はもっと住民の被害の深刻さを考えてほしい。
 米軍横田基地(東京)ばかりではない。米軍機や自衛隊機の騒音被害をめぐっては、厚木(神奈川)や普天間・嘉手納(沖縄)など全国計七つの基地で訴訟が起きている。
 横田基地の場合は今回で「第九次」の公害訴訟である。周辺住民らが一九七六年から起こしている裁判だ。今回は基地の周りに住む六市一町の人々ら約百四十人が原告である。夜間から早朝にかけての飛行差し止めと騒音被害などの損害賠償を求めていた。
 一審では被害の賠償は命じたが、飛行差し止めの求めは退けた。東京高裁もこれを踏襲し、約一億一千万円の賠償を国に命じた。実はどの基地の訴訟でも、最高裁判例に基づき、このパターンの判決が続いている。
 過去に自衛隊機の夜間飛行を差し止めたケースはあったが、そもそも自衛隊機は夜間の離着陸はほとんどしていなかった。ましてや米軍機に対しては「支配の及ばない第三者の行為の差し止めを求めるものだから、理由がない」との論法ではねつけている。
 つまり基地の騒音という公害については進歩が望めない状況である。大勢の住民は今後もがまんを強いられるだけである。
 今回の訴訟では二〇一八年に配備された垂直離着陸輸送機オスプレイによる健康被害が訴えに加わっていた。特有の低周波音が新たな被害を生んでいる。もともと墜落などの懸念が持たれ、基地周辺の住民が余計に不安に思うのは当然である。だが、裁判所では「原告の症状が低周波音によるものとは認定できない」と、こちらの点も退けてきた。
 米軍というだけで司法が思考停止に陥ってはいないか。いわゆる「うるささ指数」に基づいて、賠償金支払いを命ずれば足る、とでも考えているなら誤りだ。
 不要な夜間・早朝の離着陸があろう。住民被害を考えれば、飛行を最小限まで控える措置もありうる。
 司法が日本政府を促し、米国側と交渉してもよいのだ。無為無策のままではいけない。
 防音工事では防ぎきれない低周波音が心拍数や頭痛などに影響していると住民はいう。その声にもっと耳を傾けるべきだ。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020012402000154.html



【東京】障害者の自立巡る葛藤 ドキュメンタリー映画完成 渋谷で3月公開(2020/1/24東京新聞)
 障害者が自立して生活する様子を描くドキュメンタリー映画「インディペンデント リビング」が完成し、三月に都内で公開される。介助を受けつつ鉄板焼き店でお好み焼きを頬張り、たばこに火をつけてもらって至福の表情を見せる障害者や、自立を巡って葛藤する親子の姿を映し出す。これがデビュー作となる田中悠輝監督(29)=江戸川区=は「障害者が施設や親元を離れて暮らす選択肢を示したい」と話す。 
 電動車いすで夜の大阪の繁華街を走る。地下鉄に乗る。家では介助を受けて食事を作り、入浴する。たばこをくわえ、ヘルパーに火をつけてもらい、「うまい。最高」と笑顔を浮かべる。一方、障害の影響で診察予定を忘れたわが子を見て、自立生活が成り立つのか、いら立ちを隠せない親−。
 田中監督は二〇一六年夏から昨年春まで、大阪府内三カ所の自立生活センターを足場に、映像を撮りためた。自宅で暮らせば、施設と違って二十四時間のケアを受けられず、体調の急変を見過ごすリスクもある。それでも自立生活を選び、へこたれない姿を九十八分の作品にまとめた。

 頸髄(けいずい)損傷で車いす生活を送りつつ、自立生活センターを運営する男性が「地域に出たら刺激だらけで自分で考えなあかん。これが自立生活の醍醐味(だいごみ)。この仕事をやるために、おれは頸髄損傷になったんやなって思えるようになった」と語るシーンが印象的だ。
 田中監督自身も、一六年春から江戸川区の自立生活センターでヘルパーとして働く。そこで開かれた映画鑑賞会で、映画製作・配給会社「ぶんぶんフィルムズ」(町田市)の鎌仲ひとみ代表に誘いを受け、撮影に踏み出した。
 一月十四日には作品を十二分に再構成したショートバージョンの鑑賞会が杉並区の地元有志の主催で開かれた。田中監督は鎌仲さんや撮影スタッフらと製作の背景を披露。「障害者は周囲に『あれもできない、これもできない』『生産性がない』と言われ続け、自分でもそう考えていることがある。今回の作品は『自分にできないことがあっても、悪くないじゃん』という考えをもつ人たちの物語」と解説した。
 作品のプロデューサーとして監督を支えた鎌仲さんは「笑って楽しめる映画になった。難しく考えずに見てもらいつつ『障害者の暮らしは大変だ』というイメージを覆したい」と話す。
 撮影の舞台となった大阪では一月十一日から公開された。東京では三月十四日からユーロスペース(渋谷区円山町一)で公開予定。前売り券は、ぶんぶんフィルムズのウェブサイト上のショップで購入できる。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/202001/CK2020012402000122.html



(社説)香川ゲーム条例 危うい規制、再考を(2020/1/23朝日新聞)
 インターネットやコンピューターゲームの利用にのめり込む依存症への対策は急務だ。
 だからといって、子どもに対する保護者の責任や親子間の愛着を育む大切さを強調し、一律に利用を制限するような考えには危うさを禁じ得ない。再考するべきだ。
 香川県議会が「ネット・ゲーム依存症対策条例」(仮称)の素案を決めた。意見の公募を経て2月からの議会で成立させ、4月に施行するという。
 条例は18歳未満への対策が中心だ。依存症は学力や体力の低下、ひきこもりや睡眠、視力の障害を招くと問題視。県や学校、保護者についてそれぞれの責任を示し、協力して対策に取り組むよう求めている。
 目を引くのは、保護者の責任と役割への言及、それを踏まえた利用制限の基準である。
 子どもを依存症から守る責任はまず保護者にあることを自覚すべきだ。乳幼児期から子どもと向き合う時間を大切にし、安定した愛着を育むよう努めねばならない。保護者は子どものネットやゲームの利用を適切に管理する責務がある――。
 その上で、利用はコンピューターゲームが1日当たり60分、学校の休みの日は90分まで。スマホなどのネット接続機器では中学生以下が午後9時までで、それ以外は10時まで。このように基準を示し、ルール作りとそれを子どもに守らせる努力義務を保護者に課した。
 親子間で話し合い、適切な使い方を探ることは大切だろう。しかし暮らしの状況は多様だ。そのことを顧みず、家庭という私的な領域に枠をはめようとする姿勢には違和感や嫌悪を感じる人が少なくあるまい。
 実際、素案に先立ち公表した原案への県民らの意見は批判が多数を占め、「家庭への介入だ」「(制限の)数字の根拠が不明」といった内容が中心だった。県議会は、使用を1日60分までとする対象を、原案のスマホ等から素案ではコンピューターゲームに限定。利用時間などはあくまで基準だと改め、ルール順守も努力義務にゆるめたが、その過程は条例の内容のあいまいさも浮き彫りにした。
 ネット依存の疑いが強い中学・高校生は全国で93万人と推計されている。依存の中でも日常生活や健康に支障をきたす「ゲーム障害」は昨年、世界保健機関から疾病と認定された。対策の強化は欠かせない。
 医療や保健、教育、ネット・ゲーム業界の関係者が連携して予防策を練り、相談体制を充実させる。学校や地域など多様な場で、子どもを中心に議論を重ねる。そんな取り組みが大切であることを肝に銘じたい。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14337150.html?iref=comtop_shasetsu_02



<金口木舌>センター試験でこんな問題が出たら・・・(2020/1/23琉球新報)
 大学入試センター試験が今年で終わった。本紙に掲載された問題に挑戦してみたが、数学はてんで駄目。国語は何とか格闘できた
▼「日本史B」では、歴史教員を目指す大学生の会話で「過去を顧みることは大切なことだ」と歴史教育の重要性を語らせていた。では、こんな問題なら受験生はどう回答するだろう。「『日本は単一民族国家』は正しいか」
▼麻生太郎副総理兼財務相なら恐らく「正」と答えるのでは。麻生氏は「2千年の長きにわたって一つの言葉、一つの民族、一つの王朝が続いている国はここしかない」と述べた。だがこれは事実誤認の不正解
▼昨年成立したアイヌ施策推進法はアイヌ民族を先住民族として明記した。沖縄は明治以前は独立国家で、国連の委員会が先住民族と認めるよう日本政府に勧告している。いにしえから大陸や半島からの渡来人が技術を伝えた。音楽や文化も影響を受けた
▼昨年亡くなった中曽根康弘元首相も首相在任中「日本は単一民族国家」と発言し批判を浴びた。どうもこの国の為政者には、少数を排除して純血化したい願望が底流にあるらしい
▼社会学者の小熊英二氏は「単一民族神話の起源」で日本民族論を分析し「日本民族の歴史と言いつつ、じつは自分の世界観や潜在意識の投影を語っていたにすぎない」と指摘した。独りよがりの世界観では、国の行方を危うくする。
https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1061372.html


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2020年01月17日

PICK UP NEWS

(声)阪神・淡路大震災25年 命守る、一人ひとりが備えを(2020/1/17朝日新聞) 無職 小林俊治郎(兵庫県 75)
 忘れもしません。震災の日の朝、出勤のため起きたところでした。物すごい地響きの音に、思わず家の柱にしがみつきました。その直後、これまでに経験したことがない揺れに襲われました。
 揺れはすぐに収まり、大きな被害もなかったので、いつも通りバスに乗って駅まで行きましたが、電車は動いていませんでした。帰宅してテレビを見ると、同じ県内で大変な被害が起きており、その惨状に言葉が出ませんでした。
 あれから25年、被災地は復興しているように見えますが、ここまで来るには被災者にしか分からない苦悩、苦労があったと思います。
 日本に住んでいる限り、自然災害は避けられません。命を守るために専門家が挙げる対策を頭で理解はできても、具体的に行動に移すのは大変です。日頃から少しずつでも備えておこうと、私は25年間、家の壁や家具の点検、1週間分の水・食糧の確保、避難場所の確認などをしています。一人ひとりがやることで被害を最小限に抑えられるのではと考えています。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14329707.html?iref=mor_articlelink07



(声)阪神・淡路大震災25年 生きる意味、防災活動に見いだす(2020/1/17朝日新聞) 団体職員 三村英子(神奈川県 51)
 あの日から25年。自宅が倒壊して亡くなった母と、私は同じ50代になった。母を助けられなかった罪悪感にさいなまれ、何度も生きている意味を見失いそうになった。
 そんな気持ちを少しずつ変えたのが、東日本大震災だった。自然災害への備えの大切さを伝える防災ボランティアとして、活動を始めた。
 一番伝えたいことは、私が被災で最も困ったトイレと、避難所生活の対策だ。問題は25年経っても解消されていない。台風19号では高層マンションでトイレが使えないという声が報道された。自宅での簡易トイレの作り方の普及に力を入れたい。
 長期の避難所生活は日常に近い環境をいかに整えるかが大切だが、体の不自由な方々には使いづらいトイレ、硬い床に敷いた毛布で雑魚寝。温かい食事は提供されにくい。「TKB(トイレ、キッチン、ベッド)」という言葉をご存じだろうか。自分で、地域で、行政で、TKBを意識した避難所運営に何が出来るのか考えることが必要だと思う。
 神戸で助かった私。母を亡くした無念。防災はライフワークになった。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14329702.html?iref=mor_articlelink02



(社説)阪神大震災25年 「人を守る」復興をめざして(2020/1/17朝日新聞)
 6434人の尊い命が失われた阪神・淡路大震災は、防災・復興対策が見直され、さまざまな仕組みがつくられていく契機となった災害だった。
 自治体間の連携が進み、医師や看護師らの災害派遣医療チームが各地に生まれた。基金を設けての柔軟な被災者支援が注目を集め、兵庫発の署名運動を経て、1998年に被災者生活再建支援法ができた。
 大勢のボランティアと被災者を結ぶ手立てが考え出され、行政、NPO・NGO、経済界がともに支えた。そんな「ボランティア元年」の模索はNPO法成立を後押しした。
 ■突きつけられた課題
 一方で、「阪神」はその後の災害時にも繰り返し指摘される重い課題を突きつけた。
 犠牲者の約14%の900人余は、避難所でのインフルエンザ流行などによる「関連死」だった。ついのすみかとして用意された復興公営住宅では、震災を直接経験していない住民も含めて、孤独死が毎年数十人のペースで報告され、20年間で1100人を超えた。
 行政が「創造的復興」を掲げた市街地再整備では、再生の道を歩めない中小の事業者が相次いだ。神戸市長田区はその典型だ。店舗や工場、住宅が密集していた下町の焼け跡20ヘクタールに、ビルやマンションを40棟余り建てたが、いま商業区画はシャッターを下ろした店が目立つ。
 高齢化に核家族化、弱まる地域コミュニティー、バブル崩壊後の産業構造や消費行動の変化……。時代の波が影を落としたのは確かだが、被災者の生活再建を最優先に対策を尽くしたかが問われ続けている。・・・
 ■一人ひとりを支える
 2011年の東日本大震災で、仙台市は仮設住宅の入居者に「災害ケースマネジメント」と呼ばれる対応をとった。
 市役所の各課と社会福祉協議会、生活支援活動を行う地元NPOが手を組んだ。約8600世帯(14年春時点)への訪問結果を分析し、「住まい再建のメドはあるか」「心身の不調や障害、就労や就学への不安を抱えていないか」という二つの基準で4類型に分類。両方ともに問題がある約250世帯には個別に計画を立て、それぞれに必要な支援を行った。
 この手法は16年熊本地震の一部被災地でも実践された。18年には鳥取県が防災危機管理基本条例を改め、災害ケースマネジメントを盛り込んだ地震被災者への施策を進めている。
 阪神大震災の後、社会保障分野では介護保険法(97年)や障害者自立支援法(05年)、生活困窮者自立支援法(13年)ができた。通底するのは「一人ひとりに必要な支援を届ける」という思想で、災害ケースマネジメントも同様の考えに立つ。
 ふだんから医療や介護、就労支援などの施策と防災対策を一体で考える。縦割りを排して官民が協力する。そうした態勢があれば、災害に備える力と生活再建を支える力とを同時に高められるのではないか。・・・
 ■法の再編も視野に
 現在も家屋の損傷度合いに応じて、修理のための経費を「現物給付」として自治体が業者に支払う道はある。だが、戸数が多い「一部損壊」は長らく対象外とされた。金額も十分とは言い難い。昨秋の台風15号の際の苦情や不満を受けて制度が変わり、一部損壊のうち屋根瓦が壊れたケースなどにも給付が認められるようになった。さらに拡充を考えていくべきだ。
 そもそも現物給付は、物資の乏しい終戦直後の47年にできた災害救助法の原則で、時代遅れなのは明らかだ。冒頭で触れた被災者生活再建支援法で、現金給付の考えが打ち出されたが、金額はいまも1世帯あたり最大300万円にとどまる。半壊と一部損壊は対象にならない問題点も放置されたままだ。
 首都直下や南海トラフの巨大地震で多くの避難民が出たとき、つぎはぎの現行制度で対応できるだろうか。専門家の間では、おおもとである災害対策基本法(61年制定)も含め、被災者を総合的に支援できるよう、法体系を練り直すべきだとの声がある。・・・
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14329699.html?iref=comtop_shasetsu_01



【神奈川】大規模災害時、避難所のプライバシー 県と世界的建築家・坂茂さんのNPO間仕切り提供で協定(2020/1/17東京新聞)
 阪神大震災から十七日で二十五年。同震災を機に「紙のログハウス」を被災地に設置するなど、建築分野で被災者支援に取り組む世界的建築家の坂茂(ばんしげる)さん(62)が理事長を務めるNPO法人「ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク」(東京都世田谷区)と県は、災害時に避難所などで使用する間仕切りを円滑に提供する協定を締結した。同NPOと都道府県の協定は七例目。 
 坂さんは「建築分野のノーベル賞」と呼ばれるプリツカー賞を二〇一四年に受賞した。「社会的弱者の生活環境の改善も建築家の役割」としており、一九九五年以降はイズミット地震(トルコ、九九年)など国内外で、防水加工した紙製パイプを組み合わせたログハウスを仮設住宅として提供・設営してきた。
 二〇一一年のニュージーランド地震では、倒壊したクライストチャーチ大聖堂の代わりとなる「紙の教会」を建設し、現在は観光名所になっている。
 県が協定を結んだ間仕切りシステムは、大規模災害時の避難所運営で、被災者の生活の質とプライバシーを簡易な方法で確保できる利点がある。
 新潟県中越地震(〇四年)から手掛け始め、東日本大震災(一一年)や熊本地震(一六年)などでも使っている。紙パイプと布を組み合わせて作る簡易的なもので、二メートル四方で一区画。区画を縦横につなげれば拡張でき、家族用として使える。組み立ては簡単で、避難所にいる被災者の協力を得ながら設営しているという。
 協定では災害時、市町村から要請を受けた県が同NPOに連絡し、必要な数の間仕切りを送ってもらう。料金は実費を後払いする。
 坂さんは「高さが低い間仕切りだと、特に女性はプライバシーを気にして車中泊をし、エコノミークラス症候群になる危険性もある。大規模災害はいつ起きてもおかしくなく、神奈川を拠点に周辺被災地にも届ける態勢を整えたい」と話した。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/202001/CK2020011702000124.html



<社説>阪神大震災25年 教訓を防災に生かしたい(2020/1/17琉球新報)
 6434人の死者を出した阪神大震災から、きょうで25年を迎える。多くの人々の犠牲を悼み、震災の教訓を安全・安心な社会の実現に生かす誓いを新たにしたい。
 阪神大震災の発生は午前5時46分、深さ16キロを震源とするマグニチュード7・3の地震が襲った。国内で初めて体験する大都市直下型の巨大地震だった。
 全壊家屋は10万4906棟、半壊家屋は14万4274棟に上り、就寝中だった多くの人が倒れた家屋や家具の下敷きとなった。火災が同時多発的に起きて延焼し大規模化した。
 高速道路の橋桁が横倒しになるなど、道路、鉄道の交通網が寸断され、被害状況の把握もままならなかった。震災による壊滅的な被害は、公共施設や住宅の耐震基準の強化など、日本の防災対策を大きく見直す契機となった。
 あれから25年が経過し、震災後に生まれた世代が社会で活躍する時代となった。だが、四半世紀の歳月が流れようと、かけがえのない肉親らを失った人々の悲しみが癒えることはない。被災者の心に寄り添い、震災の教訓を何度でも語り続けることだ。
 沖縄は地震が少ないと思われがちだが、それは思い込みにすぎない。2018年に沖縄地方とその周辺で、マグニチュード0・5以上の地震を2万4279回も観測している。10年2月には本島近海を震源とするマグニチュード7・2の地震があり、糸満市で震度5弱を記録した。
 過去にも、「明和の大津波」として伝わる1771(明和8)年の八重山地震津波は、宮古、八重山両諸島で家屋流失2千軒余、死者計1万2千人の被害が出た。1909年には本島近海でマグニチュード6・2の地震が発生した。那覇や首里などで千カ所以上の石垣が崩壊し、十数人の死傷者を出している。
 沖縄で大きな地震が起きる可能性は十分にあり、四方を海に囲まれる中で、津波の脅威は常に隣り合わせだ。災害は忘れた頃に必ずやってくるという心構えを持つことが防災の第一歩だ。
 公共施設の耐震化や防災地図の作製など、行政が災害の備えに万全を期すことはもちろん、各家庭や地域でもできる取り組みを日頃から意識してほしい。
 水や保存食の備蓄、家具が倒れてこないような配置の見直し、持ち出し品と靴の用意なども大切だ。自宅周辺の避難場所と経路、災害時の連絡方法などを家族で確認しておく必要がある。
 高齢者の支援や被災した住民同士の物心両面の助け合いなど、地域の相互扶助を普段から築いておくことも災害時の被害軽減につながる。
 気候変動による台風の大型化など、自然災害のリスクは増大している。震災の記憶を風化させず、離島県の沖縄でも災害の備えに万全を期さなければならない。
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1058389.html



虐待情報を瞬時に共有、連携 警察署と児相 埼玉で全国初(2020/1/16東京新聞)
 全国的に児童虐待事件が相次ぐ中、埼玉県は、県が管轄する児童相談所が把握した全ての虐待事案を、県警の各警察署とリアルタイムで情報共有するシステムを構築した。県によると、全国初の試みという。八日から試験運用を始めており、不具合がなければ今月下旬に本格稼働させる。市民から通報を受ける児相と警察署がきめ細かく連携し、虐待の早期発見と対応に取り組む。
 県は二〇一八年八月から、児相が把握した全虐待事案を県警と共有しているが、各警察署は県警本部を通じて子どもの氏名や住所、虐待の種別といった内容を確認しなければならず、情報更新も月に一回だった。
 これに対し、新システムは対象の子どもごとに過去の通告状況や一時保護歴など、より詳細な情報が一時間おきに更新され、県内三十九の全警察署から閲覧できる。例えば、虐待の恐れがあるとの通報を受けた署員が署内の端末から直接情報を確認し、速やかに児相と連携、保護することができる。まず県管轄の七児相でスタートし、政令市のさいたま市が管轄する児相も今後、参加する予定。
 県によると、一八年度の児童虐待通告件数は約一万五千件で過去最多。うち警察からの通告が全体の65%を占め、年々増えている。 
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202001/CK2020011602000135.html


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2020年01月13日

PICK UP NEWS

スペインの新内閣、女性11人に 副首相や外相など(2020/1/13朝日新聞)
 今月再任されたスペインのサンチェス首相は12日、閣僚名簿を発表した。閣僚22人のうち女性が11人を占める。副首相4枠のうち3人が女性で、外相や国防相などの要職にも起用された。サンチェス氏は2018年6月に初めて首相に就いた際も、閣僚17人のうち11人が女性だった。
 サンチェス氏率いる社会労働党(中道左派)は少数与党のため、左派ポデモスと連立政権を組む。同党からは副首相にイグレシアス党首を充てるなど、5人を閣僚に起用した。スペインでは、社会労働党と野党国民党(中道右派)の2大政党の退潮が著しく、AFP通信によると、独裁体制をしいたフランコ総統が死去した1975年の民主化以降、今回が初めての連立政権となる。
https://digital.asahi.com/articles/ASN1F31YGN1FUHBI007.html?iref=comtop_list_int_n02



(声)生き生き働く障害者、見に来て(2020/1/13朝日新聞) 主婦 石島彩子(東京都 57)
 相模原市の津久井やまゆり園で障害者ら45人が殺傷された事件の裁判員裁判が始まった。私は就労継続支援B型事業所に通所し、障害者と言われる立場。事件後、「お前は不要な人」という幻聴を訴える仲間もいた。ひとごとではない。
 まずは障害者の現場を知って欲しい。私の作業場は心を病む人たちが集い、働きながら地域交流するレストラン「クッキングハウス」。乳幼児連れの母親が「ゆっくりできる」、お年寄りや社会人は「野菜が多く食べられる」などと通って下さる。味を評価して遠方からも注文がある。生きがいを感じ、ありがたい。
 2年前に亡くなった母は病気で寝たきりになり、施設に入った。年をとって介護されるのと、障害があってケアをされるのと、どれほど違いがあるのか。お菓子作りで社会に愛されていると感じるが、生きているだけで外とつながり、楽しく過ごせる世の中が当たり前だとも思う。
 障害を負った人に対して、「世間のお荷物」と思う人もいる。何が社会の余裕を奪っているのか。どうすればいいのか。わからない。でも、一つ言える。生き生きと働く私たちを、ぜひその目で見に来てほしい。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14324306.html?iref=mor_articlelink03



【国際】イランで反政府デモ 撃墜対応巡り「うそつき」(2020/1/13東京新聞)
 【カイロ=奥田哲平】イランがウクライナ旅客機を「人為的ミス」で撃墜したと認めたのを受け、イランの首都テヘランなどで十一日夜、大規模な反政府デモが発生した。機体の不具合との主張を一転させた当局に対して「うそつきに死を」と怒りの声を上げ、集会に参加していた駐イラン英大使は、デモを扇動したとして一時拘束された。
 ロイター通信によると、テヘランでは大学構内で開かれた追悼集会がデモに発展し、一千人以上が参加。旅客機を撃墜した軍事組織「革命防衛隊」に近いファルス通信(電子版)は「有害で過激なスローガンを叫んだ」と伝えた。昨年十一月に武力鎮圧されたデモが再燃する可能性がある。
 ソーシャルメディア上では、最高指導者ハメネイ師を指して「最高司令官は辞任せよ」「独裁者に死を」などと叫ぶ映像が拡散。米軍の空爆で殺害された革命防衛隊精鋭部隊のソレイマニ司令官の写真を引き裂く参加者の姿も。改革派指導者のカルビ元国会議長は声明を発表し、ハメネイ師に責任を取って辞任するよう求めた。
 撃墜された旅客機の乗客の大半はイラン人(二重国籍者含む)。自国民の命を奪い、当局が前言を翻した衝撃は大きい。政府系紙イランは一面で犠牲者の名前を並べて「許されない」と見出しを掲げ、別の新聞は「汚点」と批判を込めた。国営イラン通信は声明で「三日間にわたり不正確な情報を伝えた」と謝罪した。言論統制の厳しいイランで、こうした報道は異例だ。
 イランでは昨年十一月にガソリン値上げへの抗議を発端にした反政府デモが全土に広がり、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは治安部隊との衝突で三百人超が死亡したと報告。国民の不満はくすぶり続けており、政府は旅客機撃墜事件を通じて体制批判が広がるのに神経をとがらせているとみられる。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/202001/CK2020011302000134.html



(声)誰かは働く年末年始、幸せとは(2020/1/12朝日新聞) 介護福祉士 軽部誠一朗(埼玉県 33)
 昨年末、小売りや飲食店の年末年始休業がニュースで報じられ、話題となった。ある外食チェーンは休業を新聞広告で告知し、そこには、売り上げよりも社員がお正月を家族と過ごすことを優先したとあった。素晴らしい取り組みだと思う。
 特別養護老人ホーム(特養)に勤める私は、大みそかの夕方から夜勤であった。夕食は年越しそばだ。利用者の方々が召し上がるのを見守る。食堂に残りテレビの歌謡番組を見ながら歌う利用者とともに、年を越した。屋外に出ると、住宅街の夜空に除夜の鐘が鳴り響いていた。
 医療・福祉の現場は、年末年始、ゴールデンウィークもお盆も24時間営業である。
 深夜の巡回中、サイレンが聞こえ、当施設の付近に消防車が止まった。救急車も来たが、火災ではなかったようだ。消防士、救急隊員の彼らにも生活が、家族があるが、いつ起こるかわからない火災、急病や事故に備え働いている。
 誰かが担わなければいけない仕事。新年を働きながら迎える人々はどう受けとめているのだろう。そんな私たちの幸せとは何だろう。答えはすぐには見つかりそうにない。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14324164.html?iref=mor_articlelink03



<社説>教員の長時間労働 働き方改革の道筋付けよ(2020/1/12琉球新報)
 長時間労働などで学校現場が疲弊し、教員にゆとりや将来への希望が見えなくなっている現状が改めて浮き彫りになった。
 県教職員組合(沖教組)が40歳未満の若手教職員に行ったアンケートで、定年まで現在のような働き方を続けられないとする人が55%に上った。月平均の時間外労働は平均55・7時間となり、持ち帰りの仕事も10・6時間あった。働き方改革関連法の施行によって、民間企業では時間外労働は原則月45時間と定められたが、それを大きく超える実態だ。
 教育現場はいじめや不登校などの課題が山積している。「モンスターペアレント」の対応に神経をすり減らす例があるのも事実だ。教員が多忙故に疲れ切っていては適切な対処ができない恐れがある。教員の残業を減らし、ゆとりある教育現場にするための具体的な対策が求められる。
 本紙が昨年12月に市町村の教育委員会へ聞いたアンケートでも、公立小中学校で月100時間を超える残業をした教員が延べ810人、「過労死ライン」とされる80時間超は少なくとも延べ2329人だった。学校現場の長時間労働は常態化している。
 文部科学省は昨年1月、働き方関連法に沿う形で公立校の教員の残業が月45時間を超えないようにする指針を出した。しかし、指針に罰則規定はなく、「臨時的な特別の事情」の場合は月100時間を超えない範囲で延長できるとしている。
 そもそも県内の公立小中学校でタイムカードやICカードなどで客観的に勤務時間を把握していたのはおよそ半数の21市町村だった。その他は教員自身がエクセルデータに記入したり、出勤簿に押印したりする方法で勤怠を管理していた。
 労働時間が正確に管理されず、月45時間の指針を守らなくても罰則もない状況では、指針が形骸化しているのも無理はない。
 沖教組のアンケートによれば、教員が本来時間をかけたいのは教材研究や補習指導、学年学級運営など子どもたちを指導する業務だが、時間外勤務が発生する理由は報告書作成や校務分掌などが上位となり、生徒と向き合う時間が取れていない実態も見えた。
 経済協力開発機構(OECD)の国際教員指導環境調査で日本の中学校教員の週当たりの仕事時間は56時間と世界最長だ。にもかかわらず、生徒が自ら考える力を育む授業を実践する教員は各国平均に比べて低い水準にある。多忙さが子どもの指導に向けられていないのだ。
 いま、学習指導は暗記中心の授業から表現力や深い思考を養う方向へ転換している。教員の指導法がより高度になるよう、授業の準備を充実させる時間が必要だ。
 教員の仕事の在り方を抜本的に見直し、働き方改革の道筋を付けたい。
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1055817.html


posted by オダック at 19:21| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする